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見た目は一寸《チート》!中身は神《チート》!  作者: 秋華(秋山華道)
暗黒界編
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情報戦の決着と混沌除ノ異子再び

『おまえらよく考えろ。急に亜人種の犯罪が増えるのおかしいだろうがwこれは此花を貶める為に誰かがやらせてるんだろ?』

『確かにな。それに此花領内では問題は何一つ起こっていないって話だ。仮に犯罪が普通に起こっているとしても、それは領主の統治能力の無さかもしれんぞ』

『犯人とされる者の情報が出てきていないのも不思議だ。全員殺されたという話もある。或いはこの工作をしている奴らに捕まっているか匿われているか』

アルカディアの工作のおかげで、ネット上の論調は少しずつ変化を見せ始めていた。

人外の者たちの犯罪は本当に増えているのか?

疑問視する声は日に日に大きくなっていった。

だけどまだそれをハッキリとさせる事実は出てきておらず、此花や亜人種を非難する声は収まる気配を見せていない。

「魔人の盗賊に関しては、大魔王も調べてくれている」

「このままだと早乙女さんも心穏やではないでしょうね」

「ミケコちゃんが追ってる犯罪者は、おそらく本当に殺されているのでしょう。そして生きている者がいたとしても、それは本当の犯罪者である可能性が高いです」

金で犯罪をさせてから捕まえて殺す、か。

或いはその場で殺された話もある。

その辺りを調べてみるしかないよな。

このままだと此花と亜人種は世界の悪者となり、せっかく協力してくれている伊集院も敵になりかねない。

伊集院もオーガを嫌っていた過去があるからな。

流石に全世界が敵になるとは思わないけれど、少なくとも商人ギルドの覇権争いでは負けるだろう。

まだ今の所は市井の民まで話が広がっていないし、その間になんとか論調を五分くらいにはしたい所だ。

とにかく今は全力でできる事をする。

みんなが力を合わせて頑張っていた。


その頃本人の俺は、暗黒界でとんでもない奴に遭遇していた。

「みんな下がれ!混沌除ノ異子だ!絶対に奴の魔力にのまれるな!正直どうなるか分からんぞ!」

「あれが混沌除ノ異子なのじゃな。確かに危険そうじゃ。わらわは下がっておるのじゃ」

「ははははは!いいぞ!これは強そうだ!」

「あわわわわ‥‥あたしは怖いのだ。アレは関わっちゃダメな奴なのだ」

「策也タマ!任せるのさ。私たちじゃ倒せないのさ」

(プルプルプル‥‥)

妖凛は振るえて俺の腕にしがみついたままだ。

アレに立ち向かおうとするのは賢神だけだな。

俺でもあまり関わりたくはない。

だが、あの時よりも俺も強くなっているんだよな。

今なら勝てる。

というかあの時も別に負けてなかったけどね。

「簡単じゃないか!」

えっ?混沌除ノ異子の言葉がハッキリと変わっているぞ?

「おお!これはヤバいな。食らったらあの世行きな気がするぞ!」

「前よりも威力が上がっている?」

俺は前に使った能力を試してみた。

「コントンジョノイコ!」

俺の魔力が混沌除ノ異子を包む。

そして次の瞬間、混沌除ノ異子を消滅させたように見えた。

「やったか?」

しかし混沌除ノ異子はすぐにその場所に姿を現した。

この能力、此処じゃ使えねぇ!

これは暗黒界に飛ばすもののようだ。

賢神は刀で斬りかかった。

傷はつけられるものの、ダメージを与えられている手応えは感じられない。

「なかなか強いぞ。でも傷がつけられるのなら、何時かは必ず倒せようぞ」

確かに賢神の言う通りはではあるけれど、少しでもミスって奴の能力に捕まったら死ぬ。

全く気が抜けない戦いはリスクが高い。

「簡単じゃないか!」

混沌除ノ異子の魔力がそこにいた鹿を襲った。

鹿は消滅し、魂だけが残った。

更に次の瞬間、魂も何処かに飛ばされたようだった。

この能力は『コントンジョノイコ』とは違って確実にヤバい。

でもこの能力をコピーすれば倒せるのではないか?

