勇者の行方と氷菓折太郎
五度目の復活をした魔王は、俺たちがなんとか倒した。
そしてその魔王の魂は、今セバスチャンとなっている。
セバスチャンに聞いた所、全ての時代の魔王は自分であるという事。
そして復活をするたびに強くなってきたらしい。
何時からその復活が早乙女のやる事となったかは定かではないが、いずれも人間の手によって復活が成されてきた。
復活にはいくつかの工程を経る必要がある。
まずは魔王の魂を見つける事。
その為にはこの世界に魔素を供給する必要があった。
魔界の扉を開けたのはその為だが、既に魔素の多くある世界ではこれ以上の魔素は必要なかった。
なのに更なる魔素の供給を行ったのは、強くなっていく魔王の、或いはその部下である悪魔の蘇生にはより大きな魔力を必要としたためだ。
だから常に復活の前には魔界の扉を開ける必要があったという。
魔王が復活を繰り返すたびに、この世界の魔素は濃くなっていった。
空中都市からエルフが離れたのも、魔素が濃くなりすぎて暮らしていけなくなったからだという。
魔王が四度目の復活をした際、エルフは空中都市バルスを捨て地上へと降りてきた。
この話をエルに確認した所、おそらくは本当であるとの事。
俺の魔法でセバスチャンは俺に嘘は付けないはずだし、全て信じて良さそうだ。
つまりこの先もう魔王の復活はない事になる。
となると『勇者』ももう不要なのではないだろうか。
しかし俺が不要と言った所で誰も聞く耳は持たないだろう。
勇者を育てる事は、世界ルールにも定められているのだから。
勇者の出産に立ち会った後、俺たちはしばらくボチボチデンナに滞在する事にした。
勇者とその親がどうなるかを見届ける為だ。
正直俺には嫌な予感しかしない。
考えられる可能性一。
速水が勇者を売って利益を得る。
可能性二。
その流れで伊集院と有栖川の関係が悪化する可能性がある。
可能性三。
どちらかの国が強引に勇者を手に入れようとして、両親に危害が及ぶ。
正直全部ありそうで怖い。
特に伊集院は、過去に何度も勇者を輩出してきている。
そしてそのおかげで大国となった可能性も大いにある。
勇者の洞窟は多くの冒険者が訪れ挑戦するわけだし、あそこの資源量も半端じゃなかった。
だいたい勇者がいつも伊集院領で産まれるわけもなく、おそらくなんらかの方法で集めてきたんだろうと考えられる。
今回も伊集院が手に入れる事になるのか。
しかし今弱っている伊集院。
有栖川が黙って渡すとも思えない。
そんな嫌な考えをグルグルと巡らせながら、俺は宿屋であの夫婦からの良い知らせを待っていた。
ボチボチデンナに滞在してから三日が過ぎた。
そろそろ何かしらの動きが出る頃だった。
予想通り、あの夫婦の旦那の方、健太が宿屋へ報告にやって来た。
「赤ん坊が‥‥僕たちの赤ん坊が‥‥速水国王に奪われました」
そうなるかぁ。
普通の国なら両親ともども勇者を引き取って勇者教育を施す事になるのだろう。
でも速水じゃそんな事しそうにない。
余裕もないけれどそれだけじゃなく、国民に対して国家の役割を果たそうという気概もない。
地政学的な問題があるから全てを国王のせいにはしたくないけど、何とか守る方向で頑張ってほしかった。
もしかしたら勇者だけでも守ろうとしているのかもしれないが‥‥。
「やっぱりそうなったか。ただ国王に奪われただけなのか?」
「多少のお金を置いては行きましたが‥‥こんな金で我が子が奪われるなんて‥‥」
金を置いて行くだけまだマシか。
さてどういう解決方法があるか。
今の状況だとまだ情報不足だ。
速水が勇者の独占を狙ったのか、伊集院や有栖川に売る事を考えたのかが分からない。
仮に取り返したとしても、この世界は住民の行動が全て把握されるシステムだ。
両親と子供を他国に逃がしたとして、住民登録が無ければまともに商売や仕事もできない。
