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嘘つき英雄と嘘の妹 ~リメイク版~  作者: 野良犬タロ
プロテア編
52/72

#51 襲来


~とある冒険者 エルマの町~


「ッあ~! 仕事ねぇなぁ・・・!」

 ギルドの団らん用のテーブルに足を掛け、背もたれにもたれかかりながら愚痴をこぼす。

「まぁ仕方ねぇって・・・うちらの町、地理的に冒険者の仕事向いてねぇもん!」

「分ぁかってるっつの! んなこたぁ。」

 相棒に嚙みつきかかるが言うことはご尤もだ。

 俺たちがいるエルマの町は冒険者として商売がしにくい場所だからだ。

 町の北が丁度国境の境目で、北の国、アステリオンは凶暴な魔物もいる上、略奪を好む蛮族の獣人が居る恐ろしい国。

 これだけ聞けば逆に冒険者の仕事は暇をしないと思うだろうが、そんな状況だからこそ国が目を光らせているわけだ。

 つまり国境の関所、国に侵攻を許すまいと騎士たちが日夜厳重に警備をしている。

 その騎士たちが良い仕事をしているわけで、この町にその凶暴な魔物やら獣人やらが流れてくる事もなく、こうして町は平和、逆に言えばその平和が脅かされる状況で飯を食っている冒険者(おれたち)からすれば商売上がったりで迷惑してるって寸法さ。



『ぶぇぇッふぇッふぇッふぇッ!! じゃァから『冒険者』なんて『ごっこ遊び』じゃって言ったんじゃぁ! ええ加減遊んどらんとわしの仕事を

「だぁもうッ!」



 調子に乗って今の現状に託つけて牧場仕事を継がせようとする親父の声が聞こえてくる気がする!!

 ふざけんじゃねぇ!

 自分(てめぇ)の子供(ガキ)の夢を否定するばっかりで他人の将来束縛しまくる傲慢親父が!!

 てめぇのその『親なら何言っても許される』と思ってる態度が昔から気に入らなかったから家を出たんだ!!

「おい、どうした?」

「何でもねぇよ・・・!」

 荒れてる俺にどうしたものかと相棒が声をかけてくる。

「・・・。」

 相棒は目を逸らしながらため息をつく。

「なんだよ。」

「そろそろ拠点変えようと思うんだよ、俺。」

「なんだよ、この街出るのか?」

「仕方ねぇだろ? 魔物の討伐の依頼なんてこんな街じゃあるわけないし



「大変だぁッ!!!」

「!」



 突然ギルドの入り口のドアを蹴破るかのように乱暴に開けて入ってくる奴がいた!

 冒険者でもギルドの職員でもない、ただの一般人の男だ。

「どうしました!!?」

 ギルドの職員の女が男に駆け寄る。

「へッ!」

 俺はその瞬間に察した!

「なんだなんだぁ!?」

 相棒も笑いながら立ち上がる。

 どうやら俺と同じ考えみたいだ。

「まだまだ俺達もこの町にやり残したこと・・・あるみたいだな!」

「そうだな!」

 俺たちは同時に立ち上がった。



~ギャバラ 診療所~


「んッ・・・んん・・・?」

 何だ一体???

 何やらけたたましい音がする。

 目覚まし時計の音か??

 全くどこのバカだ!

「・・・。」

 まだ朝の薄暗い時間じゃねぇか!

 付き合ってられかよ、二度寝二度寝!



「んんッ・・・!」



 眩しい・・・。

 日もだいぶ登ってきて『ザ・朝!!』って感じだな!

 そろそろ起きよっと!

「ふわぁ~~ぅぁ・・・。」

 正直まだめちゃくちゃ眠いが渋々部屋から出て診療所のリビングに出る。

 そういや姐さんの怪我もだいぶ治ってきたよな。

 一週間だけど結構治り早いよな姐さんって。

 そんなことを考えながら部屋に出るが・・・。



「・・・ん? あれ?」



 部屋を見渡すと誰も居ない。

「兄貴? 姐さん?」

 兄貴と姐さんのことを呼ぶが返事が帰ってくる気配もない。

 出かけてんのかな??

