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見た目は一寸《チート》!中身は神《チート》!  作者: 秋華(秋山華道)
再登場編
93/184

商人ギルド連盟解散?!雲長との再会は‥‥

誰かを苦しめる為に、自分への不利益を考えず行動し始めたら終わりだ。

人は自分の利益の為に行動しているから、ある程度は許されるし上手く行くもの。

そんな当たり前の事も分からなくなった人が国のトップだとしたら、その国の民は不幸以外の何者でもない。


有栖川が突然、商人ギルド連盟の解散を提案してきた。

提案というよりはむしろ強制。

力ずくで解散するか、みんなで話し合って解散するかの二択だった。

商人ギルド連盟というのは、元々七つの商人ギルドが手を組み一つになったものだ。

七星それぞれが縄張りを持っていて、一緒になる事で世界の自由貿易を築いたと言っていい。

それを解散しようと言うのだから、民にとっては不幸以外の何者でもない。

当面得をする者は誰もおらず、多くの人が生活で何らかの不利益を被る事になる。

とは言え長い目で見ればこれは逆にチャンスだ。

有栖川も勝算があると思ってそうするのだろうが、神武国の経済力を舐めすぎだよ。

それとも本当に領民ギルドは神武国とまるで関係が無いと思っているのかね。

現在七星の縄張りは、有栖川が東の大陸を、兎束が南の大陸の約半分と西の大陸の南側を牛耳っている。

日置が南の大陸の半分と西の大陸の北側、総司が中央大陸の南側、千えるが中央から西を奉先から預かり、京極が東から北、陽明がその他と言った感じだ。

解散するとJRや電力会社が地域ごとに違うように、商人ギルドも地域ごとに別の会社になるようなもの。

そしてJRや電力会社のように連携するのかどうかは今後の交渉次第。

或いは一部合併も考えられるだろう。

力ずく解散なら、今後縄張り争いが起こる事は避けられない。

既得権を奪い合う不健全な競争が行われ、民にとってはますます困った事になりそうだ。

そしてその結果、自由な国と領民ギルドが勝つ事になる。

そんなわけでおそらく最後の七星会議、俺は総司の所にお邪魔してリモート会議を見る事にした。

「今までは有栖川がまとめてやったんだ。しかしその恩を忘れて反対する者が増えた。ならばもう連盟を維持する必要もないだろう。有栖川単独で世界に『有栖川商人ギルド』を展開していく」

有栖川の財力が有れば、今から単独で世界にギルドを展開して行っても一ヶ月程度で完了してしまうかもしれない。

でもちゃんと客が取れるかどうかは別だ。

世界ルールも廃止され、なんとなくできていた商人ギルドルールも曖昧になってくる。

自由に商売する者も増えてくるだろう。

商人ギルドへの登録がないと商売ができないとか、どの商人ギルドを承認するのかなど、ルールをどうするかは領主次第。

「兎束商人ギルドは全て有栖川が買い上げ完全に吸収する」

有栖川は既に世界の半分近くを手に入れており、その内の半分近くは有栖川領地でもあるから既得権は維持するだろう。

おそらく別の商人ギルドの進出を許さないはずだ。

こちらもそれに合わせて対抗はできるが、民を第一に考えるのなら、或いは賢い領主ならそんなルールは維持できない。

しかしそれをしなければ、いずれは全て有栖川に取られてしまうのではないだろうか。

その時有栖川が民の為の商人ギルドであればいいが、今までの事を考えれば今まで以上に悪くなりそうだ。

「他の者たちはどうする?今なら有栖川が高く買ってやるが?」

どうせいずれは叩き潰されると考えるのなら、高い内に売っておいた方が良いと考える者もいるかな。

「正直売りたくはないが、このままだと有栖川が勝つだろう。買取価格によっては売らないでもない」

京極は、競合他社に潰される前に株を高く買ってもらって、吸収合併されるならその方がいいって感じだな。

この状況、日置がどうするのかがポイントかもしれない。

伊集院との繋がりが深い日置が屈したら、総司と千える以外が全て屈する可能性がある。

「私は譲り受けたものなので、売る場合には相談が必要になります。だからとりあえず売れません」

「僕も父から受け継いだモノを売るつもりはないです」

千えると総司はそうだよな。

「陽明としては、有栖川からの小麦、大豆、トウモロコシが入ってこなくなると大変困る。売るつもりはないが話し合いでなんとかならないか?」

陽明は皇国をはじめ島が多いからな。

物流はかなり大きな生命線だ。

大口取引ばかりだから止められたら歪も大きい。

さて後は日置の意見だが、どう出る?

