3話 間違い 注意!
時は放課後。
魔法で遊ぶ者、部活に行く者、家に帰る者に別れる。
もちろん僕は帰るほうだ。
運動なんて得意じゃないし体力無いし。
まぁ、異世界に行く前の話だけど。
あっちで自由に旅してたのに今ごろ縛られた生活なんて嫌だろ。
学校にみんなが来る理由なんて魔法を使いに来るか、自慢しに来るかってぐらいだし。
それこそ部活なんて趣味でやってる人しか行かないよ。
目立たないように力をセーブするのは面倒くさいし。
ちなみに僕が学校に来る理由はまた異世界に行けるチャンスが来るかもしれないからだ。
これだけの力が密集してるのだ 可能性は高い。
「魔法が使えれば家まで一瞬なのに」
魔法を見られると厄介なことになる。神の言葉だ。
まぁ魔法が無くてもステータスはクラス全員オリンピック選手も驚愕の状態なんだけどね。
「よっ! 色城 いつもお前は大人しいな!」
「だなっ! 色城はそんなかんじだなっ!」
「そんなことないよ、僕はクールなだけさ」
「はいはい 分かってるって」
「ほんとに分かってるの?」
クラスの男子だ。
今日もテンションが高い。
まぁ仲良くしてくる側の人達だ。
クラスの男子は一部を除いて何故か僕と仲良くなろうとしてくる。
一部は僕のことすっごい嫌っているみたいだけど。
女子もだいたい一緒かな。
ただ男子も女子も一部の方は半端なく僕のことを嫌っていて鬱陶しい。
大抵、仲良くしようとしてる人達が守ってくれるけど。
おかげで過ごし安い?かな。
これは非日常じゃない唯一の普通の高校生の日常だろ?たぶん。
うん、そう信じたい。
「色城はさー 好きなやつとかいるのか?」
「ちょっとタカやんっそれ聞いちゃうんっすか!?さすがやー」
訂正、仲良くしようとしてる奴も鬱陶しい。
「いや、 いないけど 何で?」
「いや、いないならいい」
何がしたいんだこいつら マジで1人の時間の邪魔するなよ。
「じゃ俺たちはここでお別れだな」
僕の気持ちが伝わったのだろうか?
タカや…鷹と中村は家の屋根の上を走り去っていった
「なんだったんだ?あいつら、話ながら僕をじろじろ見やがってなんかスキルも使ってたし」
気にしても無駄か。
あいつらは僕に危害を加えるような奴らじゃ無いしな。
帰ろうとすると、目の片隅に少年をとらえた。
別に不自然な事なんて無いはずなのに、何故か少年をずっと少年をみて見てしまう。
歳は7歳ぐらいだろうか。眠たそうだ。
嫌な予感がする。
僕は自分の直感を信じて少年に近付いて少年に声をかけようとした。
そのときだった。
ドッカーンッッッ!!
近くの地面が爆発した。
俺は全身に力を入れて一番近くにいた少年を抱え、ついでにその1メートル先を歩いていた少女も抱き上げ
500メートル先の5階建てのビルの屋上にジャンプして着地する。
ほんとにギリギリだった。
爆発の瞬間、地面が盛り上がった瞬間に動いて無かったら少女は助けてられなかったかもしれない。
「君たち大丈夫?」
「「ありがとう」」「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」
「えっ?」
「何言ってるのしょうたくん!お姉ちゃんでしょ!」
「みきこそ!お兄ちゃんだろ!」
面倒くさいので二人を抱えてビルから飛び降りて着地する。
二人にはスゲーとか言われたが気にしない。
それよりもお姉ちゃんと言われたことがショックだ。
昔髪が長かった頃に何度か間違えられたが、今回は耳は髪に隠れるくらいとはいえショートなのだ。
短いのだ。断じて女では無いんだ。
思えば両親が美形すぎることが原因なのか、僕はやや中性的なのだ。
やや、だからな。
なのに昔から女の子に間違われる。
小さい頃ならまだ分かる。
今はもう高校生だ。
女に間違われるなんてあってはならないのだ。
俺はその日ずっと1人で部屋にこもって自分に言い聞かせるように何度も同じ言葉を繰り返した。
「あっおいー母さんがお前に似合う可愛い服作ったぞ!!着てくれーー」
あのオヤジいつか〇す!!!!!