「おう、起きたか。寝坊助。」

 背後から声がしてきたのでそっちを向くとムクロさんがいた。

「ムクロさん? 兄貴と姐さんは?」

 ムクロさんに何か知らないか聞くと・・・。

「ああ、あいつらか? 起きたらこんな置手紙があってな?」

「え?」



 置(・)手(・)紙(・)???




~ウルド ???~


「ぐぅ・・・すかぁ・・・。」

「ったく・・・。」

「間抜けな寝顔~♪」

 目の前の馬車の荷台の中で体を折りたたみながらスヤスヤ眠っているメロを眺めながら呆れる。



―――二時間前。


「・・・よし。」

 診療所の玄関前の部屋で俺は荷物を纏めたあと、地図を広げて眺める。

「ルヴァーナ(ここ)から『エルガイム』か・・・しんどいな。」

 目的地は聖堂協会の本部。

 そこがある国がエルガイムだ。

 だがこの国に行くまでの道のりがかなりしんどい。

 ルヴァーナが大陸の若干南辺りにあるのに対し、エルガイムは最北端に近い辺りにある。

 いや、それなら単純に距離が遠いってだけだ。

 馬車で何日でも何ヶ月でも進めばいいってオチだ。

 だが本当にしんどいのはそこじゃない。



「エルガイムに行くにはまず二つの国を跨がないといけませ~ん!」



 ルタが背後からぴょこっとはみ出すように右から出てきて顔の横でダブルピースしながら話しかけてくる。

「『アステリオン』とぉ? 『アークヴォルグ』の二つの国です!」

 背後に隠れると今度は左側から顔を出し、人差し指と中指を順番に立てるルタ。

「しかもこの二つの国ぃ? それぞれがかな~り厄介!」

 また体を引っ込めて右から顔を出し、今度は二本指を額に当てながらジト目で語るルタ。

「まず最初に通る『アステリオン』! 獣人だらけの国だけどぉ? 私たち只人(ヒューム)の常識が全く通じない略奪虐殺な~んでもござれの『蛮族の国』! あ~恐ろしい!」