神武の国で受け入れたりしたら、世界を敵に回す事にもなるだろう。
もう既に敵と認識している国も多いと思うが、戦争なんて事だけは避けたいしな。
「分かった。俺としてはなんとか取り戻すか、両親も一緒にいられるようにしてやりたいと思うが、俺も此花の人間だからな。下手な事はできない。もう少し様子を見たい」
「そうですよね‥‥分かってはいます。色々と助けてくださって感謝はしています」
「ああ。くれぐれも軽率な行動は止めてくれ。できる限りの事はしたいと思っているから」
しかし俺も何やってんだろうなぁ。
静かにみゆきと暮らせればいいと思っているのに、やっぱり厄介事に首を突っ込む。
「それでは、また何かあったら報告に来ます」
「ああ」
健太は部屋から出ていった。
「策也!もうぶっ飛ばしてでも取り戻そうよ!」
みゆき、なんかキャラ変わってきたな。
魔物すら殺せないとか言ってた子が‥‥。
いや、それでも悪い魔王なら怒りで倒してしまうくらいだし、単純に悪いヤツには容赦がないだけかもしれない。
「速水国王とやら、殺してもええかのぉ?」
「いや環奈、流石に殺すのはマズイ。国家ってのは例えトップが悪いヤツだとしても、そういう解決方法を選んだら大抵状況は更に悪化する。もう少し様子をみるぞ」
「残念じゃのぉ」
ムカつく奴を殺したいって気持ちはみんなあったりするのだろうな。
でもそれをすれば悲惨な世界になると歴史は語っている。
俺たちは更に様子を見る事にした。
そんな日の午後、神武の国である動きがあった。
島をスムーズに譲る為に滞在していた愛洲の側近貴族である『氷菓』家の『折太郎』が、神武大聖との話の為に屋敷にやってきていた。
「今日は少し愛洲の事情を知っていただきたくやってきました」
折太郎は仕草佇まいから、武官ではなくいかにも文官といった感じだ。
この世界で人の上に立つには、ある程度戦闘力も必要とされるわけで、こういうタイプは珍しく感じるほどだった。
「ああ。愛洲家にはこの島を譲ってもらったわけだし、話くらいは聞くよ」
つか王様ってどんな喋りをしたらいいんだ?
もうマジキャラづくりって面倒だよね。
「今回のこの一件、正直誰が悪いという訳ではないと思うのですが、結果的に愛洲だけが損をする羽目になったように思うわけですよ」
「そうだな。領土はその国にとって最も重要なものの一つだし、多少金が入った所で釣り合いが取れるものとも思わない。そこは同意するよ」
「ありがとうございます。おっしゃる通りです。そこで愛洲としてはでできるだけその損失を受け入れられるものにしようと色々と考えたわけですよ」
「当然だな。その辺りはこちらも理解しているから村もそのまま残すし、この島でやっていた事業も続けられるようにしている」
愛洲から譲ってもらった島は、海の輸送ルートの割と重要な位置にある。
だから今まで愛洲は船の中継地点としてこの島で儲けてきていた。
特に領主が滞在して統治していたわけではないけれど、村も規模が大きく、ほとんど小さな町レベルにまで発展している。
領地内での税収は領地を管理する国へと入るわけだが、それ以外の利益は愛洲にそのまま残るように、愛洲の者が今まで通り無条件でこの地で商売する事も許可していた。
今回の件、誰が悪いというわけではないが、俺がやった事で愛洲が迷惑を被った事も確かだ。
だからこそ色々譲歩もしている。
愛洲は自由国家というこの世界の中では割と良い統治をしていたにも関わらず、それが仇となって今回のような事態に繋がった。
ぶっちゃけ俺としても愛洲の国柄は応援したいし、それも譲歩してきた理由なのだが、さてこれ以上は何かできる事はあるのだろうか。
「はい。それには感謝しております。しかしもう少し、愛洲は国民の為にいい条件を獲得しておきたいと考えているのです」
「国民の為にね‥‥」
