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見た目は一寸《チート》!中身は神《チート》!  作者: 秋華(秋山華道)
再登場編
88/184

御剣再び?!

千えるの記憶によると、不老不死になる為にはまず岩永姫に気に入られ受け入れる必要がある。

そうすると亀浦の島に案内され、そこからザラタンに乗って比丘尼の島に渡る。

そこで毒を処理した人魚の肉を食らう事で不老不死になるのだそうだ。

しかしそれまで不老不死になった人は、どういう訳かすぐには帰ってこなかったらしい。

最低でも十年は戻ってこず、更に戻って来ても記憶を失っているのだそうだ。

その理由は分からないが、これだけの情報を得ていた事で千えるは不老不死になるのを決意したという。

記憶を預けるマジックアイテムの存在があったからだろうね。

そしてこれは俺にも当てはまる事で、俺の記憶が無い理由も千えると同じなのだろう。

それにしても千えるには記憶を貰っちゃったし、みゆきとは別の意味で近い存在になってしまったな。


俺は七星会議の前日に、なんとか奉先に会う事ができていた。

会うのは当然資幣である。

大聖でも良いのだけれど、下手に出て喋るには資幣じゃないとキャラ的に無理だから。

「今日はお会いくださりありがとうございます」

これが今の豪傑奉先か。

三国志の呂布奉先を思わせる、でかくて強靭そうな男だな。

身長は二メートルくらいありそうだ。

「全く。どうせ面倒な話をしにきたんだろう。一時間だけだからな」

奉先は禰子の言う通り、マジで引きこもりのようだった。

千えるの記憶によれば、奉先は学園ではかなり高い志を持った人気者だったらしい。

文官としての才はあまりなかったが、武官としての能力は学園の歴史上トップレベルだった。

そしてそのまま学園を卒業したが、その後しばらく奉先の名前が表に出てくる事はなかった。

ようやく出てきたのは、父親の跡を継いで商人ギルド連盟の七星になった時か。

「今日は明日行われる七星会議で、反対票を投じてくださるようお願いに参りました」

「駄目だ駄目だ。いくら頼まれてもそれは変えられない。有栖川を敵にはできないからな」

普通はそうだよな。

転生前の世界だと嫌がらせ程度で済むかもだけど、この世界だと軽く殺されるからな。

「有栖川を恐れておいでですか。奉先様は武官として最高レベルだと聞いておりましたが?」

「確かに俺は強いさ。でもな、この世の中それが何になる?金こそ力の世界なんだよ」

今のお前じゃ、力でも有栖川の兵隊にはかなわないだろうな。

でもそれだけ言えるならまだ可能性はあると見た。

「金ですか?でも金という事なら神武国だって相当な金持ち国家だと聞いておりますよ。あなたの賛成票はその神武国にどう見られるでしょうか?それに私も金で有栖川に負けるつもりはありません」

「何をたわけた事を。だったらお前は俺をどれくらいで買ってくれるんだ?有栖川は俺をかなり高く買ってくれている」

まさかこんな話に向かうとはね。

これはラッキーだ。

ここで有栖川を上回る提案ができればきっと心は揺らぐだろう。

「そうですね。有栖川がいくらであなたを買っているのかは知りませんが、私はあなたを一国レベルを統治する領主相応と評価しております」

「ふん。お前にそこまで評価された所で嬉しくもない」

マジで思ってるんだけどな。

千えるの記憶を信じるなら、こいつにはその資質がある。

知的能力はかなり足りないけれど、そこは誰かが補えばいいだけだ。

「ここだけの話、明日の七星会議には神武東征様も注目されています。奉先様がもしも反対されれば、私は領民ギルドの会長として何処かの町の領主に推薦するつもりです」

奉先は学園時代、領主をして民の為の町を作りたいと夢を語っていた。

領主というニンジンをぶら下げれば食いついてくるはずだ。

「なんだと?俺は領主になれるのか?」

「はい。それにそこで実績を残す事ができれば、新しく領地となった島の一つ全てを統括する領主へも推薦します。神武国は突然領土が増えて人材不足ですから、むしろあなたのような人材を欲しているのです」