 また左にポジションを変えるとルタは人差し指を振りながら神妙な顔で長々と語り、最後に 両腕を胴体に巻き付けながらわざとらしく怖がる。

「しかもそこを抜ければ待っているのはぁ~? 私たちが今いるこの『ルヴァーナ』を目の敵にしてる魔導士大国『アークヴォルグ』!」

 うざい女はまた右にポジションを変え、鬼の角のように人差し指を額の両サイドに当て、でこれまたわざとらしい怒り顔で心にもない威嚇をする。

「私たちがルヴァーナの人間だと知れればあ~ら大変! 雨の代わりに槍が降りぃ~? 風の代わりに魔法が飛んでくるデンジャラスゾーン☆」

「説明ご苦労、そろそろウザいからどっか行け。」

 両頬に手を当てて如何にも『怖~い』と言いたげなポーズをとるアホ女を軽くあしらうように言葉で追い払う。

「道のりは困難! 果たして美少女妹ルタちゃんとシスコンお兄ちゃんの運命やいかに!」

「ノリノリで楽しんでんじゃねぇよイカレ変態女。あと俺は『シスコン』じゃねぇ、勝手に捏造すんな。殴るぞ?」

「ぶって♡」

「キメェんだよいちいち。」

 相変わらずイカレ変態女の気持ち悪い反応に内心鳥肌が立ちながらもなんとかすまし顔で悪態をつく。

「それよりいいの?」

「あ?」



「本当にメロ、置いてくの?」



「・・・ああ。」

 ルタの質問に少し間を置いたが返す。

「可哀想だなぁ~メロ♪」

 心にもない事言いやがってこのイカれ女が・・・。

「当然だろ。『代わりの師匠探してやる』って約束はしたが、正体がバレた以上、約束通り代わりを見つけようがあいつは是が非でも俺について来ようとする。」

「お優しいねぇ~お兄ちゃんは♪ 危険が及ばないように遠ざけるなんて♪」

「うるせぇ。」

 ムカつくがルタの言っていることは的を得ている。

 出来ればメロとの約束は守ってやりたい。

 だがそれはあくまであいつに危機が及ばないのが大前提だ。

 あいつ自身が死んだらそもそも約束以前の問題だからな。

「そろそろ行くぞ。」

 ムクロさんには悪いが、一応行先は教えてないが書置きは残しといたし、あいつにもうまく説明してくれるだ



「「!!!??」」

 突然ジリリリリリリとけたたましい音が聞こえてきた!!



「な、なんだ!?」

 二階からだ!

 音からして目覚まし時計か!?

「・・・?」

 音は何重も響くものだったが段々少しずつ減っていき、やがて聞こえなくなる。

「お? おぉ!?」

 かと思ったらドンドンドンと派手に足音が聞こえてくる!

 まるで走ってるかのような短い間隔でだ!



「師匠ッ!!!!」

「ッ!!?」



 ドアをバンッと派手に開いたかと思うとメロが現れた!!

 しかも・・・。

「おま・・・その恰好・・・!」

 こいつ、寝間着姿どころか、しっかり服もすぐに出られるように準備してやがった!

「何度も私を出し抜けると思ったら大間違いなのです!」

「ったく・・・。」

「よく『今日出る』って分かったね!」

 居丈高に語るメロにうんざりする俺の横でルタはわざとらしく関心そうな声を上げる。

「ルタの包帯やガーゼが取れてる辺りから怪しいと思ってたのです! だから昨日の夜・・・!」

 語りながらメロはゴソゴソと自分の肩に掛けているカバンをゴソゴソと漁り・・・。



「目覚まし時計を五個もセットしてたのです!!」

 ドヤ顔で使っていたと思われる目覚まし時計を三個も取り出して見せつけてきた。



 だが・・・。

「アヒル、猫、ウサギ・・・。」

 どれも丸っこく可愛らしい形で子供向けのデザインだ。

「で、デザインは今良いじゃないですかッ!!」

「もう二つは『牛さん』と『ブタさん』かな?」

「黙れですッ!!」

 水を差されて慌てるメロを更にいらんこと言ってルタは煽る。

 いや、ちょっと待て?