とりあえず能力はコピーした。

使えば倒せそうな気がする。

でも魂が何処かに飛ばされているようだし、妖凛に食べさせる事もできない。

なんとか普通に倒せないものだろうか。

それにしても賢神は凄いな。

あの時の俺よりも魔力が上とは言え、能力満載の俺と同じくらいのスピードで動けている。

伊達に三十年戦い続けてきた訳じゃない。

経験値が圧倒的だな。

とはいえやはりこのままではミスもあるだろう。

早いうちに攻略しなければ。

何か、何か倒す方法はないか。

「少し妖凛離れていてくれ」

妖凛に腕を掴まれたままじゃ動きづらい。

少し不満そうだったが、妖凛は俺の腕から離れて後ろへと下がった。

ちょっとぶちかましてみるか。

「エア神通力!で動きを押さえ込み、酸の放出!エーンド!レッドブルーライトニング!からのぉ~!リア充爆発しろ(シネ)!」

これだけやれば行けるか?

いやまだ仕留めきれない。

直ぐに混沌除ノ異子は体の再生を始めている。

そこに賢神が槍で猛攻を仕掛ける。

「策也!何か決め手は無いのか?!」

決め手はさっき仕入れたけど、勿体ないしなぁ。

あ、アレやってみるか。

「やってみるから下がってくれ!」

「承知した」

賢神が下がるのを確認してから、俺は高速移動で混沌除ノ異子の背後をとって覆いかぶさった。

妖凛の能力で、俺はアメーバ状になって混沌除ノ異子を吸収する。

完全に包んだ。

どうやら混沌除ノ異子も、自らと一緒には能力を使わないようだ。

徐々に混沌除ノ異子が弱ってゆく。

もがいて逃げようとするが、今の俺はあの時よりも強くなっているのだよ。

逃がす訳もない。

ほどなくして俺は混沌除ノ異子を吸収し終えた。

俺は元の姿に戻った。

「ふぅ~‥‥混沌除ノ異子、ゲットだぜ!」

魂も確実に手に入れておいた。

妖凛が俺の腕を取りやたらと嬉しそうな笑顔を見せた。

仲間だと思ってくれたのかな。

いやしかし、実際に吸収の能力を使ってみて思いました。

ぶっちゃけあんまり使いたくねぇ。

俺はとりあえず笑顔を作っておいた。

それにしてもこの能力、自分で使ってみてもやっぱりヤバいよ。

相手の能力を取り込むって、強くなりすぎるな。

そしてこれ、少しだけど意思も取り込まれる。

つまりあまり食い過ぎると、人格に影響が出てくる可能性もある。

俺が使う場合は相手を選ばないとヤバいかもしれない。

幸い混沌除ノ異子に意志はほとんどない。

有るのは役割を全うする意思だけだ。

食って分かったんだけど、混沌除ノ異子は魂を集める存在の内の一形態のようだ。

つまり魔界で言う死神や火車の仲間。

そしておばけや幽霊、デイダラボッチと同系統の者。

暗黒界で混沌除ノ異子にやられた者は、死んでから魂だけ特定の場所へと飛ばされるみたいだね。

デススペルと魂転送が合わさった能力という事になるか。

しかもデススペルと違って、食らえばおそらく確実に死ぬ。