実務は難波津家がやれば、こいつは顔として使えるはずだ。

「島一つか。最も大きな島は此花第二の王都があった所だから、俺に預けるのは別の島かな」

「そうですね。しかし民の為に本気でやっていただけると分かれば、ゆくゆくは王都のある島以外すべてを任せられる方だと、私は奉先様の事を評価しております」

「なんだと!?そこまで俺を買ってくれているのか?」

「はい。あなたは学園に通っておられた頃、凄く高い志をお持ちだったと聞いています。しかし貴族は王族になって国を治める事ができない世界ルールがあります。どこかの王族の養子にでもなれば可能でしょうが、まず無理と考えるべきでしょう。それでもなんとかすると若い頃のあなたは言っておられたそうですね。これからなら可能になるかもしれません。いえ可能にできる所まで来ているのです。人外の国の王を人間がやってはいけないルールなんてないのです」

そんな事したら人外の国の意味が失われるけれど、実際神武国は表向きそうなっているのだ。

中身はヴリトラだけどさ。

奉先は少し考えている様子だった。

これはもう一押しか。

「その辺り私の言葉が信じられないのでしたら、直ぐに神武東征様の意思を確認できるように手配いたしますよ。東征様も私と同じ考えだと分かれば安心でしょう」

しかし奉先が悩んでいたのはそこではなかった。

「やはり駄目だな。その提案を飲めば、俺は有栖川と御剣、両方を裏切った事になる」

こいつが悩んでいたのはそこか。

名前に似合わず忠臣なのかよ。

奉先なんていうから呂布みたいに裏切るヤツかと思っていたわ。

「奉先様。あなたは今、七星会議で最も大きな権力を手にしているのですよ」

「何?」

「商人ギルドを支配しているのは有栖川だと思われているようですが、全てはあなたの一票で動かせる状態なのです。あなたが全てを決められるのです。有栖川や御剣を裏切る訳にはいかない?でもその為に奉先様、あなたは民の期待を裏切るおつもりですか?!」

俺も偉そうな事を言ってますなぁ。

そんな説得で世の中動かせたら苦労せんよな。

流石に諦めるしかないか。

「確かに‥‥言われてみれば俺の一票で全てが決まるんじゃないか!今までの決定全てがそうだ!俺こそが七星会議の権力者だったのか。そして力のある者が民の為に戦うのは当然。よし分かった。明日の会議では反対票を投じよう!」

「えっ?いや、ありがとうございます!それでは領主の件は東征様に推薦‥‥」

「それはいらん。俺には力があったんだ。ならば自分で領主の座も勝ち取ろうではないか。流石に御剣を裏切るわけにはいかないしな」

「おっしゃる通りです」

ちょっとバカで調子乗りな感じだけれど、民を想う気持ちは本物だし、忠臣であるのも間違いない。

俺はなんとなく、いつかはマジで奉先に領主をやってもらいたいと思った。

とは言え多数決の力学を教えてしまったのはマズかったかな。

無茶しなければいいけどさ。


次の日の七星会議で奉先は宣言した通り反対票を投じ、有栖川の企みは水泡に帰する事となった。

ただこれで奉先は確実に有栖川に狙われる事になるのだろう。

俺は禰子にテレパシーを送った。

『禰子?』

『あ、お兄ちゃんだぁ!今日はどうしたの?』

『ちょっとお願いがあってな』

『お願い?仕事休んでもいいならデートは何時でもオッケーだよ!』

『そ、そうか。いやデートじゃなくてだな、先日聞いた豪傑奉先の事なんだけどさ、あいつ多分命を狙われる事になるだろうからさ、ヴァンパイア部隊の二人を送ってそれとなく守らせておいてくれないか?それに今後、御剣できっと何かが起こる。その情報収集も兼ねてさ』

