第3話『見てなさい!! 私を不合格にしたことを後悔させてやるんだから!!』
作者:深夜のテンションで書いてたら筆が止まんないから連投してみたww
和俊:おい、そのペース毎日維持できないのか?
作者:無理です(真顔
第3話『見てなさい!! 私を不合格にしたことを後悔させてやるんだから!!』
学校に到着した俺達は、クラス割の書かれたボードの前にいた。
確認した所、俺も智樹も同じ一組だった。
「またお前と一緒か」
「それはこっちのセリフだ智樹」
お互いいがみ合ってからボードを再確認すると、同じクラスや違うクラスにも同中の連中の名前がそれなりにあった。
「やっぱりうちの学校の連中多くないか?」
「くそっ、やはりこうなる運命か」
悔しそうに唇を嚙み締め拳を握る智樹。
その姿にため息を吐いて、
「ほら、行くぞ」
「あぁ……」
テンションの下がった智樹を引き連れ教室に向かうのだった。
そんな智樹だったが教室に入った途端更にテンションが下がる出来事が待っていた。
「まさかまたあなた達と一緒のクラスになるなんてね」
「げっ、委員長も同じクラスかよ」
「何よ広田くん、それはこっちのセリフでしょ」
そう言って突っかかって来たのは同中時代にクラス委員長であった黒髪のポニーテールにメガネを掛け、真面目でしっかり者の野中恵理だった。
しかし、彼女との高校での再会はあまり望ましい事では無かった。
俺自身、別に彼女の事が嫌いである訳ではない。
不真面目であった智樹とはよく衝突を繰り返していたがそれは本人たちの問題だ。
何故望ましくないのか、それは簡単な事である。
「委員長は、確かこの学校には滑り止めで受けてた記憶があるんだけどまさか……」
そう言うと顔を赤くしてプルプルと震え、
「そうよ!! 陰陽学園落ちたのよ!! 何か文句でもある!!」
凄まじい形相で睨み付けて来た委員長を何とか落ち着かせようと、
「いや、ほら、うちの学校から陰陽受けたのって殆どいなかったから結果が気になってたんだよね」
何とか話を逸らそうとしたのだが、
「私だけよ……」
「えっ?」
「だーかーらー、落ちたのは私だけなのよ!!」
駄目だ、俺はどうやら彼女の傷口にハバネロを突っ込んだようだ。
「でもほら、委員長には受けることが出来るだけの才能があった訳なんだからさ」
「そうだぜ、俺達みたいなDランクは受験する事すら出来ないんだからさ、本当に凄いと思うぜ!! うん!!」
犬猿の仲であったはずの智樹ですら慰めに入る始末だ。
「……もういいわ、広田くんにまで慰められるとかただの屈辱でしかないし、それに」
「それに?」
「魔法師になるのはまだ諦めてないから、魔法師専行の学校に入らなくてもなった事例も無い訳じゃ無いしね!!」
「その粋だよ委員長、俺達も応援してるからな」
何とか立ち直ってくれたみたいで本当に良かった。
しかしながら委員長の目標は相当な難易度であることは容易に想像出来る。
本来魔法師とは、陰陽学園のような専門の魔法師育成機関で知識の修得や己の魔法に磨きを掛け、その末に到達できるほんの一握りの人材を指す言葉だ。
現在、国連を挙げて魔法師育成に取り組んでいる状況だけあって、卒業さえできれば何処の支部かを自分で決める事は出来ないが、魔法師に成ることが出来る。
しかしながらもし配属先が諸外国で、そこに大した実力の無い魔法師を派遣し醜態を晒すような事態があれば、育成面で他国よりも遅れが生じていることを晒すも等しい行為となる。
それ故に、魔法を行使出来ないDランクどころか行使できるはずのCランクですら入学試験を受けることが出来ないのだ。
入試資格はBランク以上の魔法保有量のある者のみ。
それが魔法師を目指す者としての第一歩。
だがBランク以上であっても、試験の場である程度の成績を収められなければ不合格扱いとなる。
そうして門はさらに狭くなる。
ではその門を潜ることができなかった場合はどうするのか?
その場合には年に一度行われる、魔法協会の採用試験に受からなければならないが、同じような境遇の人々が集まる上に、本来専門の学校で習う知識や技術を独学で修得しなければならないのにも関わらず、合格人数は決まっておらず、時には何万人規模で受けたのに合格者がゼロの年もあるくらいだ。
「見てなさい!! 私を不合格にしたことを後悔させてやるんだから!!」
それを知っていてもやると意気込んでいるのだから委員長は素直に凄いと俺は思う。
何故ならその道は、俺も智樹も諦めた道なのだから。