西9ダンジョン
宜しくお願いします。以前書いていた話ですが、前の作者ページにログイン出来なくなってしまったので、推敲しながら再投稿。話が変わった部分もあります。
宜しくお願いします。
「西9ダンジョンの説明を行う。ここはオーガのダンジョンだ。地下1・2層はスライムやゴブリンが多いが、3・4層からはオーガばかりになる。現在5層までは踏破されている。エルザ、6層の説明を」
「6層目には、ハイ・オーガが出ます。複数体確認していますが、中にはスキル持ちがいます」
「ハイ・オーガは強敵ではあるが、スキル持ちは別個体と考えるべきだな」
ダンジョンを前に、ハインツから説明がなされた。今回は5組のパーティの他に、リーダーであるロバート学長やハインツ教授と医療班や補給班で構成されている事などが改めて説明された。一通り説明が終わると、ロバート学長が前に出た。
「今回は階層毎の殲滅戦だ。各自、担当エリアの殲滅後にマップのポイントされた場所に集合しろ、殲滅が厳しい相手が現れた場合は、集合場所まで待避。私とハインツがそちらに向かう。問題は6層目だ。マップ化されていない為に、思わぬアクシデントが予想される。しかし方針は同じだ。6層以降は、降りた場所を集合場所とする。3・4・5と下層になるにつれて厳しいモンスターがいる可能性もあるが、先を考えての出し惜しみは不要だ。キャンプの用意があるからな。補給と医療を得られる体制にある事を忘れるな。安心出来るスペース確保をする為の殲滅戦だ。各自エリアの殲滅は念入りにな。行くぞ!」
ロバート学長の声に、各パーティから威勢のいいかけ声が上がった。
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「この忙しい時に!何で来やがるんだ!」 コアが話せたら、きっとそう言っただろう。ダンジョンNo.1310はモンスターの配置を思案する。近くに新しいダンジョンが出来たのだ。攻めるに決まっている。そのダンジョンへのパスが繋がった矢先に人間達が入ってきやがった。
コアの守護モンスターであるオーガキングさえいれば、コアは安泰だろう。オーガキングを守りに、ハイ・オーガ達を他のダンジョンへの攻めに使う手が一手。思い切ってオーガキングを攻めに使い、ハイ・オーガ達で自分を守らせるのも悪くない手だ。いずれにしても攻めを中断し、ハイ・オーガ達の階層を上げて、人間達の駆逐を急ぐのが良いだろう。
とりあえず、オーガ達を六層からニ層に向かわせる。人間達はいつもの3・4人ではない、恐ろしい速さで一層のモンスター達が倒されている。弱いモンスターでもタダじゃない、再配置には時間とダンジョンポイントがいるのだ。20人いるのであれば充分に元は取れるだろうが、可能ならば利益は増やすべきだ。
ハイオーガ達を二層に上げるのだって、タダではないが、少なくとも二、三、四層のモンスター全部よりは安い。
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二層目に向かう途中声をかけられた。
「シロウだったな。お前は何で子供を連れているのだ」
たしか、ガネーシャさんという名前の人だ。決起集会の時に前で話していた。
「危険だと言っているのだ。私だけじゃなく、他の皆もコソコソと言っている」
「ご心配ありがとうございます。ですが、この子は必要です。きっと」
「そうか、理由はいいさ。学長が何も言わないのだ、本来は聞くべきだではない。それでも気になったし、周囲も騒がしいからな、誰かが言ってシロウが答えた。それでいい」
そう言うと、ガネーシャさんはシロウから離れて行く。そりゃ子連れのシロウは気になって当たり前だが、無理に置いてきて、ドラゴンの姿に戻る様な事があれば大騒ぎになる。それに何かあった時の切り札でもある。
二層目も一層目とあまり変わらない。スライムやゴブリンの数も少ない。ヨウコのスラッシュで撃ち漏らしたモンスターをシロウが切り倒す。合流した時に、他のパーティが数は多いという話をしていたから、ひょっとしたらファフが敵を遠ざけているのかもしれない。
「もういないと思うけど、どうかな?」
ヨウコがそう言った時、遠くで笛の音がした。危険を知らせる音だ。聞こえたら集合場所に集まるようにと言われている。
「ヨウコさん、聞こえた?」
「聞こえた、行こう!」
シロウ達は集合場所に走った。
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パーティが集まってくる。集合場所にはハインツとエルザのパーティがいるが、学長の姿は見えない。
「シロウ、早かったな」
「リョウさん、笛が聞こえました。どうしたんですか?」
「ハイ・オーガが出た。ガネーシャの所だ。三層への階段があるエリアを担当していたからな、下から上がって来たんだと思う。
「ハイ・オーガ・・」
シロウは以前に戦った黒オーガを思い浮かべた。
「モンスターが移動する事はあり得るが、俺達がハイ・オーガを見たのは六層だ。こんなに変わるのは聞いた事はねえ。ガネーシャの所には学長が救援に向かった。俺らはここでまとまる」
「ハインツさん、私も行かせてもらえませんか?」
「エルザ、行きたいのがお前だけだと思うな。お前が行くくらいなら、私が行く。自己判断で動きたいなら行け!ただ学長を信頼するなら指示を聞け」
少しすると、ガットやジュドも集まって来た。その時、ガネーシャ達がいる方角から声が聞こえた
「助けてくれ、、」
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