有栖川が奉先の命を狙ってくる可能性は高い。

別の者に代えて権力を取り戻さなければ、有栖川の力は保てないからな。

或いは別の者を抱き込もうとしてくるだろうが、そちらは総司に任せておけば今の所は心配ないだろう。

まずは奉先だ。

それに奉先自体、御剣で何かをしでかさないか心配なんだよね。

志は有ってもアホだから。

有栖川から御剣に対しても圧力がかかって来るだろう。

奉先はそこまで考えていなかっただろうし、今度は御剣が何かしでかす可能性もある。

俺も考えてなかったからなぁ。

やっちゃった後に気が付いたわ。

何事も起こらなければいいんだけど、マジで嫌な予感しかしないよ。

『ヴァンパイア部隊の誰でもいいの?』

『そうだな。大丈夫だろう』

みんな強いからな。

ちなみにヴァンパイア部隊というのは、魔石十一個を集める際に一緒に捕獲した魂を蘇生した奴らだ。

全員ダイヤモンドミスリル製の体だし、戦闘員は正直こいつらがいれば問題ないレベルとなっている。

『分かった!遊びに行きたいって言ってた人がいるから、その人たちに頼んでおくね』

『お、おう?』

遊びにね‥‥。

まあ仕事だけしっかりやってくれればいいけどさ。

転生前の世界じゃ、出勤中の態度とか最悪休日まで社員としての在り方を求められたりしたけれど、仕事さえちゃんとやってればいいよね。

仕事‥‥ちゃんとやってくれるかなぁ‥‥。

少し心配だな。

家郷ファミリーも御剣領へ引っ越しさせておくか。

家郷ファミリーは現在大聖の部下として、諜報活動など色々な目的を持って世界中を飛び回っている。

家族での引っ越しなら怪しまれないで済む場合もあるからね。

表向きの仕事は、町でどんな商売ができるのか、どんな物が売れそうかなどを調査するというものだ。

これも実際にやってもらっていて、領民ギルドの運営に役立てている。

神武国領内に入ってくる人ばかりではなく、他領の町に行く人の支援もやっているからさ。

しかしこの引っ越しはすぐに中止となった。


七星会議の次の日、既に事態は動き始めたのである。

『お兄ちゃん、御剣各地の戦力が、ほぼすべて南西方面へ移動しているみたいだよ』

『マジか‥‥』

まさかこんな手でくるとはな。

これはおそらく戦争が起こる。

そして奉先を戦場に出させ、敵に殺させようというのだろう。

相手はオーガ王国なんだろうな。

十数年前の事もあるし、御剣はそもそもオーガ王国を良く思っていない。

そこに有栖川から何かしらの声がかかれば、喜んでリベンジしようと動き出す。

有栖川にしてみれば、御剣が勝とうが負けようが戦争の結果はどうでもいいか。

目的は奉先の死だけだろう。

或いは奉先の管理不足という事で御剣国王を殺したいという事も考えられなくはないが、国家自体は残ってもらわないと困るだろうしな。

だとすると有栖川が手を貸す事も考える必要はあるか。

このままだと、オーガ王国にもかなりの被害が出る事になる。

今回はどうやら御剣も本気だ。

前は油断だらけだったからなぁ。

オーガ王国旭には元スフィンクスの夜美ちゃんがいるから、御剣だけならなんとかなるとは思うけどさ。

俺も久しぶりに旭に行くか。

『禰子は引き続き御剣の動向を監視しておいてくれ』

『分かったよ』

「みゆき、俺はちょっと風里たちの所に行ってくるわ。御剣との戦争になりそうなんだよね」

「戦争なの?なんで?」

「昨日七星会議があっただろ?あのうちの一人をたぶらかして反対票を投じさせたのは良かったんだけどさ、多分有栖川がそれに怒ったんだと思う」

「でも昨日のはみんなの為だったんだよね?」

「そうだな。でも権力者は権力を奪われそうになれば過剰に権力を振るってくるんだよ」

尤も、戦争させられるのは御剣と風里たちで、有栖川は高みの見物なんだろうけど。

「わたしも行った方がいい?」

「いや、みゆきが行く必要はないよ。ゆっても相手は御剣だし。子供たちを頼む」

有栖川がそこまで強力な助っ人を出してくるとは思えない。

でも一応私設民間傭兵隊は召集しておくか。

「気を付けてね」

「おう!」

とは言ったものの、今の俺に何処までできるのだろうか。

何処までやっていいのだろうか。

十年前、俺はみゆきの父である元皇帝に会った。

その時言われたのは、此花策也の名前に責任を持って行動しろという事だった。

確かに偽名でコソコソやるのは男らしくないし、卑怯者っぽいよな。

でも誰かに迷惑をかけるかもしれないと思うと何もできなくなる。

人間は誰かに迷惑をかけて生きていくものだと俺は知っているし、他人の迷惑も許してやれる人間になる方が恰好いいとも思う。

そう思っているのに何もできないと思うのは、俺が元日本人だからなのだろうか。

これじゃダメだ。

別に目立つ必要はないが、やる事はもう気にせずやろう。

リンには悪いけど、俺はやるぜ!

俺はオーガ王国旭へと瞬間移動した。

オーガ王国には偶に顔を出しているので、此処に住むオーガたちは俺を見ても不快に思う者はいない。

でも仲間の多くを人間に殺された者が集まっている町だけあって、人間への不信感を持つ者は多かった。

「あれ?策也様じゃん?また子育てから逃げてきたのか?」

俺に声をかけてきたのはキャッツだった。

キャッツは此処で暮らすようになってから、等身大の人の姿でいる事がほとんどだった。

「いやいや、子育てパパだっちゅーの。それよりも風里たちは今どこだ?」

「風里様?この時間なら多分訓練場だと思うけど、何かあったのか?」

「ちょっとな」

俺はキャッツの耳元に顔を寄せた。

「大きな声では言えないけどな、御剣がまたここに進攻してこようとしている、可能性がある」

「なんだって!?」

「シー!シー!そんなわけだから、お前は必ず風里を守れよ」

「当たり前だの‥‥コンコンチキだ!」

おい今、何か言おうとしなかったか?