そう言われると辛いな。
国家の利益は国民の利益だ。
それがそうではない国も多々ある中で、愛洲は俺の見る限りその通りの国家に思う。
何を求めてくるのかは予想がつかないが、ある程度の事は受け入れてもいいかもな。
「はい。今回我ら愛洲家が領土を提供しなければならなかったのは、一言でいうなら国力の不足です。伊集院や有栖川に対抗できるだけの戦力と経済力があれば、この結果にはなっていなかったでしょう」
「そうだろうな。いくら世界ルールで弱者の権利が守られると言っても、この世界は焼肉定食‥‥じゃなくて弱肉強食。強いものがやはり得をする」
一度このボケ、やってみたかったんだよね。
大聖でいう事ではなかったかもしれないが‥‥。
「そこで神武王よ!」
「ちょっと待て!俺は普通の王とは違うんだ。君臨すれども統治せず。或いは統治すれども支配せずなんだよ」
「そうなんですね。勉強させてもらいます」
「そんな訳で新たな統治者としての名前を考えた。俺は天王だ。天から国民を見守る王」
「了解しました。では改めて神武天王よ。我々愛洲の国を守る為の力をお貸しいただけませんか?」
「力を貸す?」
どういう事だろう。
九頭竜や早乙女が求めるような軍事同盟だろうか。
「はい。我々は特に他国を侵略しようなどとは考えていません。だから国民の感情としては軍事力は不要というのが多数です。しかし他国が愛洲に進攻してくる可能性はありますし、そういった脅しによって交渉では何時も負けてしまいます。国民の気持ちに寄り添えば寄り添うほど、今回領土を失ったように悪い結果となるのです」
「それは神武の国の保護国になりたいという事かな?」
それはないとは思うけどね。
バカな日本でもない限り。
「そうではありません。できれば対等ではありたいし、愛洲だってなんとか最低限の軍事力は持っています。最悪の時には戦う覚悟があります。しかし現実問題、国民の命にはかえられないと思うと、伊集院や有栖川、或いは九頭竜や早乙女には戦う前に負けてしまうのです。だから軍事同盟なんかを結ぶ国もありますけれど、これだと他国の争いに巻き込まれる可能性もあるでしょう。それが神武の国だとすれば尚更敵を増やしかねません。図々しいお願いである事は分かっています。それでもあえてお願いしにきました。我々の盾となってはいただけないでしょうか」
「その図々しいお願いを我々なら受け入れてくれると思ったのか?」
「可能性はあると思いました。私、苗字を自由に与えるって話には感動したんですよ。こんな事をしようとする人がいるんだって。ドラゴンでしたけどね。それは私の理想でした。神武天王がこの島をどうするのかしばらく見てきましたが、私は間違いないと思いました。あのドラゴンの七魅王のやった事は、神武天王が考えだったのだろうと」
ほう。
分かる人には分かるもんなんだな。
尤も、自分の利益以外で権力を振るうヤツなんてごく少数だから、その辺り見られる人なら分かったりもするのだろう。
「折太郎の言いたい事は分かった。ただちょっと今気になる事もあってな。そちらの状況がハッキリしてからの返事で構わないか?できるだけ希望には添えるようにするつもりだ」
「ありがとうございます。所で気になる事というのは、聞いてもよろしいですか?」
「今は話せないが、おそらく今日明日中には世界に轟く大ニュースとなるだろう」
「そんなニュースが?分かりました。ではまた明日以降に出直します」
話を終え、ゆっくりと立ち上がる折太郎に、最後一言だけ声をかけた。
「ニュースが出てからな」
「はい。では失礼します」
折太郎は津希に案内され部屋から出て行った。
愛洲の氷菓折太郎か‥‥。
交渉上手と言うよりは、人を見抜く力と真っすぐな気持ちがあるといった所か。
そして最大限利益を得ようとする。
