No.1310
宜しくお願いします。以前書いていた話ですが、前の作者ページにログイン出来なくなってしまったので、推敲しながら再投稿。話が変わった部分もあります。
宜しくお願いします。
No.1310は追い詰められていた。キングオーガが攻め立てられている。相手のデュラハンは確かに強いモンスターだが、キングオーガも十分に対抗できる強さのはずだ。しかし、戦いは一方的なのだ。大きな音を立ててキングオーガが倒れた。デュラハンは悠々とNo.1310自身であるコアに近づいてくる。
『何故、デュラハンがそんなに強い!』
モンスターが話せる相手ではないと知っている、それでも言わずにはいられなかった。No.1310だって心血を注いだのだ。相手のダンジョンNo.は不明だが、近くにダンジョンがある事に気が付いたのは最近だ。自分より古くからあるダンジョンであるはずがない。
『こいつが強い?笑わせる。まだ赤子みたいなものだ』
『話せるのか』
『滑稽なやつだ、それも解らず聞いたのか。私はダンジョンNo.31。このデュラハンと一体化している。私はお前に興味はない。お前が攻めたから来たのだ』
『二桁っ!最近感知したのだ、近くにそんな大きいダンジョンがあっただと』
『ダンジョンを広げる事は煩わしい、その証拠に、少し広げたら、お前みたいなヤツが来た。私は強くなる事にしか興味はない』
デュラハンは言いながら剣を抜いた。
『待て、待ってくれ、強くなるにはダンジョンポイントが必要では? 私は効率の良い貯め方を知っているぞ』
『私に勝てないヤツに何を教わるというのだ。しかし気が変わったぞ、お前のアレを私に譲れ』
デュラハンが指先で横たわるキングオーガを示す。
『わかりました』
キングオーガをNo.31に譲渡する。
『おいっ、回復だ』
デュラハンの声に、壁際からボロ布を纏ったスケルトンが現れると復活を唱えた。
『リッチ、、』
『今から来る奴らに、あのキングオーガを向かわせる。お前お前のキングオーガが勝ったら助けてやる』
デュラハンはそう言い、リッチを呼ぶと消えた。恐らく『幻影』若しくは更に上のスキルかも知れない、横にいるはずなのに全くわからない。
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シロウは上に登る階段を探していた。歩きながらスキル統合を試す。同じものを重ねた時にスキルが変わったのだ。再度『光瞬』をファフに付け、またシロウに移した時、更なる変化があるかも知らない。ただ、そう上手くいかないだろう。簡単で有れば、ダンジョンは強いスキルのモンスターで溢れかえっている。ファフに付けるのは『光瞬』。『瞬歩』の進化版でなので、ファフの突進を活かせる。ファフに『光瞬』を渡し、再度シロウに戻そうとしたが戻らない。やはりそう上手くはいかない様だ。
ふと目が止まる。いつもダンジョンコアのある部屋には、扉が付いているが、目の前の扉は最初から開いている。開け放たれた扉の奥から大きな雄叫びが聞こえた。
『身体強化B』『剣術A』『剣客』『切断』をセットする。学長はエクスパンションの可能性があると言っていた、コアを壊せるのであれば壊しておきたい。
名前を呼んだら思いっきり突進するんだ。ファフに小声で言い、シロウは部屋に入っていく。先程のハイ・オーガより一回り大きい身体。加えて向かい合うと足をすすませない様な圧力がある。ハイ・オーガの上はキングオーガだったはずだ、キングという名前通り、周囲を圧するスキルを持っているのか。
奥には赤色に光るコア。束の間、『光瞬』でコアに近寄り、コアを先に斬れないかと考える。ファフの時は上手くいったが、過去には上手く行かなかった事もあるのだ。上手くいった時と、そうでない時の差はわからない。上手くいかなかった時も、扉の中にいるモンスターを倒した後は斬れた。
シロウの考えを見透かした様に、グオオッと吠えると両手に持った斧を振り回す。ハイ・オーガでさえスキル持ちだったのだ。コアがスキルを与えているとしたら、必ず強いスキルを持っている。シロウは目の前のオーガに集中した。
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No.1310は、ドラゴンが部屋に入ってきた事に驚いた。ドラゴン種はそう簡単に見れるものではない。しかも通常はグリーンの体色なのだが、あのドラゴンは赤色、つまり固有種。まだ小さなドラゴンでも、かなり強いはずだ。
キングオーガは人間に攻撃を仕掛けている。キングオーガのスキルは『威圧』『斧闘士』『斧術B』。キングオーガの地力に加え、斧のマッチングはかなり強いはずだが、男は斧を剣で受け止めた後は、競り合わずに上手く流す事で打ち合っている。
ドラゴンばかりに気を取られていたが、あの男も変だ。そもそも、中級クラスのスキルである『威圧』は、相手の身をすくませ。敵の動きを封じる。しかしあの男からは『威圧』が効いてる感じはしないのだ。恐らく上級スキルを持っている、格上のスキルはそれが何であれ、『威圧』の効果を妨げる。
何合か斧と剣で打ち合うと、少しずつキング・オーガが後ろに下がっている。
『馬鹿な』
『あの人間は、お前のキングオーガより強い。ただそれだけだ。お前の始末は人間に任せるとしても、ヤツもドラゴンも興味深い。リッチ』
No.31がそう言うとリッチが姿を現した。
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