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福岡ギルドにて

宜しくお願いします。以前書いていた話ですが、前の作者ページにログイン出来なくなってしまったので、推敲しながら再投稿。話が変わった部分もあります。

宜しくお願いします。

 シカさんは受付を素通りすると奥にあるエレベーターに向かう。真っ白なカードかざすと11階が点灯し、エレベーターが上昇を始めた。シカさんはギルドが好きじゃないって言ってたけど、迷いのない動きは、関係者のソレに思える。


「タケルに会う前に話を通すわ」


「誰にでしょうか?」


「決まってるじゃない、ここの責任者によ。でもギルマスは不在だろうから実質的な責任者ね」


エレベーターが11階に着くと、女性が一人いた。


「情報管理官のレイです。ギルドマスターは不在なので、副ギルドマスターのトクマにお会い頂きます。こちらへどうぞ」


「レイね、はじめましてだけど、視線に覚えがある。私に気づいた?」


「先日の事でしょうか? 多分とかそうじゃないかな?とか、そういった程度ですが」


レイはシロウをチラッと見る。


「倒れた彼が宙に浮いて動いてました。そんな事が出来るスキルはそんなにありませんし、シカさんの場合は有名税の様なもので、真っ先に思い浮かべられると思いますが」


「まあ、正解は正解。私のスキルを知ってるの?」


「はい、ジルさんが言ってましたから」


「全くあいつは、、」


レイさんがここですと言い、ドアをノックする。どうぞという応答を受けて部屋の中に入るとトクマさんがいた。


「ギルド嫌いが何用だ? エクスパンションしたダンジョンに潜るなら歓迎するぞ」


「ひどい顔、男子3日会わざればって言うけど、中年が老人になるのには2年は充分な期間なのね」


「ほっとけ、見ての通り俺は忙しいぞ。お前の相手はできない」


「私の用は一つ」


シカはシロウを前に出した。


「シロウを私のパーティにする。その申請」


「、、色んなところから引きあいのあるシカが組むんだ、シロウにその価値を見出したって事か」


「どうとるのも自由だけど、パーティにするってのは名義貸しみたいなもので、要は私の特権をシロウにも適用する事こそを希望する。それを言いたくてココに来たから。よろしくね」


トクマの鋭い視線がシロウを見る。力の入った眼光はシロウと目が合うと柔らかい眼差しに変わった。


「よく生き残った、シロウ。ひどい戦いだったが、君がタケルを助けた話は聞いている。ありがとう。指揮をとったものとして礼を言わせてもらう」


「タケルは友人です。礼を言われる様な立派な行いをしたわけではありません」


「そうか、タケルは三階だ。後で会っていくといい。それと君には聞きたい事が結構あるのだがな、今、シカに太い釘を刺された。何か相談したい事があれば、私を訪ねて来て欲しい、出来る限り力を貸すよ。君はシカの言う特権のことを知っているか?」


「知りません。ギルドには、タケルに会わせてくれると聞いて来ただけでした、シカさんのパーティっていうのにも驚いています」


「まったく、シカの言う特権は、世界ギルドのトップランカーに与えられるものだ。一つ目、無制限。一人では入れないとか、今の時期は入れないとか、ダンジョンに関わる各国ギルドの制限に縛られない。二つ目、不介入。自身についてギルドへの報告義務がない。三つ目、独立権。大きな戦闘などでは、ギルドマスターやランカーが指揮権を持つ事があるが、その指揮が及ばない。以上三つだ。例えば先程、私が聞きたい事があると言えば、攻略者は答えなければならない。でも君は不介入。答えなくても良いわけだ」


「そういうことよ、便利でしょ」


「だが、暫定だぞ。元からのパーティ以外にその特権を適用した例はないはずだ。否認される可能性もある」


「そう? 私を働かせたいと思ってる連中は多いから、申請は承認されるわ、ちゃんとローランドには電話しとくし」


シカさんの言葉にトクマさんは苦い顔になった。


「この話はもういい。そっちの話がこれだけであれば、私からも一ついいか?」


「先に言っておくわね。百道のダンジョンは三年位内に私達が制覇する。その為の申請と思ってくれても良い。こんな事は言ったことないから、大サービスだと思ってね」


その言葉にトクマさんは更に苦い顔になった。



ーーーーーー


 シカさんが部屋を出ていくと、トクマさんが机に突っ伏した。


「良かったじゃないですか?あの甘利シカがダンジョン制覇を請け負ってくれるなんて、望みようもない結果です」


「それはそうだが、やり込められたって感じが嫌でな」


「相手は世界ランカーです。私達にどうにか出来る人ではありません。ダンジョンはシカさんに任せるしかないとして、応援の攻略者達はどうしますか?」


「彼ら自身に決めさせるさ、行くなら全力で支援する。国内初のエクスパンションダンジョンだ。応援以外の攻略者もどんどん来るぞ、ダンジョン規制はレベル5だ」


「攻略者レベルB以上かつ4名以上のパーティですね」


「あと、先程のシロウの情報を集めてもらえるか?」


「特権対象は探るのも不可と認識してますが」


「18時以降は勤務外だ。時間外手当は俺から出すよ」


読んで頂きありがとうございます。

誤字や脱字、意味不明な文章に説明不足なところなどがあったら、是非教えて下さい!


また、評価を頂けると励みになります。宜しくお願いします。



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