ただその利益が国民の為だというのは、愛洲の評判を聞けば分かる。
自由の国愛洲王国。
此処は味方に付けておくべきだろう。
いずれ役立つ時が来る気がする。
それよりも当面は勇者の事だな。
愛洲は俺たちを利用して国益を得ようとしているのだから、俺も少し愛洲を利用させてもらおう。
それにきっと愛洲にとっても悪い結果にはならないだろう。
折太郎が帰ってから二時間後、世界に轟くニュースが魔法ネットワークから告げられた。
「俺は速水家当主、『速水諸道』国王だ。今日は世界中の者たちへ重大なニュースを発表する事となった。我が領土で勇者が産まれたのだ!しかし我々の今の力では勇者を育てる環境を提供できない。そこで皆に支援をお願いしたい。金、人材、アイテム、何でも結構だ。世界の為に皆の協力を期待する」
おいおい。
まさかの斜め上展開が来たぞ。
「速水が強くなるためにみんな協力しろ、だとさ」
「でも世界の為なんでしょ?」
「確かに一見世界の為に見えるけどね。でも世界の為、なんて言うヤツは簡単に信じちゃいけないんだよ。みんなが満足するなんて事はまずありえないから」
転生前の世界でも、耳障りの良い綺麗ごとをいう奴らは、必ず裏で利益を得ていたりした。
それにその綺麗ごとは万人に喜ばれる事もないから、無駄な対立を生んだりもするんだよな。
「しかし思っていたのと違う王様じゃのぉ」
「うん。もっと弱々しい人かと思っていたアル」
「かなり豪胆そうな方ですね。頭が悪くてうまく丸め込まれてきた感じでしょうか」
「まあでも結果は変わらないだろうな。支援する奴らなんてほぼいないだろうし、最終的には伊集院と有栖川で勇者の取り合いになるだろう」
そしてそうなれば、世界を二分した対立に向かう可能性がある。
或いはもっと別れて戦う事になるかもしれない。
どうなるにせよ、初期段階で止めて決着をつけないとな。
この日の夜遅く、伊集院と有栖川がそれぞれメッセージを発した。
勇者の育成に優れた自分たちが適任だという伊集院。
そして今の伊集院では大変だろうから、自分たちに任せろという有栖川。
更には九頭竜や早乙女まで『自分たちにも資格があるだろう』と訴え始め、世界が少しずつ壊れていくのを感じずにはいられなかった。
たとえ今回戦争にはならなくても、結構なシコリは残りそうだよな。
次の日の朝、神武大聖の元に折太郎がやってきた。
「世界に轟くニュースというのは勇者の誕生だったのですね」
「まあな」
「もしかしてこの国は、既に世界中に諜報機関を持っておられるのでしょうか?」
「そんなものはないが、ただ有能な友人が世界中にいるだけだよ」
本体の俺が偶々勇者の出産に立ち会っただけなんだけどね。
でも自分を、或いは自国を強く見せるってのも国家運営では重要だ。
それだけ他国との交渉事では有利になるからね。
「感服します。それで昨日の件ですが、返事をお聞かせ願えますか?おそらくこの勇者の件で何かあるのだとは思いますが」
「そうだな。まず愛洲を守るという話だが、国家としてやるならどういう条約になるんだ?普通に考えたら不平等なモノにしかならないと思うが?」
「確かにそうです。でも今回の件、愛洲に借りがあるという風にもできますよね。だから何かあれば恩を返すというものでどうでしょうか」
「ふむ」
それはそれでアリか。
でもそれだとつけ入る隙はある。
「ただそれだと弱くはないか?他に借りが出来れば、俺たちは中立にならざるを得ない」
「その通りですね。ですが流石にこれ以上の関係を作るとなると、愛洲と神武の関係が近いと見られ、愛洲にはマイナスになる可能性が出てきます」
「そこはいい考えがある。こちらが勝手に愛洲の統治体制に惚れた事にしてしまえばいい。惚れた女を守るのに理由なんて不要だろ?」
みゆきを助け守るのに理由がいらないのと同じように、俺はこの愛洲王国は割と気に入っていた。
