表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/50

17話【依頼】

異世界人カズトとの接触をしばらくの目標に定めた僕らは、現在ギルドの中にいた。

ここには多くの冒険者がいて彼を知る人がいるかも知れないと思ったから。

……けどそこには予想外の顔もあった。


「…んだよ」

「王国騎士ってもしかして暇なの…?」


仏頂面で依頼募集の掲示板横に立つドランを見て流石に言わずにはいれなかった。


「変態がリリスちゃんに変なことしてねえか見にきてんだよこっちは!」

「このロリコン目的を隠さなくってきたな…」

「お兄ちゃんまた声に出てるよ…」


しまったまた口から漏れたか。どうも僕はドランの前でだけ心のうちを曝け出してしまうらしい。恋かな?

あと心なしかギルドの方々から「変態トリオが集まってるぜ…」とかなんかすごく嫌な囁き声が聞こえる。

僕をこんなロリコンと一緒にしないでくれ。


「…っつーか遅えよ。依頼受けにきたんだろ?俺が案内してやろうと思って何時間待ったと思ってんだ」

「いや本当に知らないよ…なにそのめんどくさい彼女みたいなの………ちなみに何時間待ったの?」

「ふんっ言わねえ…」

「お兄ちゃんドランの足元に空のジョッキがいっぱいあるんだけどまさか朝からいたんじゃ…」


こ、こいつ…僕らのこと大好きか?

ドランは「ふん」とか言って顔を赤くしていた。もしかしたらコイツが僕のヒロインなのかもしれない。


「…で、お前ら当然依頼受けにきたんだろ?」

「いや、異世界人の情報聞きにきただけなんだけど……」

「よしっなら俺がお前みたいなのでも何とかクリアできる簡単な依頼を探してやるよ!ほら、ついてこい」

「お、お兄ちゃんこの人現実が見れなくて勝手に依頼受けさせようとしてる…!」


…なんか普通に可哀想に見えてきた。

半日近く僕らを待ってたみたいだし話くらい聞いてあげたほうがいいんだろうか…。


「…冗談だ。けどE級冒険者のお前じゃ異世界人様になんてあってもらえないと思うぞ」


E級冒険者?その単語の意味がわからずリリスの方を見るが彼女も同様のようで首を横に振ってみせた。


「冒険者にはランクがあるんだ、Eを一番下にE、D、C、B、A、Sの段階で成長する。高ければ高いほどギルドから融通を利かせてもらえるしハイリターンな依頼を受けることもできるしハイランクのダンジョンにも挑戦できる。わかりやすくいうならE級冒険者のお前らはEランクの依頼までしか受けれないってことだ」


なるほど、ゲームとかでたまにそういうシステムを見たことある。

けど…


「それはわかったけど…その冒険者ランクと異世界人に会えないって話がどうして繋がるの?」

「バカ。あの方達は滅多に街の中にはいない。ほとんどの時間をAランク難易度のダンジョンやSランクの危険地帯にいるからな。会おうと思ったら並の冒険者じゃ会えないんだよ。あの方達クラスにもなればギルドにわざわざ来なくても、依頼人の方から直接依頼をされるしな。会うためには地道にランク上げをしないとな」


なるほど……やっぱりそう簡単には会えないか…。


「サインでも欲しいのか知らないけど、お前らじゃしばらくは会えないだろうな。ランクの変動は2ヶ月に一度だけだし今からAまで上げるのにも半年以上だ!………ま、唯一方法があるとすれば…」

「あるとすれば?」

「お前ら兄弟が俺のAランクパーティに入「ごめんなさいお断りします」」

「リリスちゃん!?」


ドランが言い終えるより前にリリスが丁重に断った。

いや…君のこと嫌いとかじゃなくて流石に同じパーティになると正体バレるリスクとか高くなるしそれで断ったんだよ…。多分、だから泣かないでくれドラン…。


「ま、まあいい…!それなら大人しくコツコツ鍛えれば良い話だからな…!まあお前らじゃ何年かかるかわからないけど!」


目尻に涙を溜めながらドランが話す。ただでさえギルド内で目立つ僕らは余計に目立ってしまっているようで

「おい…今のみたか?」

「ああ、あの竜騎士ドランが変態ペットブリーダーの仲間になろうとしてたぜ…」

「ドラン様が!?わ、私結構好きだったのに…あの変態のせいで…!」

ただパーティに勧誘されただけだったんだけど何だか妙な勘違いをされてしまっている気がする。

……しかし、今のままの僕らでは異世界人に会う方法がないのも事実。

うーん、どうしようかなと悩んでいるとリリスが疑問を投げかけた。


「ドランさん…えっと異世界人に会うには冒険者ランクをあげるか直接依頼をするしかないってことですよね?」

「え?あぁ…まぁそうなるが、まさか…」


しれっとリリスがドランにさん付けしているのが気になったが一旦流す。

おそらくリリスが今言いたいのはもう一つの会う方法だろう。


「もしかしてリリスちゃん…異世界人様に依頼をする気か?」

「…うん」


やはり、残されたもう一つの可能性。

確かに僕らが今から時間をかけてランクを上げるよりそっちの方がはるかに現実的な感じがする。


「いや、それもどうだろうな…仮にも異世界人様たちは全員Sランク冒険者達だ。直接の依頼でも最低100万コインは必要になるだろうし…」


100万ゴールド、昨日僕らが買ったパンが二つで10ゴールドだと考えると…日本の貨幣価値の10倍くらいかな?

つまるところ鎖の勇者に依頼するには大体1000万円近く集める必要があるらしい。

うぅ…現実的じゃない。ドランがついでに「Eランク冒険者の依頼報酬は一つ平均200ゴールドだ」と補足してくれる。

つまりこれから可能な限り最速で5000回近くの依頼を達成しなきゃいけないらしく…。


「ぜ、前途多難だ…」


事実上異世界人に会う方法はほとんどない、そう絶望する僕を他所に、リリスがは何か考え事をしているようだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