「おい、ギャバラどうした?」

「へ?」

 あれだけけたたましい音を立てたのに降りてくる気配もない。

「もしかして寝てる?」

 階段の下まで行って上を覗くルタ。

「・・・みたいだな。」

 続いて俺もその横で覗き込む。

「・・・ですね。」



「「「・・・。」」」

 俺たちは揃いに揃って頷いた。




―――で、現在。


 お察しの通り、ギャバラは置いてきた。

 で、今俺たちはルタが俺たちがムクロさんの診療所に滞在している間、ひそかに手配していた騎士が使っている馬車に乗せてもらいながらアステリオンの国境に向かっていた。

 そんで今メロが寝ているのはもともと朝が弱かったせいなんだろう。

 馬車に乗って少しするとすぐウトウトしだして眠ってしまったって所だ。

「無理して起きてくんじゃねぇよ・・・ったく。」

「まぁまぁ! これからアステリオンに行くんだよ! お楽しみの前に少し休んどいた方がいいって♪」

「能天気だなお前は。何が『お楽しみ』だ。」

「ほ~んと、お兄ちゃんって何事にも悲観的って言うか、マジメすぎるよね~♪ もっとポジティブに考えた方が人生楽しいよ?」

「何をどう考えたらこの『これから蛮族の国に行きます~』って状況を楽しめるんだよ。」

「例えば~! その蛮族って『獣人』じゃない?」

「それがどうした。」

「『獣人』だよ? 『獣人』! モフモフ尻尾にぴょこぴょこしたケモ耳! たまんないでしょ!」

「そんなもの堪能する余裕がどこにある。眺めてる間にボコボコにされて身ぐるみ剥がされるのがオチだろが。」

「あ、でも~! お兄ちゃんはペット間に合ってるもんね♪」

「は?」

「ここにいるもんね♪」

 言いながらルタは両手で自分の顔を指さす。

「・・・・・・『ペット』?」

 未だに頭の整理が追い付かない。



「『妹』兼、『メス猫奴隷(ペット)』のルタちゃんです♡ たっぷり可愛がって下さいね? 『ご主人様(お兄ちゃん)』♡」

「きッッッッッしょッッ!!!」



 ルタの変態発言を即座に嫌悪全開の罵倒で弾き返す!

「ごろにゃ~ん♡」

「ッ!!?」

 変な声を上げながら甘えるように肩にくっついてくるルタ!

「やめろッ!!」

「首輪はキツめに締めてね♡ 上下関係分かせるくらい『ギュゥゥゥッ!!』って♡」



「うるせぇッ!! そんな変態趣味に付き合ってられっ・・・かッ!!?」



 なんだ!!?

 馬車が急に傾い




~『世界』 薄暗い神殿~


「・・・。」

 甲冑にマントを羽織った仮面の男、『正義』は腕組みをしながら座り込んでいる部下たちを見下ろしている。

「うぅ・・・!」

 座り込んでいるのは『戦車』の部下たちだ。

 理由は当然ながら、『戦車』と共に勝手に彼を拘束しに行ったことだ。

「『弁明の余地』は無いな?」

 冷たい言葉で『正義』は『戦車』の部下たちを見下ろす。

「お、お許しを・・・!」

 最早言い訳の余地もなく、部下たちはただ許しを乞うことしか出来ないみたいだ。

「お沙汰は司祭様の言葉より下される。覚悟しろ。」

「うぅ・・・!」

「・・・。」

 怯える部下たちの前で一歩前に出る。

「うぅ・・・!」

「・・・。」

 私は怯える部下の一人に手を伸ばし・・・。



「めぇッ!!!」

「ッ!!?」

 部下の頭をぺちんと叩く。


「・・・へ?」

 『正義』は変な声を上げる。

「え・・・?」

「え、え・・・?」

 部下たちも訳も分からない感じの声を出している。

 けど私にはそんなの関係ないッ!!



「ダメでしょッ!! あんな無茶したらぁッ!!」



「え? えと・・・?」

 私が怒っても部下は戸惑うばかりだった。

 でも・・・!

「うっ、うぅ、うあああぁぁッ!!」

 たまらず泣いてしまう!

「だぁめぇでしょぉッ!! ああぁぁッ!!」

「え、えぇ・・・?」

 部下の胸倉を掴みながら揺さぶる!

「あなた達にあんな無茶させるためにッ!! あなた達を救ったんじゃないんですぅッ!! お願いだから無茶しないでぇッ!! バカぁッ!! バカバカバカッ!! バカぁッ!! 」

 崩れながら部下の胸を何度もポカポカ殴って叱る!

「ああもうッ!!」

 近くで見ていた『月』が部下から私を引きはがして抱きしめる!

「とにかくあんたたちは一週間拘留!! 牢屋で反省しなさいッ!!」

「は、はぁ・・・。」

 『月』が必死に伝えるけど部下たちはみんなぽかんとしていた。

「『正義』! もういいでしょ! さっさと連れてって!」

「ぎょ、御意・・・! ほら、こっちだ! さっさと歩け!」

 『正義』は部下たちを立ち上がらせて部屋の外に誘導して一緒に出て行った。

「うっ・・・ぇぐッ・・・!」

「全く・・・。」

 『月』の胸の中で泣く私の頭を、『月』は呆れたまま抱きしめながら撫でてくる。

「ごめんなさい・・・取り乱して・・・! でも・・・でもぉ・・・!」

「ハイハイ分かったから。ホントあんたは・・・。」

 『月』はため息を付きつつ私の頭に顎を乗せる。



「リ(・)ー(・)ダ(・)ー(・)向(・)い(・)て(・)な(・)い(・)のに無理しすぎ・・・。」





~メロ 馬車~


「んッ・・・んんッ・・・!」

 な、何が起こったのですか?

