ヨウコとシロウ
宜しくお願いします。以前書いていた話ですが、前の作者ページにログイン出来なくなってしまったので、推敲しながら再投稿。話が変わった部分もあります。
宜しくお願いします。
シロウの顔がまともに見れない。厄介な事にシカさんのプライベートジェットは座席数が少ない上に、あなた達は互いをもっと知りなさいと横並びに座らせられてしまった。
友達のパーティを抜けてきた私をシロウはどう思っているのか、裏切り者と思われてるんじゃないかと、ひとおもいに聞いてしまいたい衝動に駆られるが、それを怖がる自分がいる。シロウに嫌われたくないと強く思っているのだ。
百道のダンジョン以降、自分は変になったと思う。普段は良いのだが、シロウの事を考えると冷静でいられない。そんな事をアレコレと考えていると、シロウに声をかけられた。
「ダンジョン校ってどんな所?」
「普通の学校とはちがうかな、大学に近いと思う。自分の受けたい講義や訓練をうけるの、講義でダンジョンに潜ったりもする。タケル達とは同じ講義だっ、、、たの」
うまく答えられたと内心でホッとした為か、自分からタケル達の話をしてしまった。こうなったら行くしかない。
「シロウはさ、私の事をどう思ってる?」
「どうって、綺麗な人だと思ってるけど」
「ありがとうって、そうじゃなくて、私はここにいて、つまり、シロウのパーティに入る為に、タケルのパーティを抜けたの、だから薄情なやつとか思われてるんじゃないかなって」
「ヨウコの事は大切にしたいって思ってる、あっごめん、変な意味じゃないんだ」
思わぬ答えを聞いた。しかも、綺麗に引き続き大切にしたいという言葉に驚きつつも、ヨウコは顔が赤くなるのを感じ、顔を伏せた。
「百道のダンジョンの時は余裕がなかったから、よく見えていない事もあると思うけど、ニーナさんを助けたタケルや、タケルの回復を続けたエリナさん、そして必死にタケルを助けに来たヨウコさんを見たよ。パーティって良いなって思った。一人でいいって思ってたけど、正直羨ましかった。そんなパーティばかりじゃないと思うけどね」
「そんなタケル達と離れて、私はここにいます」
「だからさ、ヨウコさんを大切にしたいんだ。タケル達と離れるのは簡単じゃなかったはずだ、それでもヨウコさんはここにいるんでしょ、シカさんがどうやって誘ったかは知らないけど、断る事はできたはずだしね。ヨウコさんはきっといろんな苦悩の末にここに来たんだって、パーティを組むのは初めてだから、色々と教えて貰う事ばかりだと思うけど、タケル達みたいなパーティになろう」
目が熱くなる、きっと私は泣いてしまう。私がタケル達に相談した時、タケルは絶対に行けと言い、エリナやニーナは泣きながら頑張ってと言ってくれた。私は恵まれている。
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ヨウコさんがうつむいてしまった。肩が震える様に動いている。ポケットからハンカチを出すと、臭くないよな?と心配しながら、ヨウコさんに差し出す。その時、受け取ろうしたヨウコさんの指に触れた。
コンコンと額を叩かれた。同時に、シロウの中にヨウコと名前が浮かび上がる。
元々は、シロウの名前の横に固有スキルの『スキルチェンジ』があり、その横は四つのスキルスロットが並んでいた。スキルセットの時は各スロットにスキルをイメージする事でセット出来る。
今は、シロウの名前の下にヨウコの名前、その横に『支援(熱烈支援)』、更にその横に二つのスキルスロットがあるが、空欄のままだ。
『スキルを渡せる人の人のスキルやスロットはわかる』そう言っていた。ヨウコにスキルを渡す事が出来るのだろう、やってみたい、何を渡そうかと、束の間、迷ったが止めた。きっと欲しいスキルは人それぞれだ。
「ハンカチありがとう、洗って返すね」
ヨウコさんが顔を上げた。晴れやかな笑顔だった、
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