「そこまでしていただけるのですか?」
「ただ、国家としてそれをするのは問題があるし、軍で対応するにはやはり国民の同意が必要になる。とりあえずは俺が愛洲王国に惚れたから、困った時は民間の傭兵で助けるって事でどうだ?」
「民間傭兵ですか。それだと戦力としては弱いですね。後ろにあの妖精王国があればこそだと思ったのですが」
「民間傭兵を舐めないでくれ。俺が頼むのはあの空中都市の一撃くらいには強力な組織だ。それに我が国所属となった自由に行動できる俺の仲間もいる。ただの民間人だけであれ以上の戦力はある」
今は無いけどね。
早急に作らないとな。
元悪魔の傭兵軍団。
裏で仕事する民間人がいた方が自由に使えるしな。
そいつらは資幣の管轄にして、コッソリボディーガードとか裏の派遣仕事をやらせよう。
暇な時は素材集めでもさせるか。
だったらもう仙人も必要ないな。
隊長はダイヤモンドミスリルゴーレム製の仙人の体に蘇生させる事にした。
仙人はずっと冒険者をやらせているし、案外名前も売れている。
中央大陸の中央地域ではかなりの有名人だから、キャラづくりの特訓もしておかないとな。
「仮に力が有ったとして、それを証明はできるのでしょうか?」
「一名強くて名の売れたヤツが所属している。そいつを紹介する事にしよう」
「分かりました。所で勇者の件が何処にも絡んできていないのですが‥‥」
「そうそう。力は貸すが、できればそちらにも力になって欲しくてな。我々は愛洲を勝手に守るし力も示す。その代わりそうして得た権力を利用して、今回の勇者だが、愛洲で引き取ってほしいのだ」
愛洲が勇者を引き取ってくれれば安心だ。
両親もちゃんと好待遇で迎えてくれるだろう。
「勇者をですか?しかし伊集院と有栖川を敵には‥‥」
「大丈夫だ。伊集院と有栖川が完全に敵になるような事にはならないよ。九頭竜や早乙女も出てきているしね。それに今回愛洲は領土を提供している。その見返りに自分たちが引き受けるのが一番事態を丸く収める方法だとすればいい」
尤も、完全な敵にはならないけれど、相応に警戒されるだろうけれどね。
でもそれは、我々が味方に付く時点でそうなる。
「大丈夫でしょうか‥‥」
折太郎は慎重だな。
だからこそ愛洲はそこそこの大国としてやってこられたのだろう。
評価は此花に次ぐ九位だからな。
でも力とそれに見合った精神を持たないと、いずれは飲み込まれるよ。
その一端が今回の領土の譲渡と言える。
「俺は愛洲には力を持ってもらいたい。いい君主だからだ。俺としてはどっちにしても愛洲をこれからは守るつもりだが、どうするかは任せるよ」
「分かりました。王に直接話をしてみます」
「とりあえず今日中に俺から『愛洲を無条件で助ける』って話はニュースで流しておく。民間傭兵のメンバーもね」
「ありがとうございます。それでは私は急ぎ失礼します。これは愛洲家の転機となるかもしれませんね」
「いい結果を期待しているよ!」
「それでは」
津希の開けたドアから、折太郎は急いで出て行った。
この後俺は私設民間傭兵隊を結成し、約束通り魔法通信で『愛洲を守る』とニュースで流した。
更に仙人を出演させ、傭兵隊の強さをアピールした。
中央大陸の中央エリアの国々から多数の反応があり、これである程度は強さをアピールできただろう。
それから間もなく、愛洲の発表も魔法通信で伝えられた。
懸念していた伊集院や有栖川の反応も、他にも多数の国が手を上げた事で、愛洲だけが敵視される事はなかった。
そして結果、目論見通り領土を提供した愛洲が勇者を受け持つというのが一番公平であると判断され、勇者は愛洲が育てる事になった。
まあ育てた所で魔王はもう復活しない。
何処でどんな災厄があるか分からないから、人材育成は無駄にはならないとは思うけどね。
2024年10月3日 言葉を一部修正