「では、我々日置も売りたい人がいるのなら買いましょう」

「なんだと?!そんな金をお前が持っているとは思えないが?」

有栖川の言う通り、日置はこの中で最弱の貴族だ。

伊集院と仲が良いからと言って、そんな金を用意できるとも思えない。

「では氷菓も売ってくれる人がいるなら買います!」

千えるまで?もしかするとそういう事か。

「総司、これは‥‥」

俺は小声で総司に言った。

総司は頷いた。

「では僕も買います!」

これはおそらく日置のメッセージ。

此処で誰も売らなければ、まだ五人で十分に有栖川に対抗できる。

でも一人でも売ってしまったら、そこで力関係はバランスを失って終わりだ。

そしてその五人には、資幣の領民ギルドも味方するぞ。

「そういえば商人ギルドが分裂するような事が有れば、領民ギルドも商人ギルドを買いたいと言っていましたね」

「なるほど。それならこちらも売るのはやめておこう」

京極も思いとどまった。

残るは陽明か。

有栖川の作物にかなり依存しているから弱味はあるが、それは逆も然り。

有栖川だって輸出先が無くなれば大いに困るはずなのだ。

「本当に売るつもりはないのか?有栖川商人ギルドとの一定数以上の取引は全部止めるぞ?有栖川領内での商人ギルド活動も全面的に認めない。それでもいいのか?」

そりゃ困るよ。

でもそれはお互い様だろ?

有栖川は本当にそんな事ができるのか?

俺は正直やらせてみても面白いと思っている。

「日置さん、とりあえず一年様子を見てみませんか?愛洲には作物の備蓄がありますから、それを放出してもいいです」

ナイスだ千える。

今は十二月だ。

来年の作物ならこれからだってなんとかなるかもしれない。

完全に今まで通りとは行かなくても、少し小麦が米に変わったりなんかしてもいいなら何とかなる。

「本当に放出してもらえるのか?だったら一年様子をみよう」

よし、これでとりあえず現状は変わらない。

「本当にいいんだな?後で困ってももう買い取ってやらんからな」

「その時は領民ギルドが買い取ってくれますよ」

「後悔させてやるからな」

有栖川はそう言ってリモート会議から退出した。

続いて兎束もすぐにいなくなった。

「それで皆さん、もう少しお時間いただけませんか?実はここに領民ギルドの関係者がおりまして」

ちょっ、俺に何を喋らせようって言うんだ?

「策也さん、此処に残っているのは民の為の商人ギルドを目指している者たちだけです。勝つ為の道筋を見せてもらえれば、きっとみんな従いますよ。勝算、あるんですよね?」

勝算ねぇ。

この戦いに最初から勝利者なんていなかったんだよ。

有栖川は自爆だし、商人ギルドはみんなその爆発に巻き込まれているんだから。

「ご紹介に預かりました、領民ギルド関係者です。ハッキリ言って有栖川は商人ギルドの癌でしかありません。民ではなく己が利益の為にギルドを私物化していました。それが抜けた今、商人ギルドは本当の意味でスタートする時が来たのです」

「つまりこのメンバーで新たな商人ギルドをやっていこうというのか?」

「そうですね。手を組むというよりは本当のライバルでしょうか。もしも有栖川が言ったような事を本当にするのなら、端から敵でもなんでもありません。有栖川が賢ければ取引は今まで通り、領内だけは有栖川商人ギルドだけという手でくるでしょう」

「でも万一輸出規制されたら困るんだが」

「それはそうです。今まで買わされていたものが買えなくなれば、最初は困るでしょうね。でも、だったら自分たちで作ればいいじゃないですか。自分が無理なら、この中の何処かが作ればいいのです。それで有栖川は潰れます」