不老不死でも魂が飛ばされてどうなるのか分からない。

タナトスみたいな奴もいるのだからマジ油断できないよ。

「策也タマ?ゾンビは美味しかったのさ?」

「その能力、よく使う気になったの」

思い出したら吐きそうになるからやめてくれ。

でも妖凛もいるから嫌な顔はできないよな。

「味は無かったな。この能力を使ったのは、これが一番いいと思ったからだよ。一度使って使い勝手も分かったし、いざって時の為だ」

こんな風に平然と言っておけば大丈夫だろう。

うえっ‥‥。

なんか気分悪くなってきたわ。

それでも俺は、妖凛の前では平静を装い続けるしかなかった。


こんな風に本体の俺が混沌除ノ異子を倒した頃、人間界では伊集院が亜人種の犯罪の件で発表を行っていた。

『私は伊集院所属の騎士団の隊長だ。さきほど現在の九頭竜領ミジョカの町に行っていたのだが、そこでオーガが少し暴れている所に遭遇した。警護兵がそのオーガを殺そうとしていたのだが、やり過ぎだと思いそれを止め両者を捕らえた。事情を聴いた所、どうやら両者ともそのように依頼を受けていたらしい。この所亜人種の犯罪が急激に増えているが、そういう事だったのではないだろうか?』

これはありがたい。

俺たちだけではなかなか尻尾を掴めなかったが、流石は伊集院こういう時はやってくれる。

ちゃんと映像もある事から、記者が現場に遭遇して隊長に伝えたのだろう。

隊長のその後の話を聞くに、オーガは前金として二百万円貰っていたとか。

やり遂げた後には、一千万円の報酬が振り込まれる予定だったらしい。

一方警備兵は、亜人種の犯罪者を殺せば特別報酬を出すと上から言われていたとか。

つまり、証言が正しければ九頭竜のヤラセという訳だ。

そして最後にはこう締めくくった。

『犯罪者が殺される事案がここ数日激増している。ほとんどが人外の者たちばかりだ。賢明な者ならもう分かるだろう。これは人間と亜人種の対立を煽る工作。或いは此花策也を陥れる為に行われている』

転生前の世界でも似たような事があったよなぁ。

黒人の犯罪者を白人警察官が射殺して問題が大きくなるような話。

あの国じゃ犯罪者が射殺されるなんて珍しくもないけれど、騒ぐ事で対立を煽っていたようにも見えたよ。

とにかくこれで風向きが変わるかもしれない。

伊集院の報道は一応信頼されてきたからな。

転生前の世界ではテレビの信頼は厚かった。

インターネットの普及でテレビにも間違いはあると多くが理解したが、それでも信頼されるメディアの一番は変わらなかった。

伊集院の報道は今もやはり一番なのだ。

味方になればなんと心強い事よ。

この直後、俺の期待は更に加速する。

発表は魔人王国ドサンコの王になった、元セバスチャンの大魔王だった。

『俺はドサンコの魔王だ。魔人の盗賊がいるというのは不名誉極まりない。だから我々で捕らえさせてもらった。事情を聞けば誰かに依頼されたそうだ。我々を貶める為にこのような依頼をする者を俺は許さない。見つけ次第排除する』

