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見た目は一寸《チート》!中身は神《チート》!  作者: 秋華(秋山華道)
中央大陸編
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まずは住民カードを!冒険開始!

気持ちが良い。

とても気持ちがいい。

光り輝く世界の中で、俺はただ眠り続けている。

どうして俺は眠り続けているのだろうか。

そうだ俺、死んだんだった。

それでえぇっと‥‥。

なんか転生する事になったんだよな。

ハッキリとは覚えていないが、なんだかとても気分が良い。

それで俺は‥‥。

目が覚めた。

空が見えた。

雲が流れている。

どうやら俺は青空の下で眠っていたらしい。

「あっ!あの雲おっぱいみたいだ‥‥」

自分の声が何だか変で、一気に意識が覚醒し始めた。

そうだ。

俺は転生したんだ。

つまり今俺は、転生した世界に来ているという事。

ハッとして俺は起き上がった。

「あれ?俺の体、ちぃと小さくなってねぇか?」

俺は自分の手を見て確認した。

今までとまるで違う。

いや、これが俺の手の大きさだ。

なんだ?

記憶が混乱している。

そうか。

前世での記憶と、転生してきたこの世界で生きて来た記憶が、今どうやらデフラグされているようだった。

デフラグ?

そうデフラグとは前世のコンピュータ用語で、記憶データの整理だな。

それが今、俺の脳内で行われいるという事らしい。

なるほど色々と分かってきた。

とりあえず今現在、俺はチートな賢者らしい。

見た目が小さいのは、六歳の頃に竜宮城へ行って、その帰りに玉手箱を貰って、それを開けたら不老不死の呪いにかかったと。

それでそれ以来姿は変わらないが、今の俺は十八歳になっているのか。

「何!?それじゃハーレム作ってもあまり意味なくね?」

いやしかしこの呪いは呪いだから解く事ができるか。

俺自身、この呪いの魔法が使えるようだが、解く事は出来ないらしい。

それともう一つ、姿を変える魔法も使えないようだ。

チートのはずだが、使えない能力もあるのか。

現在理解している魔法の中で使えないのはこの二つだけのようだ。

まるで不老不死である事がマイナスであるかのように。

なんだろうか、俺はこの世界でハーレムを作るのが夢だった気がするし、今もその気持ちが残っている。

つまりこの世界で俺がやるべき事は、この不老不死の呪いを解いてしっかりと成長し、体が十八歳になった所でもう一度不老不死の呪いを自らにかける。

そしてハーレム世界を創るのが俺のやるべき事な気がする。

「その為には‥‥」

俺は異次元収納魔法を使って一つのアイテムを取りだした。

既に記憶の整理(デフラグ)は終わっていて、魔法も使えるようになっていた。

手にあるのは、竜宮城で貰った玉手箱の中にあったものだ。

記憶では『ヤバい腕輪』となっている。

そうそう一度付けてみて、なんか死にそうになったんだ。

あれ以来異次元収納の中に封印してきたが‥‥。

あれ以来?

あれっていつの事だったろう?