 なんか馬車が急にガクンって・・・?

「ん・・・?」

 なんです?

 何か私の体に乗っかってて重いのです・・・!

 とにかく、顔が出せるように上に体を捩らせて・・・っと!

「?」

 なんか顔に当たってたの、布っぽくて中身がデコボコしてた感じですけどなんなのですか?

 しかも伸し掛かってるもの、なんか生暖かいですし・・・。

「え?」

 顔が出せるようになって確かめると・・・。



「・・・え?」



 上に乗っかってたのは師匠です!

 け、けど・・・!

「あ、ああ・・・!」

 師匠は私とは逆さの向きに覆い被さってたのです!

 しかも今私が顔を出したのは師匠の股からで・・・!

「んん?」

「ひっ!」

 師匠のくぐもった声がすると私の股下からわずかに振動がッ!!

 これってもしかして・・・!

「な、なんだぁ? 暗い?」

 あああああ!!

 師匠が起きちゃうのですッ!!

  このままだと状況に気づいてどうしようどうしようどうしようこの状況最悪ですなんでこんなことにああああああああああああああああ



「あああぁぁぁぁぁッ!!」

「うごッ!!!?」



 思わず叫びながら師匠の股間に肘打ちを食らわせてしまうのですッ!!

「ご・・・おごッ・・・!」

「ッ!!」

 師匠がヤバい声上げてるうちに離れるのです!!

 よし、多分気づかれてない!!

「んん・・・え!? お、お兄ちゃん!? 何があったの!!?」

 近くで転がっていたルタが状況に気づいてすぐに体を起き上がらせてこっちに来て状況確認するのです!

 けど・・・。

「お兄ちゃん!!?」

「うご・・・ぉが・・・!」

 股を抑えて苦しそうな声を上げながら悶絶してる師匠にルタもわけが分からないみたいなのです!!

 いや、あれはホント不可抗力だったから仕方ないのです!!

「メロ! 一体何があったの!!?」

「し、しし、知らないのですッ!! それより外の様子見てくるですッ!! 師匠を頼むのですッ!!」

「ちょっとメロ!!」

 ルタが引き止めるのも無視して外に出て様子を見に行くのです!!

 馬車がひっくり返ってるのでもしかしたら敵が来たかもです!

 とりあえずすぐに戦えるように剣を抜いて・・・。



「ッ!!? うぇッ!!?」



 外に出るといきなり何かが襲いかかってきたのですッ!!

 とっさに右手の剣で防御すると、何か硬いものが当たったのです!!

「!!」

 鉈です!!

 村の人が小さな薪を切るために使うような感じの!!

「くッ!」

 すぐに鉈を切り払うのです!!

「何者ですか!!」

 すぐに攻撃してきたやつの正体を確かめるのです!!



「ウウゥゥゥゥ・・・!」

「!!?」



 そいつは顔は人間だけど頭に狼のような耳が生えていて、手足の先が毛むくじゃら、よく見ると尻尾まで生えてる姿・・・間違いなく獣人です!!

「ゴアアアアァァァッ!!」

「ッ!!」

 吠えかかるような声を出すと 持っていた中でまた襲いかかってきたのですッ!!

「くッ!!」

 すぐに剣で弾いて馬車から離れて広い位置に出るのですッ!!

「おいッ!! 手伝ってくれッ!!」

「ッ!!?」

 声がする方を見るとそこには男がいたのです!!

 上半身だけ鎧をまとい、両手持ちの剣を持って二人の獣人に囲まれながら構えていたのです!!

 きっと冒険者です!!

「!!」

 足元に転がってる何かに気づくのです!!



「ひッ!!」

 足元には 兵士が血まみれで倒れていたのです!!