流石大魔王だな。

魔人の汚名は自ら返上するか。

そして更に、ミケコから本人の俺に連絡が入った。

『兄上様!人外の者の犯罪を追っておりましたら、以前探していた「蘭堂梨衣」を見つけましたので捕らえておきました』

『おお!でかしたミケコ!流石我が妹よ!』

蘭堂梨衣と言えば以前ブレイブの爆発に関与したと思われる女だ。

まさかこんな所で捕まえられるとはな。

『いかがいたしましょう』

『とりあえず神武国の牢獄に送っておいてくれ』

『了解しました』

こいつは自分で尋問したかったな。

別に大帝でも一緒って言えばそうなんだけどね。


そんな訳で大帝である俺が神武国の牢獄へとやってきた。

姿は此花策也へと変化している。

「梨衣、探したぞ。ブレイブの町を爆破した容疑者だからな」

「知らないわよ」

「残念ながらお前が馬車の運送業者に頼んでいる映像が残っているんだよな」

「‥‥」

「話す気がなさそうだし、やっぱり記憶に聞くか」

俺は蝙蝠型エアゴーレムを召喚した。

ちなみに大帝でも策也の能力のほとんど全てが使える。

違いがあるとすれば、バクゥの能力だけが使えない事くらいだ。

召喚した蝙蝠が、梨衣から記憶を奪う。

すると俺の頭に記憶が流れ込んできた。

正直あまり見たくない記憶だったな。

なるべく記憶は必要な所だけを見るようにしているが、どうしても一緒に不要な所も見る事になる。

まさか兎束に助けられ、兎束の為に働いていたとは。

悪役はずっと悪役であった方が対応しやすいんだけど、俺はこれで兎束豊来を敵視しにくくなるじゃないか。

俺はエア蝙蝠を解除して記憶を戻した。

どうやら梨衣は孤児で、子供の頃はかなり辛い毎日を送っていたようだ。

それを助けたのが豊来だった。

そこから豊来の為に梨衣は勉強し、豊来の片腕になれるまでに成長した。

以後豊来の、いや有栖川の頭脳として国を支えてきたようだ。

今では豊来ではなく有栖川の駒として動いている。

豊来はそれに反対したようだが、梨衣が望んで今の仕事をしているとか。

世の中には、完全な善人も悪人もいない。

みんないい所もあれば悪い所もある。

梨衣は豊来の為に悪役を買っている訳だが、俺にはそれを否定する事ができないよ。

「事情は分かった。必要な所は記憶の映像を公開させてもらう。その後の事は追々考えるよ」

「記憶を見たの?そんな事したら‥‥死んだ方が良かったんだわ」

梨衣は自ら頭を床へと叩きつけた。

「無駄だよ。俺はお前を簡単に蘇生できるからな。ここは二十四時間監視され、死んでもすぐに蘇生される。本当はお前なんて拷問して殺してやりたかったよ。こっちは仲間が殺されたんだからな」

悪いな天照兄弟。

お前たちの復讐は有栖川を倒すまではお預けになりそうだ。

ただ、梨衣の記憶にも有栖川の姿は無かったんだよな。

どんだけ有栖川は慎重なんだよ。

俺は牢獄から出てガゼボへと戻った。

此花策也の容姿に変化たまま映像もアップする。

梨衣は人外の者に犯罪を頼んだり、その後の処理も含めて指示を出している中心人物だった。

その時の映像は全て梨衣目線な訳だが、記憶からの映像という事も隠さずに公開した。

梨衣の個人情報も、本人の映像も、有栖川に仕えるまでも全てを公開して隠さなかった。

梨衣は酷い事をしたけれど、情状酌量の余地がある事を知ってもらいたかったから。

俺も変な事をしているな。

知ってしまったら、知らなかったでは済まされないのだよ。

『俺は蘭堂梨衣の記憶を覗かせてもらった。それを映像にしてネットにアップしている。見てもらえば分かるが、この女が有栖川の命を受けて亜人種に犯罪を依頼していたのだ。更に驚くべき事に、ブレイブの町の爆破をやらせたのもこの女の指示である。弁解があるなら聞きたいものだ』

