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花の歌声と精霊の祈り  作者: 衣緒
青年編
33/74

夏休み 2 〜父と娘〜

 ヨリのおうちからのお土産ステーキに舌鼓を打ちつつ楽しい夕飯を過ごす。夏休みとあって、パパも普段より早めに帰って夕飯をいっしょに摂れるようにしてくれているみたいだった。


 「そういえばカシアのクラスは、文化祭はなにをするんだい?」

 「クレープ屋さんだよ!メニューはこれから決めるけど、位置が学園の敷地の真ん中あたりだから、食事系もデザート系も売る予定!よかったらパパも食べにきてよ」

 「クレープかぁ、そういえば食べたことないな。食事系なら甘すぎないだろうしいただきに行こうかな」

 「うんうん。どんなのがいいとかあれば、メニュー案に反映できるようにしてみるよ?」

 「うーん…そうだなぁ。クレープの定番がわからないけど、目の疲れが取れるのがあるといいなぁ…」

 「あはは、パパってば。それはクレープに求める効果じゃない気がするけど…でもちょっと考えてみるね」


 まさかの味じゃないリクエストとは恐れ入った。流石パパ、クレープの概念を知らないからこその発想で面白い。


 「あぁ、食事ならスープもあるなら買いたいな」


 本当に自由だった。食事処ではなくクレープ屋さんなのだが。

 パパの記念すべきクレープデビューが私のお店になるなら、すっごくおいしくてびっくりするようなのを食べさせてあげたいな。



♢♦︎♢♦︎♢



 「ふふ、カシアのお父様はお茶目さんですね」

 「ね、まさかクレープに効果を求められるとは思わなかったよー。やっぱり流石研究者、なのかなぁ?」


 その夜ヨリとの電話で、ステーキのお礼がてら夕食の時のやりとりを話す。


 「それでさ、ちょっと考えてみたんだけど、菊の花とかクコの実とか、かわいい色合いで疲れ目に効く植物とか使ったクレープとか出したら、物珍しさにお客さん来てくれないかな?」

 「…なるほど、薬膳料理ならぬ薬膳クレープですか。確かに一般のお店では見かけない、学園の文化祭らしさもあって面白いかもしれませんね。一般的なメニューの他にいくつか薬膳クレープも提案してみましょう」

 「おぉ、薬膳クレープ。なんかそれらしい名前がついたね!具体的にどんなのがいいかちょっと作ってみるね。あ、あとスープとかも、サイドメニュー的に売れないかな?」

 「スープですか。相変わらず発想が自由で面白いですわね」

 「私の案じゃなくて、パパからアイディアもらったんだー。スープがあったら欲しいなって言われたから、もしできるなら用意したくて…。たとえばハスの実とか、リラックスする感じの優しいスープとか」

 「…ふふ、お父様想いですわね。それにしても、カシアは植物に詳しいのですね。ただ、あまり市場で見かけない材料のようですが、どこか手に入れるアテはありますか?」

 「んー、探せば見つかると思うよ?」

 「え、さ、探すって…卸問屋とかですか?」

 「え?ううん、森で。大丈夫、なんとかなるなるー♪」

 「…なるほど、その、あなたの勘に頼るということですわね…」


 ヨリが呆れたように呟く。


 「あ、もしくはパパの研究所で栽培してるかもしれないし、材料は私なんとかするよー」


 まぁ、正直そんなに珍しいものでもないしすぐ見つかると思うんだよね。なんだかヨリには心配されている気がしたが、なんとかなるなる♪

いつも読んでいただきありがとうございます!

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