「では具体的にどうするんだ?」

「まずは自分たちと繋がりがある国や町のルールを明確にしてもらいます。商人ギルドに必ず入らなければ商売できないなんておかしい。他が参入できないのもおかしい。既に今、世界の人々はゆっくりと神武国へ流れています。理由は簡単です。商人ギルドによって無駄な金を国や領主が巻き上げていないからです。放っておいたらその内ほとんどの国が衰退に向かうでしょう」

この世界の民は正直だ。

より良い暮らしができる場所があるのなら簡単に移住する。

転生前の世界と違って国民意識も薄ければ、言語の違いによる壁もない。

今のままだと人外国の勝利と世界中の衰退が決まっていたんだよ。

唯一愛洲だけがそれに逆らおうとしていた。

近衛みたいに得た利益を懐に入れず民にばら撒いていた国もあったが、それ以外の国はいばらの道が待っていたと思う。

「ハッキリ言っておきたいのは、有栖川がどう動こうと当面ギルドの利益は落ちるでしょう。でも民の生活が良くなれば金は回り利益は増えていきます。領主だって賄賂は無くなりますが税収は増えます。私は別に有栖川を潰して勝ちを掴もうとか考えていません。有栖川も民の為の商人ギルドに変わってくれれば、それは我々の利益にもつながりますから。我々が勝つ、と言ったら語弊がありますが、やるべき事は一つです。その場所を、民がより良い生活ができるように変えていく事です」

結局、民が住まない国は衰退し、民が集まってくる所は豊かになる。

それだけの事なんだよ。

神武国などの人外国の誕生。

世界ルールの廃止。

商人ギルド連盟の解散。

これらによって今まで画一化されていた世界が崩れる事になった。

いい事ばかりではないけれど、悪い事ばかりもでない。

全ては人次第。

全ての国の指導者が賢く自国の利益を求めれば、この世界はとても住み良い場所となるだろう。

結局この場で決まったのは、一旦手を組んで有栖川に対抗し、民の為の商人ギルドを広げて行くという事だった。


そして次の日、有栖川から商人ギルドについての発表があった。

「我が有栖川王国では、商人ギルドへの加盟を強制せず、他の商人ギルドの進出も拒まない事とする。商人ギルドの取引も今まで通りだ。できれば他の王国でもそのようにしていただきたい」

これは予想外に有栖川が賢かったというべきか。

いや、此処まで商人ギルドをひっぱってきたのは有栖川なのだ。

「有栖川を見くびっていたよ」

「国家あっての国民ではなく、国民あっての国家なのですね!兄上様!」

ミケコは本当に魔物だったのだろうか。

何故そんな事を知っている?