さて、これでどうなるだろうか。

記憶の映像と言って、何処まで信じてもらえるかがポイントとなるのかな。

それに結局有栖川の王族は誰も記憶の中には無い訳だし、命令書は兎束豊来から受け取っている。

その辺りにも不安はあった。

しばらくして有栖川は声明をネットにアップしてきた。

有栖川の反論は予想通りだった。

『我々はただ兎束豊来に商人ギルドの戦略を任せていただけだ。何をするのか、何を命令するのかを決めたは兎束豊来なのだ。今回の件に関して有栖川は一切関与してない』

そしてすぐに兎束豊来も声明を上げてきた。

『有栖川の発表通り、わしが勝手にやった事だ。有栖川の名に泥を塗るような行為をしてしまった事を、わしは全力で謝罪したい』

全て兎束豊来のせいにしてきたか。

これで一応、亜人種たちを貶め此花策也を孤立させようとした事に関しては認めたと言っていいだろう。

それにしても豊来はよく罪を被る気になったな。

ただ映像を見れば、豊来がその命令書を梨衣に渡している訳だが、表情からあまり気乗りしない命令内容であった事はハッキリと分かるだろう。

多くが有栖川の嘘を確信しているはずだ。

それでも豊来本人が自白している訳だから、これが表向きは真実となる。

なんにせよ亜人種の犯罪増加は嘘だという結論に達し、俺たちにとっては最高の対応ができたと言っていいだろう。

だからと言って世論が逆転するかと言えばそうではなかった。

人は事実か事実でないか、真実か真実でないかだけで物事を判断はしない。

感情や面子、損得で判断する事の方が多いのだ。

『今回は有栖川や九頭竜のヤラセだったかもしれないが、実際人外の者の犯罪率は高いだろ?』

これは事実だが、まだまだ隠れ里に住むオーガもいるし、黒死鳥まで含められたそりゃそうなるわ。

ものは言いようで、こう言われたら普通に町での犯罪が圧倒的に多いように感じる。

実際の数字は微妙に多い程度なんだけどさ。

下手に反論すると、なまじ言ってる事は正しいから手に負えない。

『俺はどっちにしても亜人種と一緒に暮らすのは嫌なんだよ。ツノや耳を隠せば人間の町に入れる所も多いけどさ、そういうのがあるのはどうしてか考えてもらいたいよ。ぶっちゃけ全ての町で人外の者が入るのを禁止してもらいたいね』

自分たちと違う者に恐怖を覚えるのは人間の本能だ。

特に子供は正直で、ツノを見れば泣き出す事もある。

それを変えるのには、長い年月が必要になるだろう。

だから今はちゃんと住み分けも行っているし、一緒に暮らしたい者だけが暮らせる環境を作ってるんだろうが。

ツノや耳を隠したら人間の町に入れる世界ルールも、世界ルールのリセットで今はもうない。

町ごとに決める事ができるんだから好きにすればいいじゃないか。

どうして他の町にも求めるようなヤツがいるんだろうな。

尤も亜人種の出入りすら禁止すれば、経済活動にはそれなりにマイナスになる事を知っているんだろう。

みんなで町に入る事を禁止すれば、自分の町だけ不利益を受けなくて済む。

その為に他所にも求めて来るわけだ。

『結局此花策也がいらんことをしたって事だろ?「もう一度人間だけの町にした方がいい」って、これは有栖川のメッセージだったのかもしれん。俺は有栖川を推すぞ』

こういったネットのコメント。

俺も全ては否定しないよ。

実際にやってみて問題点も多く見えてきたからな。

だからと言って未来永劫人外の者と敵対する事を望むのか?

ゆっくり千年でも一万年でもかけていいから、俺はみんなが仲良く暮らせる世界を作りたいんだよ。

まあこうやって発言している者の中には、『一度発言した手前撤回できない』って奴もいるのだろうな。

だから有栖川の戦略は一定数効果が残る事にはなる。

結局世間の論調は、有栖川を推す声と批判する声が半々となっていた。

そして当然此花策也を批判する声も半分残る事になる。

なのに此花策也を推す声はほとんど無い状況。

この情報戦は、人々の感情を公にさらした時点で俺の負けは確定していたようだ。

ただ最悪は回避できたし、ちゃんと有栖川を非難する層を取り込めれば十分勝算はある。

何故なら、人間の論調は真っ二つに分かれたが、人外国は俺の味方だからだ。

それに衣服の流通も、スバル産のシャンプーなんかも、商人ギルド連合で自由に流通させる事が可能になっている。

更にどこまで落ち込むか分からないけれど、農作物への影響が出てくれば俺たちの勝利は堅い。

全体的にはまだまだ俺たちが有利だ。

となるとまた、有栖川や九頭竜なら何かしてくるんだろうな。

こうしてとりあえず、この問題は一応の決着がついたのだった。

2024年10月11日 言葉を一部修正

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