ずっとも
「…はぁ…」
「…」
「…うへへ…」
「…」
「…はぁ…」
ころころと表情を変えるカシアを向かいに座るヨリが無言で見つめる。
「…カシア、赤くなったり青くなったり一人百面相ですわね」
「だ、だってヨリ…!」
「ため息の方は言いにくいなら聞きませんわ。だから、その赤くなってる方の話を聞かせなさいな」
流石、魔法学園入学来の親友はよくわかってる。
「…あ、あのね、もし、もしもだよ。その…お、男の子に、『ずっと一緒にいよう』って言われたらさ、それって…ぷ、プロポーズなのかな?」
「まぁ!いつの間にセラン先輩からそんなことを…!」
なぜか嬉しそうにキラキラとした目で口元を抑えるヨリがあっさりと誰のことか当ててしまって慌てる。セランのセの字も出してなかったのに…!
「まぁ、そうですわね。その前後の話にもよるとは思いますが…あなたのその様子では、おそらく将来的にはプロポーズとしての意味でいいと思いますわ。おめでとうございます、カシア」
ヨリに言われた途端顔が熱くなる。プロポーズってことは、私、セランと結婚して、子供を産んで…。そこまで考えて、すっと心が冷たくなるのを感じた。そっか、私にはない未来なんだ。セランが一緒にいようって言ってくれた。それだけでも、充分幸せだから。2人で仲良く、おじいちゃんおばあちゃんになっても仲良しでいられたらいいな。だって、私の血を継いでしまったら…いちゃいけないから。
「…なにがあったのかは、わたくしにはわかりませんわ。ですが、カシア、これだけは覚えておいてくださいまし」
ヨリが突然真剣な顔をした。
「カシアはわたくしの大事な親友ですわ。わたくしの知るカシアは学園入学後のあなただけですが、だからこそ、あなたの昔になにがあっても、わたくしの気持ちは変わらないのですわ。物語にでてくる、『ずっとも』というものですわね」
ウィンクをしながら笑うヨリ。空気が重くならないように軽く言ってくれているが、出会う前の私のことも丸ごと受け入れてくれるヨリの存在が、嬉しくてありがたくて、涙が溢れそうになる。
「…ありがとう、ヨリ」
もし例え私が魔界に行かなくてはならなくなっても、絶対にヨリのこと忘れない。ずっとずっと、大好きな親友だよ。心の中でそう付け足して、カシアは瞳から雫が流れ出るのを許した。
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