いいけどさ。

とりあえずキャッツはあの時の約束をずっと果たしてくれている。

あの時の悪魔、いや魔人がねぇ。

風里の人徳だな。

人徳があるようには見えないけどさ。

「じゃあなキャッツ!」

俺はそう言って短距離瞬間移動スキルを使って訓練場へと移動した。

そこでは風里が他の者たちを指導していた。

風里は能力が高いけど、戦い方や能力が特別なんだよな。

だから教えられている方は本当に納得しているのか不安でもある。

でも夜美もいるみたいだから大丈夫か。

俺はしばらく訓練を見ていた。

風里も夜美も俺に気が付いていたが、訓練中なのでそのまま訓練を続けていた。

そのままっていうか、夜美はなんか力が入っているぞ。

俺にいい所を見せようとしているのかな。

愛い奴め。

訓練が一区切りつくと、風里と夜美は俺の所にやってきた。

「策也、久しぶりアル。今日は何かあったアルか?」

「策也、私また強くなったよ。見てくれてた?」

二人同時に話しかけてきた。

思考は複数あるから両方聞く事はできるんだけど、口は一つしかないから返事は一人ずつしか無理ですよ。

「ああ見てたぞ。流石夜美ちゃんだ。風里久しぶり。ちょっとヤバい事になりそうなんだ」

俺はそう言いながら夜美の頭をワシャワシャした。

夜美はご満悦だ。

「ヤバい事アルか?」

「そうだ。もしかしたらまた御剣が此処に攻め入ってくるかもしれない。既に戦闘員がこちらに向けて移動を開始している」

「全く‥‥どうしてそんな事するアル。最近は人間への感情が少しはマシになってきた所アルのに」

現在オーガ王国旭には、少しの猫獣人が暮らしているくらいで、他のヒューマンや魔物はほとんど暮らしていない。

俺が置いている領民ギルド職員と、商売の取引に訪れる人が多少いる程度だ。

一緒に暮らそうと他のヒューマンがやってくる事もあったが、今では皆出て行ってしまっている。

オーガの町は此処だけだし、これはこれで良いと今の俺は思っている。

一緒に暮らしたい人には、神武国のオトロシイや妖精王国ジャミルだってあるのだからね。

「すまんな。そのきっかけを作ったのは俺かもしれないだ」

「策也はきっと悪くないアル。いつも助けてくれてるアル」

「ありがとう風里」

風里はずっといい子だよ。

今では三児の母だけどな。

「それでどうするアルか?」

「まだそうと決まった訳じゃないからな。とりあえずは警戒しつつ様子を見る」

「分かったアル。それで戦争になった時の話アルが、策也はなるべく手出ししないでほしいアル」

「どういう事だ?」

「多分オーガ王国の戦力が舐められてるから攻められるアル。一度強さを見せておくアル」

なるほど、そういう所は確かにあるだろうな。

夜美もいるし、有栖川が出てこないならそれもいいだろう。

「分かった。ただ、おそらく敵に豪傑奉先ってのが出てくると思うんだ。二メートル以上あるバカデカいヤツなんだけど、そいつだけは殺したくない。だから俺たちで捕らえる」

「それは任せるアル。後は強くなった私たちの力を見せるアル」

