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カスミ③

宜しくお願いします。以前書いていた話ですが、前の作者ページにログイン出来なくなってしまったので、推敲しながら再投稿。話が変わった部分もあります。

宜しくお願いします。

 暖かく懐かしい感じがして目を開ける。


「カスミさん、気がつかれました? 大丈夫ですか、気分が悪いとかありませんか」


シロウに背負われている。


「ごめん、大丈夫。ちょっとオークに嫌な思い出があって、まさか気を失うなんて、、もう大丈夫だから降ろして」


「もう少し背負わせてください。気を失ってからそんなに時間は経っていません。こう見えても強いから大丈夫です。あっすみません、背負われるのが嫌なら降ろします」


「嫌とかじゃなくて、申し訳なくて」


「まだお互いにあんまり知りませんが、『回復』のスキルを持っているカスミさんは、きっと多くの人を回復して来たんだと思います。回復する相手からの謝罪を求めてますか」


「そんな事はないけど、感謝は嬉しいかな」


「それです。いや、感謝を押しつけてるわけじゃなくて、言ってもらえるなら謝罪より感謝が嬉しいですよね」


「シロウ、ありがとう。もう少しで落ち着くから、あとちょっとでいいからこのままでもいい?」


「もちろんです」


カスミはシロウの背中の温もりに安心した。


ーーーーー


 ファフはドラゴンに戻りたかった。シロウを探して駆けて行きたい。それをしないのは、シロウに言われた時以外は変身しないって約束したからだ。


「ファフあんまり急ぐな、シロウもきっと向かっているし、上に登っていけば必ず会える」


「ほんと?」


「本当だ。無理をしてケガをすればシロウが悲しむぞ」


「わかった」


この人は良い人。それが何となくわかる。初めて会った時から、不思議と抵抗を感じない。


「ファフはドラゴンに変身出来るのだな。一度だけ見たが、あのハイ・オークへの突進を私は目で捕らえる事さえ出来なかった。もし戦ったりしたら、私は勝てないと思う」


「うん」


「だけど、私は歳上でシロウとヨウコにファフを会わせるって約束したからな、必ず2人の所につれていくぞ」


「約束まもる」


「そうだ、私も約束は守るぞ」


「来た」


ファフとエルザの前にオークが3体。ファフは斧を振りかぶると、オークに向かおうとしたが、エルザに止められる。


「私も弱くはないのだ、今回は見ていてくれ、私が強いところも見せておきたい」


エルザはそういうと、剣に雷を纏わせ、オークに向かって行った。


ーーーーーー


 「黒姫はシロウとデキテルのか?」


リョウさんから突然そんな言葉が飛び出した。


「私は好きです」


「シロウはわかんねーってこと?」


「お互い、好きとか言い合った事はありませんし、嫌われてないとは思いますが、自分がシロウの特別な存在とは思った事はありませんね」


「誰にでも優しいからな」


「今もシロウがカスミさんと一緒にいるのが、ちょっと気になります。カスミさん、かなり可愛いし」


「そうだな、黒姫には悪いが、俺はシロウならあいつの呪縛を取り除いてくれるんじゃないかって期待してるよ」


「呪縛ですか?」


「言葉にするとな。縛られてる、そんな感じだ。アーシアの件があったろ、シロウは素振りとかとぼけてたが、あれでアーシアは何かを吹っ切った。俺はカスミを変える事は出来なかったからな」


「変なフラグ立てないで下さい。カスミさんが良い方向に行くのは良いのですが、シロウとどうこうなるのは嫌ですからね。それはリョウさんが責任持って引き取って下さい」


「俺じゃ手に負えねーな。そうなったら強敵だぞ、あいつは意外に可愛いところがある」


「私も負けません」


「そうだな、黒姫も可愛いところがある。ダンジョンで恋話するとは思わなかったし、してみれば結構楽しいもんだが、それもおしまいだな。オークが3体か」


「風魔法を使いましょうか?」


「いや、とっとけよ。合流まで長いかも知れん。俺がやる」


リョウさんは槍を構えるとオークに向かって行った。


ーーーーーー


 シロウに続いてカスミは階段を上がった。これで5階、姫路城は6階建てなので、あと1つ上がればコアに辿り着く。シロウは何でもない様にモンスターを倒している。オークの時は気を失っていたが、その後に階段を登った先には、ブラットグールやレッドスパイダーがいたのだけど、苦戦する事なく倒している。そして今は次の階段に差しかかった。


「とんでもなく強いね」


「たまたまです。正直にいうと様子見とかはわからないから、直ぐに強い技を使っているのでそう見えるのかも知れません」


そう言い笑うシロウ、何かあったら助けなきゃと自然に思える。自分でそう思えるのは、リョウと組んでいた時から随分久しぶりに感じた事だ。


「敵がいます。先に上ります」


階段の途中でそう言うとシロウが階段を駆け上がる。シロウの戦いを見れば、自分は足手纏いでしかないだろう。しかも『短剣B』があるのに、その短剣すら持っていない。何で自分は用意をしなかったのかと後悔する。


おそるおそる目までを出して階上を見る。剣を構えたシロウの先にはデュラハンがいる。ダンジョンに疎くなってしまったカスミでさえわかる程にデュラハンは強いモンスターだ。


シロウも慎重に戦おうとしているのがわかる。そんな時、デュラハンの前に穴が開き、エルザが姿を現した。



読んで頂きありがとうございます。

誤字や脱字、意味不明な文章に説明不足なところなどがあったら、是非教えて下さい!


また、評価を頂けると励みになります。宜しくお願いします。



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