しかし、まさか先にやられるとはな。

有栖川が唯一勝利する方法。

それは自国民の為に最もいい手を選択する事だ。

さて他の国は早いうちに追随しないと負けるぞ。

千えるの愛洲と、総司の此花はすぐにやるとは思うが、まあ他は知ったこっちゃないか。

これから資幣は大変だな。

有栖川の縄張りに領民ギルドを早急に展開していかないと、有栖川に勝たせ過ぎてしまうから。

「その通りだよ。ミケコは賢いなぁ」

俺はそう言いながら頭を撫でた。

「兄上様、くすぐったいのです」

最初は嬉しそうにしていたミケコも、しつこく撫でられるのに我慢できなくなったのか俺の手から離れた。

「あっ、逃げた」

「そんなわけで賢いミケコはうららと出かけてきます。世界がわたくしを呼んでいるのです!」

「そうか。みんなに迷惑かけないようにな」

「はい。では兄上様、ごきげんよう」

「策也さん、うららも行って来まーす!」

「おう!」

何処で何をしているのか知らないけれど、ミケコたちは放置していていいのかな。

みんなに迷惑をかけていなければいいが‥‥。

さてしかし、商人ギルド連盟の存在が、画一的な世界を作り争いを減らしてきたのも事実としてある。

商人ギルド連盟が、金で世界を統一していたという事だ。

別の言い方をすれば、商人ギルド連盟が決めた事に王族や領主が従ってきた世界。

しかしこれからは、王族や領主に従う世界となる。

王族や領主によってどうなるのか決まる訳だから、国や町ごとに特徴が如実に現れる事になるだろう。

今までは民に貧富の格差はあったが、これからは国家間に大きな貧富の格差が生まれる可能性がある。

既得権を捨てられない領主だっているはずだからな。

そうして国家間に差が出れば、戦争が起こる可能性も増えるかもしれない。

バカで金に目がくらむような指導者がいない事を願うが、そうもいかないだろうからなぁ。


有栖川の発表があった後、世界会議でもこの件について取り上げられた。

全世界一律にルールを決めて、有栖川の提案した方向に進めるべきだと提案する者がいたわけだ。

しかしそれはいくつかの国が反対し、全会一致とはならず決まらなかった。

「四十八願が反対するとは思わなかったな」

「お婆ちゃんが反対したんだ。わたしにはよく分からないけど、このルールはあった方が良かったんでしょ?」

みゆきの言う通り、世界が横並びで商人ギルドの既得権を否定できれば、町に差が出ない分格差も生まれない。

つまり今まで通り戦争の火種になりそうなものを一つ潰せるわけだ。

「でも四十八願はそれを否定した。戦争を望んでいるというわけではないだろうから、ルールを決めても無駄だと考えたのかもしれない」

例えば昔、酒を禁止した国があった。

でもそうした事で逆にヤバい酒が裏で流通し、問題は大きくなったのだという。

領主の汚職を防ぐためのルールは、逆にもっとヤバい汚職を生み出すとでも言うのだろうか。

或いは四十八願にとってはこの方が良かったか。

「それでお婆ちゃんの所はどうするの?有栖川の意見を受けれいるの?」

「ああ。四十八願は全て自由にすると言っていた」

「逆に賛成したのにやらない国ってのはあるの?」

「それは有ると思うぞ」

あ‥‥その可能性はあるな。

法律で駄目と定められたらやらないけれど、そうでなければ駄目と分かっていてもやめられない奴っているのだ。

自分では決められない、責任を取りたくないから誰かに決めてもらいたい。

そういう奴はルールに賛成はしても、実際に自分ではできなかったりする。

「なんだか変な国もあるもんなんだね」

みゆきの言う通り、変な国も含めて色々な国があるのが世界か。

それにどれが結局正しかったかなんて、結果でしか判断ができないのだ。

俺は俺の守りたいものを守って、正しいと思う事をやるしかないな。

そんな話をみゆきとしていると、ミケコからテレパシー通信が入った。

『兄上様、至急炎龍の屋敷に来ていただけませんか?見せたい者があります』

『見せたい物?』

『はい。とにかく待っていますから、お時間空き次第ご足労願います』

『分かった。今から行くよ』

「みゆき、なんかミケコが呼んでるからちょっと行ってくるわ」

「うん。ミケちゃんっていつも楽しそうでいいよね!」

「ま、まあな‥‥」

みゆきにはそう見えるのか。

そう言われればそうだけど、保護者としては結構不安なんだよ。

「じゃあ行ってくる!」

俺は瞬間移動で炎龍の屋敷へと飛んだ。

千里眼と邪眼で探すとすぐに見つかった。

七魅の部屋か。

俺はテレポートして部屋へと移動した。

「ミケコきたぞ!なんだ見せたい物ってのは?」

俺はそう言いながら、ミケコの後ろに立っている者に気が付いた。

