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花の歌声と精霊の祈り  作者: 衣緒
青年編
26/74

学園祭実行委員会

学園ものの定番とも言える学園祭編です!

 「〜♪」


 鼻歌まじりに構内を歩くカシアに、隣を歩くヨリが話しかける。


 「ご機嫌ですね、カシア」

 「うん♪ 私学園祭って初めてで。それに、小さい頃住んでたあたりの街では、それぞれの街でやるお祭りはあったけど、こーんなに大きな王都でやるお祭りってどれくらいすごいんだろうって、ワクワクしちゃって」


 王都生まれのヨリにはピンとこないかもしれないが、今朝校内掲示板に学園祭のお知らせが貼り出されているのを見てからと言うもの、ワクワクが止まらない。王都に引っ越してきてからも、魔法学園はなんとなく選ばれた人しか足を踏み入れてはいけないイメージがあって学園祭に知り合いもいないし、と遊びに来たこともなかったのだ。


 「カシア、なにか出したいお店とかはあるのですか?」

 「え、うーん…、気になるものは色々あるんだけど…」

 「出店したいものに希望があるのでしたら、実行委員会に入ってみては?」

 「実行委員会?」

 「えぇ、学園祭ではイベントごとにその実行委員会を作って、その委員会が主となってイベントの運営を行うのです」

 「それって、まだ入学したばっかりの私でも入れるのかな…。ここの学園祭に、お客さんとしても来たことないからイメージがあんまり湧いてなくて…」


 先ほどまでのワクワクが溢れ出す様子から一転、しょんぼりした友を見てヨリが苦笑を浮かべながらカシアの肩を叩く。


 「大丈夫ですよ、カシア。イメージの部分は私見学に来たことがあるので多少はわかりますし、カシアが実行委員会に興味があるなら一緒にやりましょう」


 途端にパッと笑顔になるカシアの背中に、ブンブン振り回される尻尾の幻影が見えた気がしてヨリは軽くかぶりを振った。今度は犬の耳まで見えた気がした。重症だ。


 「ありがとう、ヨリ!すっごく心強いよ!」

 「ふふ、かまいませんよ。それに、いつものあなたなら、"なるとかなるなる!"と挑戦してみせるでしょう?」

 「うん!一年生でも、きっとなんとかなるなる、だよね!よーし、そうと決まれば実行委員会に応募しに行こう!」


 元気に駆け出すカシアを追いかける形でヨリも駆け出す。いざ、学園祭実行委員会へ。



♢♦︎♢♦︎♢


 すんなりと立候補が認められてカシアとヨリの2人も学園祭実行委員会に名を連ねる。本日はその初回顔合わせとあって、上級生も多く参加していた。初回こそ全員参加だが、今後は出し物の種類に応じて自身の関係する会議に参加していくことになるらしい。


 「えー、皆さん、お疲れ様です。本日はお集まりいただきありがとうございます…」


 実行委員長の挨拶で委員会が始まった。

 その後、既に企画が決まっているクラスや部活に所属する委員たちが各々必要な会議とその日程を確認していく。顔合わせなので確認が終わった人から解散していくようだ。


 「流石、先輩たちはもう決まってる人が多いね」

 「そうですね、特に部活動は代々出店している定番企画というものもあるみたいでしたね」


 企画未定な一年生はまだほとんどが委員会の部屋にいるが、上級生はだんだんその数を減らしていた。


 「あのー、そちらのクラスはもう何をするかとか話し合いました?」


 近くにいた別のクラスの一年生と思しき生徒に声をかけられる。


 「ううん、うちはまだなんです。どんなジャンルのものがいいかなって迷ってて…」

 「あ、うちもです。やっぱり初めてだと迷いますよね。先輩のクラスで話していた展示系も面白そうですが、先ほどの委員長のアドバイス通りに今年は模擬店にしようかなぁ…」


 そんなことを話していると、通信端末を見ていたヨリが口を開いた。


 「カシア、私たちのクラスは模擬店希望が多いみたいですよ」

 「え?」

 「ほら。クラスのチャットグループで模擬店と展示とで投票を受け付けてみたんです」


 見ると、ヨリの端末にカシア以外のクラス人数分の票が入った多数決の結果が表示されていた。圧倒的に模擬店希望が多いのが一目瞭然だった。通信端末の使いこなしっぷりといい、スピードといい…流石都会っ子だ、とカシアはあんぐり口を開けた。

入力が終わらず…朝投稿になりました。

いつも読んでいただきありがとうございます!

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