こっちでの記憶はどうもハッキリしない所があるな。

知識に関する所は覚えているのに、何時何処で誰と何をしていたのかって所が霧に包まれたようにぼやけている。

両親の顔も思い出せないし、一緒に暮らしていたのはかなり昔なのだろう。

おっと、ヤバい腕輪の事だったな。

「今の俺には邪眼があるから分かるはずなんだよね」

邪眼とは魔眼ともいい、この世界では『全てを見抜く目』という事になっている。

俺の右目は邪眼になっていた。

ちなみに左目は千里眼である。

千里眼は『全てを見通す目』となっていて、一キロから二キロ先にあるモノまで見通す事ができるようになっている。

邪眼で腕輪を調べると、それはクラーケンの腕輪だと分かった。

前世の知識から考えると、おそらくこの腕輪をすればクラーケンの加護が得られて、水魔法やクラーケンの守りが使えるようになるはずだ。

俺は試しに付けてみた。

左腕に通すとサイズがピタリと合う。

するとその瞬間、魔力が吸い取られるような感覚に襲われた。

「確かにヤバい腕輪だ。チートになる前にコレを付けたらトラウマにもなるな。だけど今の俺なら問題ない」

とは言え、チート能力を持った俺がコレを付けている意味はなかった。

クラーケンは、魔獣の頂点と云われるドラゴンよりも上の伝説の魔獣で、魔王クラスの強さを持っている。

でも神クラスに近い俺からすればアリンコみたいなもので、加護を得る必要はないという事だ。

俺は腕からクラーケンの腕輪を外し、異次元へ再び収納した。

俺の呪いを解く鍵は、竜宮城へ行ったあやふやな記憶と、このクラーケンの腕輪という事になる。

不老不死の呪いを解くのが俺の今やるべき目的だとするならば、この辺りから竜宮城を探す事が第一の目標か。

「さてしかし、ここは何処で、何処に竜宮城があるのかまるでわからん」

こちらの世界の設定はある程度記憶にある。

でも俺が何者で何処から来たのかすら分からない。

だから今の俺は十八歳(見た目は六歳)だが、世界の知識と前世の記憶を持った見た目通りの年齢と考えて良さそうだ。

ただそれはこの世界で費やした時間であり、三十九年前世で生きた俺の記憶は丸々残っている。

実年齢は四十五歳から五十七歳と言った所だろうか。

そう表現するのも何か違うような気もするが、まあ深く考えても仕方がないので、この辺りはもう考えるのはよそう。

それよりも、この世界で生きる為に重要なアイテムを、俺はどうやら持っていないようだ。

住民カード。

この世界の町、或いは町に所属している村や農地や牧場に生まれた住人は、生まれて三十日以内に『住民カード』を発行してもらう事になっている。

前世で言えば『マイナンバーカード』のようなものだ。

しかしこちらの方が進んでいて、高機能なスマホやパソコンも一緒になっているような機能が使える。

尤もカードにもランクがあって、そのランクによって使える機能は変わってくるのだが。

簡単に説明すると、生まれた時に発行されるのは『ブロンズカード』だ。

お金を払う事で、或いは冒険者としてのランクを上げる事で、『シルバーカード』『ゴールドカード』『プラチナカード』へとランクアップできる。

更にその上に『ダイヤモンドカード』というのが存在するが、それは『王族の一部』しか持てない。

貴族を含め一般人は、最高でもプラチナカードという事になる。

機能はランクが上がるほど増える事になるが、機能を使うにはお金が必要となる。

その使用料がこの世界での税金となる。

まずブロンズだが、お金を無限に入れられる財布として使える。

カードとカードでお金のやり取りもできるし、相手のカード番号さえわかれば振り込みも可能だ。

財布と銀行カードとクレジットカードが一緒になったような超便利カードである。

ちなみにずっとカードと言っているが、形はスマホよりも少し小さ目のカード電卓のようなものだ。

ガラケーのように真ん中で開いて使う事もでき、最初に言った通り超便利アイテムとなっている。

住民カードの出し入れは自在で、左手で持って魔力を込めれば、手の中に納まって消える。

手の中のカードは僅かな魔力を吸収し続けて機能を保つが、超微量なので気にする必要はない。

手の中にある時に魔力の流れを遮断すると、カードが実態化して掌の上に表れる。

こんな風だから落とす心配はほぼない。

手から離れる事があるとすれば、それは死んだ時か。

魔力が遮断され、死人の左手にはカードが現れ、ある意味それが死を教えてくれるわけだ。

でもそのカードを他人が使う事は基本できない。

それぞれのカードには個人の魔力が登録されていて、本人でしか使えないようになっている。

個体を識別する事が魔力によってできるわけだ。

まあ俺はあらゆる魔力変化能力があるから、その鍵も開けてしまう事ができるんだけどね。

やった事はまだないけど。

話がそれたが、次はシルバー。

ブロンズの機能プラス、アイテムの収納が可能になる。

アイテム数は二十個。

ただし全く同じものは二つ目以降はカウントされないし、魔石は別である。