「強くなっているのはきっと敵もだぞ。御剣の王は環奈と力は互角だった。武器の差が圧倒的だったから楽勝だったけれど、装備を揃えて更に強くなっている可能性が高い。油断はするなよ」

「油断しないアルよ」

風里に言うだけ野暮だったかな。

この子は何時も冷静だもんな。

そんなわけで俺はしばらく旭の町に常駐する事にした。

夜には悟空にも会った。

「おう策也じゃねぇか。どうしたんだ?」

「どうしたもこうしたもねぇよ。また御剣が此処に攻撃を仕掛けてきそうなんだよ」

「なんだよ。せっかく平和を満喫していたのによ」

平和ねぇ。

悟空は相変わらず子作り三昧なのかね。

オーガは人間よりも繁殖力が低いから、王様は頑張るのが仕事だったりするらしい。

あくまで悟空曰く。

「そんなわけで俺はしばらくここにいる」

「守ってくれるのか?」

「風里には手出しするなって言われたよ。あくまでヤバくなったらって所だな」

「羅夢も変な事考えるよな。策也に任せた方が楽なのに」

悟空は平和ボケしまくりだな。

自分たちの暮らしを自分たちで守ろうとしなくなれば、国は簡単に滅びるんだぞ。

とは言え自分たちで戦えば仲間に死者も出るだろう。

こういうのって本当に対応が難しいよ。

結果でしかどちらが正しかったなんて言えないもんな。

とりあえず俺は、俺の大事な人たちだけは守る。

次の日には傭兵隊のメンバーも駆けつけ、旭の防衛体制は整った。

傭兵隊は俺の助けには含まれないよ?

依頼を受ければ何処にでも行くからね。

オーガ王国が御剣の動きを察知し、仕事を依頼したという体ならいいのです。

「仙人、ゆかり、よく来てくれた」

「全く策也殿は。おいらはもう歳だし戦闘は体に堪えるわい」

「いやお前、体はダイヤモンドミスリルだろうが」

「策也隊長!お呼びいただき感激であります!」

ゆかりはマジで強くなったよなぁ。

「うむ。貴様には期待しているぞ」

「感激であります!」

俺はこの十年みんなを鍛え上げてきたが、多分こいつが一番成長している。

元々素質のある魔人だったけどさ。

魔物よりもヒューマンの魂の方が全体的に成長するのは分かっている。

だけれど、それを差し引いてもゆかりは凄かった。

尤も限界はヒューマンの方が先に訪れる傾向にあるので、これからの成長は厳しいだろうけれどね。

「では今回の戦闘服はコレだ。皆に着るように伝えてくれ」

「了解であります!」

傭兵隊のメンバーは傭兵隊だと分からないように、その都度違うコスチュームに身を包み顔を隠している。

でないと後に問題が残るからね。

そしてやられた時にゴーレムが残らないように、殺られる寸前で自動瞬間移動魔法が働くアイテムを装備させている。

『これは死ぬな』って状況になれば、強制的に秘密基地にテレポートなのだ。

俺もよくこれだけ色々準備したよなぁ。

天才か!

心の中で自分を褒めて、今日の日も暮れてゆくのだった。

そして準備が整ってから一週間。

ついにその日は訪れるのだった。

2024年10月8日 言葉を一部修正

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