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ヨウコとシロウ③

宜しくお願いします。以前書いていた話ですが、前の作者ページにログイン出来なくなってしまったので、推敲しながら再投稿。話が変わった部分もあります。

宜しくお願いします。

 シロウは『剣聖』のスキルについて考えていた。『剣聖』のスキル。アーシアの剣に付いていた『剣客』と元々持っていた『剣客』から『剣豪』のスキルが出来、更に『剣術A』と統合されて『剣聖』になった。意図せずスキルがランクアップした事もあり、シロウは『剣聖』のスキルが全くわかっていない。


『剣聖』のスキルには『心眼』といくつかの技が付いている。『心眼』はスキルではなく、『剣聖』をセットすればスキルスロットを埋める事なく付いているのだ。先程、アーシアさんを縛っていた黒い線が見えたのは、この『心眼』によるものだと思う。


「おい、シロウ、お前に聞きっこなしというのは知っているが、言う気になったら、このリョウさんにお前のスキルを教えてくれ」


帰りの車に乗る前に、リョウさんに耳打ちされた。誰かに言うのは躊躇する部分もあるが、確かにスキルに詳しい誰かに色々と聞いてみたい。まずはヨウコに聞いてみるべきだろう。


 部屋に帰り、ファフとご飯を食べると、ファフは直ぐに寝てしまった。今日は移動や難しい話ばかりで疲れたのだろう。起こさないようにベランダに出ると、ヨウコに電話をかけた。


「どうしたの? シロウ」


「いや、少し話したい事があって」


「今日のアーシアさんの話? ちょっと難しい話だったね。あと学長が何を条件に出されたのかは気になるなー」


「そうだね。ライコネンさんだっけ、あの人、転んでもただでは起きないって感じで少し怖いな」


「学長が何も言わないから、誰も聞かないしね。そうそう、アーシアさんにシカさんの事を色々聞かれたよ、シロウは別の車だったから知らないだろうけど、アーシアさんは、私達の事を探してたみたい」


「何で?」


「幼い頃にシカさんに助けられて、将来はシカさんと一緒に働きたいって言ってた。それで私達がアカデミーの初日にシカさんに連れられているところを見たから話を聞きたかったんだって、明日、工房に行ってみない? シカさんの事は私よりシロウに聞いた方が良いよって言っちゃったんだ」


「そうだ、精霊の事も言わなきゃだ。明日行こう」


「あれ?シロウは外にいるの?車の音がした」


「ベランダだよ」


「私も行くね」


そヨウコの部屋のカーテンが開けられ、ベランダに光が差し込むと、ヨウコがベランダに出てきた。


「ベランダにいるって、先に言ってくれたらいいのに」


「出てきてって言ってるみたいで言いにくい」


「ふーん、ファフはどうしたの?」


「寝てるよ」


「あのダンジョンから立て続けに今日だから大変だったしね。私も頑張らないと」


「頑張る? ヨウコは頑張ってるじゃないか」


「ダンジョンから帰ってきたら、ファフは斧を持ってるし、斧のスキルや他のスキルも持ってるしで、何か取り残されてる感じ」


そうファフはキングオーガからドロップした斧をいつのまにか持っているし、『光瞬』に加えて『威圧』『斧闘士』『斧術B』を持っていた。人間の姿でも、おそらく充分に戦えるだろう。『威圧』に変えて『身体強化B』を渡すかシロウは思案中なのだ。


「そのスキル関係でヨウコに話したくてさ」


「何? アカデミーでも結構勉強したから詳しいつもりだよ」


「ヨウコは『剣聖』ってスキル知ってる」


「知ってるも何も、有名だよ。武器に由来する職業みたいなスキルがあって、『剣豪』か『斧王』とか。それの最上位として判明しているのが、『剣聖』とか『槍聖』。世界ランカーの誰かが、『剣聖』持ってるとか言われてるし・・・って、シロウまさか『剣聖』持ってる?」


「そうなんだ、色々とスキルをいじってたら出来ちゃった」


「凄い! そしてちょっと怖い」


「怖い?」


「さっきも言ったけど、シロウもファフも強くなっていくからさ、私は元々は『支援』のスキルを使ってばかりで、前のパーティでみんなに戦わせてばかりで・・。シロウから魔法のスキルもらったからちょっと安心してたんだ。でもまた前に戻りそうってね。ごめん、そんな事じゃないね。『剣聖』のスキルについて知らないかって事だよね。多分、それはわからないんじゃないかな。誰かが持ってるとか噂にはなったりするくらいしか、アカデミーの授業でも話さなかったくらいだし」


「そうなんだ、知ってる事があったら教えてもらおうと思ったけど、自分で使いながらやってみるよ。それともう一つ。ヨウコはかけがえのないパーティメンバーだよ」


「パーティメンバーか、、。シロウ、私が前にシロウにキスしたの覚えてるよね」


「そりゃあ、覚えてるよ。なんていうかびっくりしたというか、嬉しかったというか・・・」


シロウが言い淀んでいると、ヨウコはベランダのギリギリまで来て、シロウを引き寄せると唇を重ねた。




読んで頂きありがとうございます。

誤字や脱字、意味不明な文章に説明不足なところなどがあったら、是非教えて下さい!


また、評価を頂けると励みになります。宜しくお願いします。



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