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180度、変わった世界。でも、わたしはわたしを貫いた。

作者: 鵜飼ヒロキ(こめだわら)

 2019年8月、わたしは、大好きなプロ野球球団の『名古屋リュウジンズ』の試合を観ていた。

 リュウジンズは、地元名古屋の球団で、大好きな球団。

 わたしは大学生で、バイトを掛け持ちしていて、バイト代は、もちろんリュウジンズグッズを買った。

 あぁ、幸せ。

 わたしは、リュウジンズファンのみんなと、ナゴヤVドームに居るみんなと、一緒に応援歌を歌った。

 幸せ。とても、幸せ。

 野球の試合が見れなくなったら、応援歌が歌えなくなったら、わたしは生きがいを失うな。


 2020年3月、

 ……最悪の事態が実現しちゃうなんて。

 そう、謎の新型ウイルスが、世界中に広まって、不要不急の外出自粛、日本全国の緊急事態宣言、全国の学校の一斉休校、マスクの着用の義務化、

 当たり前にしていたことが、一気にできなくなった。

 こんな規制が多い中で、プロ野球が開幕したり、球場に行けたりするわけもなく、日々退屈な日常を送っていた。

 大学はオンラインで、友達とは、電話でしか会えなくなった。

 バイトも、飲食店のため、休業を余儀なくされた。

 正直、わたしは鬱になりかける。


 ……でも、そんな時、ある記事を見つける。

『プロ野球、緊急事態宣言解除により、6月から無観客でついに開幕!』

 遂に、救いの神が舞い降りる。

 もちろん、無観客でテレビ越しだけど、わたしは、テレビの前で一生懸命応援する。


 そしてさらに、

『7月10日より、有観客(制限あり)で、試合開催』

 そう、遂に観客が入れるまでになったの。

 ただ、応援歌を歌ったり、知らない人とハイタッチしたりはできないけどね。

 わたしは、即チケットを取ったの。

 当日、久しぶりね。

 ナゴヤVドームに足を踏み入れる。

 検温と消毒を済ませた。

 席は、2席間隔を空けて座る。

 ソーシャルディスタンスだね。

 試合が始まった。

 手を叩いて拍手することしかできないけど、応援は応援よ。

 試合は、両球団譲らず、0対0のまま延長戦へ。新型ウイルスの影響で、本来延長戦は12回までのところ、10回まで。

 つまり、1イニングで決めないといけないの。

 10回表、相手球団は無得点。

 この時点で、引き分け以上は確定。

 でも、有観客試合初戦、サヨナラ勝ちで気持ちよく締めたい。

 2アウトランナーなし。バッターは、わたしのいちばんの推しの、マイク・クルーズ選手。

 繋いで、お願い!

「カン!」

 やったー!!

 打った瞬間確信したわ。

 そのまま、ボールはスタンドに吸い込まれた。

 サヨナラホームランだ。

 あまり声は出せないけど、わたしは心の中でたくさん喜んだ。

 やっぱ、観客の力ってすごい!


 そして、新型ウイルスは、その後、波のように、感染者が増えたり減ったりしたの。

 野球観戦は、徐々にルールが緩和されていき、応援団復活、応援歌の復活(音源のみ)、観客の人数制限の緩和など、本来の生活に戻ってきたの。


 2021年と2022年、わたしは新型ウイルスと生活を共にした。

 2020年に新型ウイルスが流行り始めた頃は、ウイルスに負けるな! と思っていた。

 でも今は、共存し合わなきゃいけないものと思っているの。

 新型ウイルスは、終わらない。

 だからこそ、新型ウイルスと共に過ごし、少しずつ、少しずつ、今の時代に適応しなきゃいけない。

 わたしは、そう思っているの。

 そうすれば、いつの日か、新型ウイルスも収束する。終息ではなく、収束するわ。


 そう思い、過ごしてきた。

 2023年になり、

 遂に、その時がきたよ!

 プロ野球は、声出し応援が可能になった。

 やっと、やっとだね。

 ……また、球場で盛り上がれるね。

 もうすぐ、きっと。

 読んでいただきありがとうございます!

 今回は、コロナ禍を舞台にした話を書きました。

 僕も、最初の緊急事態宣言の頃は、イライラしてました。

 家族と居る時間が増えて、たくさん喧嘩しました。

 だけど、段々と生活に慣れていき、受け入れることができました。

 最初の頃は、世界がどうなってしまうのかと思いましたが、徐々に何気ない日常に戻ってきましたね。

 この何気ない日常にマジで感謝です!

 よろしければ、感想、評価、いいねなど、お願いします。

 ではでは。

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― 新着の感想 ―
[一言]  深く同意です。ちょっと読んでて涙ぐみました。あのコロナ前の日常にもかけがえのないものがあったのだということですよね。  私はコンサートでこれから思いっきり声を出そうと、発声練習を始めたとこ…
[一言] レビューを書かせていただきました! 野球好きの自分としては、応援が出来ないことがどれだけ辛いことかよくわかります。 「声をあげて応援」 楽しみですね!
[良い点] プロ野球いいですよね
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