シロウのダンジョン
宜しくお願いします。以前書いていた話ですが、前の作者ページにログイン出来なくなってしまったので、推敲しながら再投稿。話が変わった部分もあります。
宜しくお願いします。
輝き出したコアから声がする。
『シロウ、No.917だ。コアを斬らないでおくれよ』
その声はヨウコやファフにも聴こえている様で、二人とも声の主を探してキョロキョロしている。
「このコアに入った・・」
『そう。このコアの主はスライムに食べられたんだと思う。不在のコアだから、入れるか試したら入れたんだよ。半分溶かされてるけど』
「ヨウコ、ファフ、このコアは敵じゃない。ヨウコ達もなんとなくわかるんじゃないかな」
「ファフ、わかる。シロと同じ」
「そうね、緊張感というか嫌な感じはしない」
「ダンジョンNo.917って言うんだ」
『ファフにヨウコ、シロウの眷属達。私はNo.917、話すのは初めてだけど、私はシロウの中にいた』
「はじめまして、私はヨウコです」
「ファフ」
『シロウ、私は意識のみこちらに来たみたいだ。スキルとかはシロウがそのまま持っていると思う。多分No.1818もこっちにいる。拗ねて出てこないけど』
「スキルチェンジやドラゴンマスターとかはこっちにあるかな、あれっ? ダンジョンポイント871っいうのが増えてる」
『成程、ダンジョンポイントは私もあるから、使用は共有されたのかもね。試しに使ってみる、少し離れてくれる』
足元に魔法陣が浮かぶ、青色の魔法陣。
『モンスターが出てくるけど仲間だからね。100ポイントしか使ってないから、大して強いのは出ない』
魔法陣からはスケルトンナイトが出てきた
『スケルトンナイトは上出来! シロウ達の味方だからね。よしっ、ダンジョンポイントが使えた!シロウも使ってみる?』
「あれ、スキルに『帰還』が増えてる」
『おそらくこのダンジョンに戻るスキルだと思う。ダンジョンを持ったから付いたんだ。どこからでもここに戻れると思うよ』
「便利だね、今度からいつでもここで話せる。それと、とりあえずダンジョンポイントが使えるかだね、おすすめのスキルとかあるの?」
『シロウは中級の使い勝手の良いスキルは既に持ってる。同じものを2個は取る事が出来ないし、そうだ、シロウもモンスターを召喚してくれないか、ここの入口は隠されているから発見はされにくいとはいえ、スケルトンナイト一体では心許ない。使うポイントを決めて、念じれば召喚されるはずだ』
「どの位のポイントを使う」
『500』
「残りのポイントのほとんどだけどいいの?」
「いいよ。ちまちま弱いモンスターを召喚しても仕方がない。それにスキルチェンジはシロウにあるから、単純に強いモンスターが欲しい』
シロウは500ポイントを使用し念じた。
白色の魔法陣。
『いかにも弱そうな奴が出てきそうだけど・・』
No.917が言いかけた時、魔法陣から両手が伸びる。大きな手、それは魔法陣を引き裂く様に左右に押し広げていく。
カッととてつもない光を放ち魔法陣が破裂した。目が慣れるに従って出てきたものを見れば、肩から先の右腕が宙に浮いている。ただ肩から先だけなのに、その大きさはシロウより大きい。
『なんだこれは、とりあえず種族名っと、えっ「????」としかわからない。初めての魔物でも種族名はわかるはずなのに、シロウはとんでもないのを引き当てたね』
「そうなの? この状態でもダンジョンを守れるのかな」
『それはわからない。ただシロウもポイントが使える事はわかったし、こいつも言う事は聞く様だ』
右腕はNo.917の話にサムズアップで応えている。
『もうポイントもないしね。ダンジョンにいれば、いるだけでもポイントは貯まるんだけど、1日2ポイントしか貯まらないから、シロウにはしっかりとダンジョン制覇してきてもらわないと』
「もしこのコアが壊される様な事が有れば、どうなるのかな」
『怖い事言うね。わからないな、こうやってシロウとは分離したけど、ダンジョンポイントを共有してたりするから、シロウに害がないとは言い切れない』
「それなら一緒にいた方が良いんじゃないかな」
『多分それは出来ない。興味本位で移れるかを試して、こっちにきたんだけどさ、ここにいると帰ってきたと言う気がするし、このコアに定着したんだと思う』
「なんか寂しい気もするね」
『そうだな、私はシロウを通して外の世界を見た。私達コアは人間をなんとも思っていないけど、私は人間とは戦いたくないと思ってる』
「離れても呼べたら良いのに。なんかそういうスキルもありそうだね」
『1000ポイント貯めれば上級スキルが見られるから、その時はスキルを確かめてね、あるかもしれない。ただシロウがのんびりしていれば私が使っちゃうから早く見てね。私はダンジョンを創る事なくシロウにやられたから、ダンジョンを創りたいんだ。これは本能みたいなものかな』
「わかったよ。見てもそれらしいのがなければ使わないから、ダンジョン創りに充ててもらっていいよ」
『やった!来る度に変わるダンジョンに期待してっ。それと帰る時はくれぐれも誰かにみつからない様にね。ちゃんと『陽炎』使ってよね』
「わかってるよ、じゃあまた来るのを楽しみにしてる」
『そうだね。ここは私のダンジョンでもあり、シロウのダンジョンでもある。だから、いってらっしゃいと言っておくよ』
「いってきます」
シロウはそう声をかけて、ダンジョンを後にした。
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