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メタモルフォーゼス  作者: 新町 東
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第28話『普通校のレベルじゃねぇ!?』

作者:それでは皆様、お勉強の時間です。

第28話『普通校のレベルじゃねぇ!?』


 今日の朝、俺は教務室にいた。その目的は、


「ありがとう、平賀くん。これで何とかなりそう」


 小鳥遊先生に用事があった訳だが、


「それは良かったです。内容は俺の方で関心がありそうなものを吟味した結果の物なので完全に的外れではないと思います」


「へぇ……」


 パラパラと紙を捲り中身を確認していくのは担任の小鳥遊先生。


 その紙に書いてある事、俺が把握している魔力に関する事柄が書いている訳だが、そんなものを小鳥遊先生が欲した理由。


 その理由とは、魔力についての授業である。


 先ほど説明した通り普通校レベルの魔力の授業は、教える側も教わる側も既に周知の事実を再確認する事と、道徳的な内容を辿るだけの非常につまらない物となっている。


 しかしながら小鳥遊先生はそのつまらないを改善するべく俺に協力を求めたのだ。


 故に俺はそれを聞いた時、それが生徒に頼む事柄でない事も、そこまでする必要性が無い事も理解していた。


 それでも協力したのは単純に新任の教師だろうと何だろうと少しでも生徒に対し有意義な授業をしようと考える小鳥遊先生の教師としての姿勢が立派だったからだ。


 まぁ、確かに俺にもこれで魔力に関心を持ってくれればエスターテ杯参加メンバーになりたいと言ってくれる人物が現れたりしてくれないかなと言う下心もある訳だがその可能性はほぼ無いと言っても等しい。


 大体、小鳥遊先生に渡した資料には生徒が思っているであろう魔力に関する素朴な疑問に対する説明や回答しか記載していないからな。


 その上、メタモルフォーゼスによる魔法行使、戦闘面に関しては何一つとして記載が無い。


 つまり魔法を行使した戦いに興味を持ってもらえるような内容では無いのだ。


 それはさておき。


「それでは俺はそろそろ教室に戻りますね」


「うん、本当にありがとう。授業、頑張るね!!」


 小鳥遊先生はこちらを向くと右手の親指を立てて笑顔でそう言ったのだった。




「それでは説明します。『一体どうやってランクを決めているのか?』についてですが、それは『魔力の色の割合』なんです」


 それが先生が回答に答えたからなのか、その答えを知ったからなのかは不明だがクラスがざわつく。


「一般的に『魔力の色は?』と問うと『青白い』と言った答えが返ってきます。ですが厳密には『青い魔力』と『白い魔力』の二種類なんです。なのでランクを決める時はその魔力の色の割合を機械で調べる事で知ることが出来るんです。確かに魔力は不明な点が多いですが、色の割合を調べる程度であれば現代科学で事足りますからね」


 その回答にクラスが静まり返る。


 きっとこの中にはこう思っているクラスメイトもいるはずだ。


『普通校のレベルじゃねぇ!?』と。


「ここまでで質問のある方はいますか?」


「はい、先生」


 先ほどまでの空気とは違い、『もしかしたら知りたい事が聞けるのでは?』という空気になったおかげか、委員長が自主的に挙手をした。


「はい、野中さん」


「魔力が二種類あると言いましたが何対何の割合からDランクとかCランクが決まるんですか?」


「割合はDランクが白9の青1。Cランクが白8の青が2です。以降はランクが上がるに連れて白が一つ減り、青が一つ増える感じですね」


「つまりSランクは白と青の割合が同じになると? それにその考えであると青の魔力が多いほど高いランクの魔法を使えるという事になるのですか?」


「そういうことになりますね」


 先生は俺の渡した書類を思った以上に読み込んでいたようだ。現にカンペとして持ってきてはいるがそちらには全く視線を移すことなくスラスラと授業を進めている。


 しかもしっかりと質問を募集し、それに答える余裕まで持ち合わせていると来た。


「(生徒思いの良い先生だな、本当に)」


「他に質問はありますか?」


「はーい、白と青の魔力にそれぞれ違いはあるんですか?」


 後ろの席の男子からの質問。


「良い質問ですね。白と青の魔力にはそれぞれ異なる役割が存在します。簡単に説明するならば白は原料で青はプレス機みたいなものです」


「原料? プレス機?」


 男子生徒は首を傾げる。


「魔法を使う為にはメタモルフォーゼスを作り、変身する必要がありますが、メタモルフォーゼス自体は白の魔力を青の魔力で固めた物なんですよ」


「そうすると、CランクとDランクの差は上手く固められるかどうかの差って事ですか?」


「そうなりますね。白い魔力も青い魔力もそれ自体は誰にでもある訳ですから、個人個人の差は青い魔力の差と言っても過言ではないでしょう」


「それじゃあ、高ランクと低ランクの魔法の差はどうなるんですか? そこだけ聞くと固める事が出来ればCもSも変わらないんじゃないですか?」


 そうですねぇと小鳥遊先生は呟く。


「固められれば魔法が使える訳ですが、その固まり具合によって魔法の質の差が出やすい事が研究によって発見されています。分かりやすく説明するならふんわりとした雪玉としっかり握られた雪玉みたいなものですかね」


「つまりSランクに比べCランクのメタモルフォーゼスは作りが甘いと?」


「一概にそうだとは言い切れません。Cランクでも質の高い魔法が確認されていますし、Sランクでも質の低い魔法が確認されていますから恐らくは使う人の魔法によって最も適したランクがあるのではないかと言われています」


「へぇ……」


 小鳥遊先生は授業のまとめに入る。


「つまり、白い魔力こそが源で、青い魔力はそれを魔法に昇華させるものなんです」


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