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チック=ニ=チアサ世界シリーズ

野性的で孤独な彼の戦士は、母なる大地から使命を授かる

作者: まい

 チック=ニ=チアサと呼称されるパラレル世界。



 彼は経緯としては珍しい、野生出身の変身ヒーロー。


 大自然? から使命を授かり、決戦の地へ降り立つ!

 ――――某国。




 その国には世界遺産として世界的に有名な、誰が描いたか分からない巨大な地上絵が沢山あった。


 その地上絵がある地には、一人の野生児がたくましく生きていた。



 …………いや、本当にどうやって生きているんだろうか。


 地上絵が消されないよう、かなり厳重(げんじゅう)に管理されて、かなりの人目もあるのに。


 そもそもあの地に、人間が生きていけるだけの食料とするには、植物や動物が足らないだろうに。



 いや、この際その辺は目を(つぶ)ろう。


 とにかく名も無き野生児の青年男性が、その地に存在していた。





 そして、その青年は現在。


 ヒトか何かを(かたど)ったと思われる地上絵の前に立っていた。


 なぜそこにいるのか。


 それはこの地上絵に呼ばれたからだ。


 呼ばれはしたが、呼び方は食べ物にされそうな動物を(おとり)にした、誘導である。



《ようこそ、我らの“太陽の子”よ》


 青年の頭に、男とも女とも判断がしにくい言葉が届く。


 だが野生児に言葉は通じないので、イメージ映像もあわせて送り込まれ、とても親切だ。


《貴方に使命を(さず)けます》


 地上絵が落ち着いた声で、青年へ語り続ける。


 別に光るでもない、とても地味な絵面(えづら)で。


《この星にはとても不自然な、明けない夜が忍び寄っています。 その不自然な夜を追い払う、太陽の使者に貴方が選ばれました》


 青年の頭に届くイメージでは、地上絵に力をもらった青年が、寄ってくる黒い(もや)を自家発光して追い払う映像が。


 その(さい)に一度格好いい姿へ変身する、青年の姿もそえて。


《その不自然な夜は、第一目標として日本と言う国の首都、東京を狙うようです。 そこへ行くために、コンドルの力を借りなさい》


 コンドルを象ったと思われる地上絵の上に立ち、東京の地へ青年がワープするイメージ映像。


 ……いや、コンドルなのに飛ばないで、ワープするんかい!


 そうツッコむ存在は、ここにはいない。


《さあ、行きなさい。 我らの希望の子よ!》


 コンドルの地上絵へ動く青年のイメージ映像を最後に、地上絵が数秒だけ強く発光して、静かになった。



 これに驚いた青年は、光の影響でしばらく目を焼かれてゴロゴロ転がって(もだ)えていたが、やがて立ち上がりコンドルの地上絵がある場所へ向かう。


 腕に見なれない輪っかがついている事にも、気づかぬまま。


 全ては、地上絵の(みちび)きのままに。




 いや、多分青年はそう思っていないだろう。


 最後にコンドルへ向かうイメージ映像があったから、なんとなくそうしたかっただけなのだから。



~~~~~~



 ――――東京某所。


 コンドルの地上絵の上に立ったら、本当にワープで飛ばされた。


 青年は辺りを見回す。




 見回した結果、かなり混乱してしまう青年。


 なにせここは耳と目と肌に(きび)しい場所なのだから。


 イメージ映像である程度分かってはいたが、その映像よりひどい。


 まず、さっきまで明るかった空が、時差で夜(まっくら)になった。


 おそらくこれが不自然な夜の影響なのだろう。


 縦長の、物凄(ものすご)く高くて四角くて硬いビル(ナニカ)がずらっと()ち並び、地上絵がある場所ではあまり見ない原色ギトギトな看板や落書き(ナニカ)が辺り一面に描かれている。


 さらに青年と似た生き物(にんげん)がおぞましい程に存在して、青年を取り囲みジロジロ見ている。


 そして自然では聞かない、音楽(なぞの音)がどこからも(うな)り響き渡っている。


 そしてそれに負けない、大小の長方形のクルマ(ナニカ)が超高速で行き()い、それで(しょう)じた(するど)い風が肌に刺さる。


 あと大地を踏み締め(ふみしめ)ているはずなのに、返ってくる感触はとても硬く、そして冷たくて痛い。




 まずはどうやってこの地で生き抜こうか。


 生き抜くには、まず(ねぐら)を見つけないと。


 そんな事を考えていると生き物の()れから数体、飛び出してくる。


「キミ、ちょっと来てくれないかな? それにもしかしたら、外国人かな?」


 青年にはよく分からないが、なにか吠えられたのだけは分かる。


 おそらくこの縄張(なわば)りで強いものなのだろう。


 他のもの達とは違って、(そろ)いの(すがた)だ。


 縄張りに入ってきた青年へ、威嚇(いかく)されたのだと理解している。



「春先って言うには、もう遅いだろうに。 困るんだよねぇ、()()は」


 さっきとは違う吠え方。


 これは攻撃するぞと、警告しているのだろう。


 こいつは不味(まず)い。 このままここにいたら、攻撃される。


「ちょっと待ちなさい! スターーップ!!」


 やはりそうだ。 この場から逃げて正解だ。


 体を反転、(きびす)を返して足を動かした瞬間に、むこうも攻撃体勢(たいせい)になって吠えた。


 この地は生きにくい。


 青年の使命は、始まったばかりだ。

 この後大捜査網を警察に敷かれて、無事確保されました。


 それで国籍不明かつ野生児と発覚して世で騒がれ、保護されてから“おやっさん”が身元引き受けして、活動を始める…………ことになるのかなぁ?


 分からん。




 あ、変身の掛け声は「ナーースーーカァーーーー!!」でしょうね。


 基本の姿はトカゲ……じゃなくてハチドリかな?


 んで必殺技は“大刻印”。 野生の力で(しるし)を刻み込み、敵は刻まれた所から赤い泡がぶしゅーーー! と出て、全身泡となってしまう強力なワザだぞ!


 地上絵に象られたモノの力を使う、変身ヒーロー。


 地上絵ごとに使える力が変わる、多段変身ヒーローだ!

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