魔石とは魔物の主に額に付いている宝石のようなものだ。

こういう世界では魔物を倒した時、魔物は消えて魔石だけがドロップしたりするが、この世界では自らそれを回収する必要がありそうだ。

ただ、死んだ魔物は魔石が取れやすくなっているので、引きちぎったりする必要はない。

簡単に取れるようになるので、俺なら自動回収も可能だしそうするつもりだ。

次にゴールドだが、カードを広げてインターネットのような事ができる。

メールも可能で、パソコンやタブレット端末のように使えると考えれば分かりやすい。

そしてプラチナまで行けば、もうだいたい想像できると思うが、通話も可能だ。

尤も、プラチナを持っている人はほとんどおらず、通話ができるのは王族や貴族、大富豪くらいしかいない。

ランクアップ価格が十億円だし、メールができれば十分だと考える人が多いのが理由だ。

通話の使い勝手も悪く、左手にカードを収納した状態だと着歴が残るだけだから、あらかじめ時間を決めて話す必要もあるんだよね。

他にもカードには固定魔法機能など色々あるが、後は使用時にでも説明させてもらおう。

そんなわけで、俺はまず『住民カードを手に入れる』必要がありそうだ。

住民カードを持たない人が手に入れる方法は二つ。

一億円払って正式に作ってもらう方法。

ただし王様や領主によっては作ってもらえない町もあるので、この方法は考えていない。

もう一つは裏取引業者から買う方法だ。

ブロンズカードなら大体一千万円くらいで取引されているとか。

カードの持ち主は、本人の意思があれば譲渡して持ち主を変更する事が可能なのだ。

死にそうな人が遺産を譲渡する為の機能ではあるが、生活の為に売る人もいるんだよね。

普通に考えれは、俺はこの方法で手に入れる事になる。

ただし、もしもどこかで拾ったりできれば、俺は俺のチート能力で勝手に自分を持ち主にもできる訳で、できればそうできたらと考えている。

「つまり、最初にやるべきはカード探しかな」

とはいえカードは、本人の魔力が一年間供給されないと、死亡と判断して使えなくなるようにできている。

だから失くした時は一年以内に再発行してもらうわけだ。

拾うなら、死んだと思われるヤツのカードで、失効直前くらいのが一番良いかもしれない。

或いは死を確認できているヤツ。

「誰かを殺してしまえばいいかもな」

俺は少し悪人のように顔をゆがめてみた。

ちょっとむなしくなった。

異世界に来たとはいえ、元は心穏やかな日本人だった俺だ。

最初から殺す選択肢は一応除外しておく事にした。

「さて、じゃあそろそろ冒険の旅にでも出るかね」

俺はそう思って立ち上がろうとした。

その時ふと、異次元収納しているものの中に知らない物がある事に気が付いた。

どうして気が付いたかすら分からないが、俺はそれを取りだして見た。

一枚の写真だった。

ピンボケしていて何が写っているのかよく分からない。

何となく、男性と女性が腕を組んでいる姿のように見えた。

「誰だろう‥‥」

ハッキリとは分からないが、なんとなく大切なモノのような気がした。

「気になるな」

俺はそんな感情を抱きながらそれを再び異次元に収納した。

「よし!俺の旅の目標は三つだ。まずは住民カードを手に入れる。どうせならプラチナカードだな。そして不老不死の呪いを解く為に竜宮城を探す。そしてこの写真が何か思い出す」

これらを達成した後にハーレム創りだ。

俺は立ち上がった。

やたらと目線が低い。

そうだった。

俺は六歳の子供の姿だったのだ。

しかも体は汚く、服装はボロボロの何か。

獣の皮を剥いで腰に巻いてるだけな感じ。

流石にこんな格好は嫌だな。

とりあえず俺は魔法で体を綺麗にした。

そして色々な常態魔法を自分にかけていった。

トイレに行ったりするのも面倒だし、汗をかいたり寒さに震えるのも嫌だ。

状態異常の毒や麻痺などあらゆるものに耐性はあった方がいいだろう。

思いつく限り俺は魔法で自分をパワーアップしていった。

「後は、とりあえず服装だな」

この世界の魔法は、魔力で何かを作る事はできても、魔力がなくなれば消えてしまう。

無から何かを生み出す事はできないのだ。

何を作るにも必要な素材というモノがある。

例えば人間の傷を修復するには、体を構成する物質が必要になってくる。

服を作るには、必要な素材が必要なのだ。

何かをする時、どんな素材が必要になるか分からない。

俺は今この場所にある砂や岩、雑草や空気まであらゆるものを集めて異次元へ収納していった。

「これでは服は作れないな。魔物か動物を倒して集めておきたいな」

俺はそんな事を思いながら、とりあえず西へ向かって歩き出した。

太陽を背に歩くのは縁起がいいからね。

急ぐ事はしなかった。

別に何も慌てる理由はない。

のんびり行こう。

こうして俺の冒険は始まった。

2024年9月30日 言葉のおかしい所を数ヶ所修正

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