No.31
宜しくお願いします。以前書いていた話ですが、前の作者ページにログイン出来なくなってしまったので、推敲しながら再投稿。話が変わった部分もあります。
宜しくお願いします。
そこだっ! 剣をキングオーガの肩に差し込んだ。まともに打ち合わす事は出来なくても、受け流し、軌道を逸らす事でバランスを崩させた。肩を突いた事で更に有利になるだろう。
このまま行けば勝てると思った時、おかしな気配がして後ろに大きく下がる。
コアの横にボロ布を纏ったスケルトンが現れている。構えた杖の先からシロウの身長程もある火が放たれた。横っ飛びでかわす。
「ファフ」
リッチを指差して言うと、次の瞬間にはファフがリッチに突進していた。『光瞬』のスキルが付いたファフの突進は相当な威力であるはずだが、リッチは吹き飛ばされずその場で立っている。ファフとリッチがぶつかった際に光の壁が見えた。リッチの防御スキルだろう、ファフは直ぐにシロウの横に戻ってきたが、ファフの突進で破れないのであれば、完全に格上だ。
『剣術A』『剣客』『切断』『光瞬』をセットした。剣技で勝負するしかない。シロウが技を放ち、リッチの防御スキルを弱らせて、ファフの突撃で破る。気になるのはファフの『光瞬』のチャージタイムだ。シロウが試しに使った時は3分だったから、時間を開ける必要がある。
キングオーガが突進してくる。先程と同じ様に、受け流しで対応するが、リッチが気になり崩すまでは出来ない。このままではキングオーガにやられる可能性もある。まずはこいつだと思い定め集中する。リッチが何かすれば『光瞬』でかわす。このままではジリ貧だ。
「ファフ」
ファフの突進でキングオーガの体制を大きく崩す。『光瞬』はなくても充分に早い。
「一閃」
オーガキングを切り裂き、リッチを探す。リッチは元の場所に悠然と立っており、オーガキングの事など気にもしていない様だ。
ファフのチャージタイムが気になるが、時間を置くのが怖い。
「一閃」
『光瞬』で加速、『瞬歩』の時は周囲の光景が飛ぶ様な感覚だが、『光瞬』は移動するというより、狙った場所に現れるという感じ。リッチの前、上段に構えた剣を思い切り振るう。やはり光の壁に阻まれている。何個かの壁を破った様な手応えはあるが、刀身はリッチに触れていない。
「ファフ」
ファフも突進してきた。しかし、ファフもリッチの身体に届いていない。ファフの突撃で刀身はリッチに少し近づいている。『光瞬』をはずし『身体強化B』 まだだ!
また少し近づいた時、リッチが杖を掲げた。黒い火が杖に灯り徐々に大きくなってきている。ファフとともに後方に下がるが、黒炎は放たれず、更に大きくなり続けている。アレはやばい、頭の中で警報が鳴る。『光瞬』はチャージ中だ。あの大きさでは、身のこなしを上げる『影舞』ではかわせない。『剣客』を『鉄壁』に変更する。
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リッチは『煌甲』が破られそうになり頭にきたな。自分以外に黒炎を使うなど見たことはない。
『そこまでだ、リッチ。我も出せ』
リッチの杖に灯った黒炎が消える。リッチのあっさりとしたその様子に冷静である事がわかる、なるほど、この始末をつけさせようとして、黒炎を使ったな。
人間の前に立つ。なるほどコイツは変だ。人間にしか見えないがコアである。
『名前は』
「シロウ」
人間は距離をとったまま答えた。
『我はNo.31。貴様のナンバーは?、何故、人間のフリをしている』
「ダンジョンなのか?」
『その反応、フリではなく真に人間なのだな。であれば貴様はダンジョンと一体化した上で、自我を保っているということか。或いはダンジョン産でないものと一体化するとそうなるのか?』
「どうかな、それは知らない」
『別に答えは不要だ。我はコアだからな、そうなりたいわけではないし、既にこのデュラハンがいる』
「お前はこのダンジョンのコアなのか?」
『あそこにあるのがそうだ、アレが阿呆にも攻めてきたから、ここまで来たのだ』
「ダンジョンがダンジョンを攻めるのか」
『そういうものらしいが興味はないな。だが、シロウよお前は面白い。我は強者と戦う事を好む。我に挑む気になれば、ここから少し先にあるダンジョンに来い』
デュラハンが剣を抜き、投げた。顔の直ぐ横。シロウは全く動けていない。代わりにドラゴンが突進してきたが、片手で受け止め、シロウに投げつける。
『小手調べというやつだ。これが容易くかわせなければ、くるべきではないな。楽しみにしている、強くなってから来い。リッチ帰るぞ』
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突然現れて消えた。リッチとデュラハン、話した内容も整理がついていないが、なによりもその強さが衝撃だった、
キュイとファフが頬を舐めた。
「ファフ、ごめん。強くなるよ」
頭を撫でて、体を起こすとコアの前に立った。あんな奴等もいる。もっと強くなる必要がある。赤色に光るコアに手を突っ込むと、ダンジョンを横薙ぎに斬った。
読んで頂きありがとうございます。
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