「兄上様。こちらが見せたい者です」

俺はそいつに見覚えがあった。

「雲長じゃないか!」

「策也の知り合いなのだ?」

「まあな七魅。十年以上前に山で会ったシャインドラゴンだ」

いやぁ~懐かしいな。

そういやこんな奴もいたよな。

「策也?聞いた事ある名前だな?」

「そりゃそうだよ。お前に住民カード上げて強くなれってアドバイスした策也だよ」

「おお!あの時の子供か!」

「そうそう。いやぁ~それにしても見違えるほど強くなったじゃないか」

邪眼で調べたらとんでもなく強くなっているのが分かった。

これなら使役されている光龍が相手でも勝てるだろう。

ようやく光龍王国を乗っ取る時が来たんだな。

「いやしかし‥‥俺はさきほどこの者に負けてしまったんだ‥‥こんな小娘に‥‥」

「なかなか見どころのあるドラゴンがいたので捕まえました兄上様」

ミケコに負けたのか。

そりゃな。

ドラゴンが勝てる相手じゃないよ。

魔物の中でも神に近いと言われる上位の魔物だからな。

「雲長‥‥上には上がいるものだ‥‥」

「俺は十年以上何をしてきたんだろうか」

「兄上様。つきましてはこのドラゴンを家で飼おうと思うのですが、許可していただけますか?!」

「雲長がそれでいいなら‥‥」

「負けた以上、全てを受け入れる事にする」

「そっか‥‥」

負けたならしゃーなしだな。

魔物って意外とその辺割り切って受け入れるんだよな。

「これからはわたくしと共に兄上様の為に働いてくれ!」

「分かりました‥‥」

「それでは主従契約をしたらどうでしょうか?」

うらら、そこまで提案してやるなよ。

「どうする雲長?」

「何処までも付いていく、いきます‥‥」

こうして雲長はミケコにテイムされる事となった。

近くでこのやり取りを見ていた七魅が少しビビッていた。

俺はマジでミケコを放置しておいていいのだろうか。

もうどうにでもなれって気持ちなんだけどさ。

主従契約が終わると、雲長は更に強くなっていた。

主人の強さに引っ張られるからね。

「うおぉぉぉ!!なんだか凄く強くなっているぅ!!」

「雲長、貴様には期待しているぞ」

「お任せください!必ずお役に立ちます!」

ミケコが悪の秘密組織のボスみたいだ。

「ところで雲長。お前はなんの為に強くなったんだ?」

「それは、ミケコ様に尽くす為に決まっているじゃないか!」

元の目的忘れてないか?

それでいいのか雲長。

名前が泣いているぞ。

でも本人は割と嬉しそうだし、ツッコミはやめておこう。

まあ七龍最強は間違いないだろうし、ここまで強くなれれば満足してもいいかもね。

「とりあえず今日は雲長の歓迎会でもするか」

「兄上様の許可が出た。今日は皆の者、存分に楽しむがいいぞ!」

「はあい!」

「ありがたき幸せ」

「七魅もこいよ!」

「いいのか?!嬉しいのだ!」

この日俺たちは、よく分からないテンションで夜遅くまで騒いだ。

マジでよく分からない気分の日だった。


追記。

有栖川とのやり取りが分かりにくかった人の為に少し説明しておこう。

今までの商人ギルド連盟は『自由貿易』を提供して民に利益を与えると同時に、自分たちや領主も利益を得てきた。

その利益の中には余計な権力なんかも含まれていた訳ね。

そこで商人ギルド連盟を解散する事で、有栖川は商人ギルド連盟の利益や権力を全て手に入れようと考えた。

それを成す為に『自由貿易をさせない!欲しいものを売ってやらん!』と脅してきたわけだ。

俺は、そんな事をしたら有栖川が潰れると判断し、あえてそれをさせて新たな自由貿易の形を作ろうとした。

或いは有栖川との戦いに乗った。

だけど有栖川は賢くて、現在有利な状態のまま自由競争を挑んできたという訳。

なんせ半分近くは有栖川のテリトリーであり、軍資金も持っているからね。

それに対抗するには他のギルドが協力し、神武国の資金力が必要となる。

こちらは一枚岩ではない不利を補う事さえできれば、互角以上の勝負ができるだろう。

ただ、何故か四十八願が自由競争の環境整理に反対した。

賄賂を貰ってどこかの商人ギルドに肩入れするような領主を排除したかったのに、四十八願は賄賂が欲しい奴は貰えば良いとした訳だ。

確かにそっちの方が自由ではあるけれど、民の利益を求め画一的な世界を作るのならルールを決めた方が良かった。

つまり賢い国は勝って、馬鹿な国が負ける世界でいいじゃないかってのが四十八願ね。

俺としては、馬鹿な国の民も幸せにしてやれればと思っていたんだけど‥‥。

さて、結果この先一体どうなる事やら。

2024年10月8日 言葉を一部修正

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