 この人確か・・・馬車の馬を 歩かせていた騎手の人なのです!!

 血まみれでピクリとも動いてない・・・!

 多分、獣人にすでにやられているのです!!

「ガアァッ!!」

「ッ!!?」

 男に獣人が一体棍棒で襲いかかるのです!!

「くそッ!!」

「ゴアアァッ!!」

「うッ!!?」

 男は剣でそれを止めるけどもう一体が襲いかかってきたのです!!

「ふぬんッ!!」

 それを私が剣で止めるのです!!

「ゴアァッ!!」

「!!」

 さっきの鉈持ちがまた私に襲いかかってきたのです!!

「くぅッ!!」

 それをもう1本の件で止めるのです!!

 けど・・・!



「グウゥッ!!」

「ぐッ・・・うぅッ・・・!」

 スゴい力なのです!!



 まるで岩に押されてるみたいなのです!!

「ざけんなぁッ!!」

「ッ!!」

 冒険者の人が鍔迫り合いのまま私が押さえている片方の獣人に上半身を振って体当たりしたのです!!

「ゴァッ!!?」

「うぅッ!!」

「ガァッ!!?」

 体当たりされた獣人が怯んでる隙に冒険者さんと鍔迫り合いになっている獣人の腕を剣で斬りつけると獣人は腕から血を出しながら怯むのです!!

「このッ!!」

 その隙にもう一体の鉈を弾いて包囲から逃れるのです!!

「くッ・・・!」

 冒険者さんも私と同じ考えで走って包囲から逃れるのです!!

 けど・・・。



「ぐッ・・・!」

「!」



 冒険者さんは崩れ落ちるのです!

 よく見ると頭から血を流しているのです!!

 それに・・・。

「くそ・・・!」

 腕を押さえてるみたいですけどそこからも血が流れているのです!

 多分私が来る前から獣人と戦っているうちに付いた傷なのです!!

「ハァ・・・ハァ・・・!」

 男は息を切らしながら動けないみたいなのです!

「「ガアァアッ!!」」

「う!!?」

 そこを獣人達がすかさず襲いかかるのです!!

 このままだと冒険者さんがやられるのです!!



「うわあぁぁぁッ!!!」

「グッ!!?」



 私が大声を出して獣人の一体に斬りかかると獣人は驚きながら回避するのです!!

 それだけで終わらせるかですッ!!

「わああああぁぁぁぁぁぁッ!!!!」

 また大声を出してあっちこっちに斬りかかるのです!!

「グゥゥ!」

 獣人たちは軽快な動きで私の攻撃を回避するのです!!

 けど・・・狙(・)い(・)通(・)り(・)です!!

「グゥゥゥ・・・!」

「グルルルル・・・!」

 獣人たちがみんなこっちを見てるのです!!

 今ですッ!!



「こっちですッ!!」

 私は急に後ろを向いて走って逃げるのです!!



「「「ガアアァァァッ!!」」」



 思った通り、獣人たちは追ってきたのです!!

 これで怪我してる冒険者さんはひとまず安全です!!

 けど・・・!

「ゴアアァァァッ!!」

「くッ・・・!」

 思ったより早いのです!!

「ハァ・・・ハァ・・・!」

 逃げきれなくなって足を止めるのです!!

 なんとか近くの森の中まで誘導するけど、あっという間に囲まれたのです・・・!

「ハァ・・・ハァ・・・ッ!」

 走った時の息を落ち着かせながら剣を構えるのです・・・!

 けどさっきの事を思い出すのです・・・!

 馬車から出た時、馬車の運転手の兵士の人を殺していたのです・・・!

 それに、私より長く冒険者やってそうな男の人にあんな手傷を負わせるような連中です・・・!

 多分、きっと強いのですこいつら!!

 でも・・・!

 だからと言って殺される訳にはいかないのです!!



「来いですッ!!」

 私には・・・夢があるから!!


~リメイク前との変更点~

・例の事件が起こる前の町の様子追加

例の事件が起こる前の

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