2話 教室で流行ってること
ピンチです。
まさかこんな事になるなんて予想もできなかった。
もしかしたら人生で最大のピンチかもしれない。
僕ではどうすることもできない。
これからが心配で、不安で、いっそのこと逃げてしまおうかと思いってしまう。
「さぁ お前ら授業を始めるぞ!っとその前に色城 今日の分のプリントだしっかりやれよ」
僕の机の上には山積みになったプリントがおかれる。
話は簡単だ、先生は異世界で魔力を使った意識伝達の方法があると知り、それを研究するうちに知識を相手に植えつける事に成功したのだ。
だがそれには相手は魔力量が多いという条件付きだった。
僕は使えない判定をされているので誰も俺が魔力量が多いなんて知らない。
つまり先生は僕には伝達ができないと思っているのだ。
だから他の生徒に伝達する分の情報をプリントで渡される。
普通に授業をするより魔力を使った方が効率もいいので渡されるプリントの量も増える。
僕は先生が出してる魔力を感知してそれに触れて情報を手に入れれるが、プリントの量が尋常では無いので書くのがしんどい。
書かないと成績が落ちてしまうのだ、それだけは避けたい。
「さて、そろそろ授業も終わりだな 号令はいいから休み時間にはいっていいぞ」
はぁー、これを毎回やるのか これはもう人生最大のピンチと言わずなんという!
何とか脱出しなくては。
「先生今日の分のプリントです」
「お前は凄いなこの時間に終わらせたのか。優秀だな、俺としてはこれで赤点になるやつもいないから楽だな」
「先生の研究は凄かったですね、今度は魔力量が少なくてもできるように研究してみてもらえますか?」
「まぁー出来なくも無いが、お前も魔力を増やす努力しろよ プリント作るの大変だからな」
「努力します」
先生って生き物はあまり好きじゃないが、この先生は別だな。
クラスのほうが少し騒がしいな、お腹すいたし教室に戻ってパンでも食うか。
「みんなー!最近楽しんでるかーー!」
「「「「「「ノーーーー!!」」」」」」
「最近!ストレス発散できてるかっ‼」
「「「「「「ノーーーー!!」」」」」」
「楽しみたいかっ!!」
「「「「「「イエーーース!!」」」」」」
「じゃあ いってみよう! 第一回 魔力力技大会‼」
「「「「「「イエーイ!!!!!」」」」」」
「ルールは簡単! 一対一の戦いだ!黒板の表面を自分の魔力でおおった方が勝ちだ!」
「魔力を黒板からはみ出ない制御と相手の魔力を押しきるパワーが必要ですね、申し遅れましたこの大会の実況をつとめます原田と」
「剛田がお送りしますっっ!!」
なんか大変なことになってるな パンでも食べながら観てるか。
「参加者がそろいました!」
「いよいよ始まりますっっ!!」
僕はパンを食べながら成り行きを見守る。
あっ!こいつ制御に無駄がある!
こいつはパワー制御のバランスが悪すぎだっ!!
こいつは上手いな、仲間の1人といい勝負だ!
こいつは何故参戦したんだ?
ほう、こいつもなかなか。
わりと楽しんでしまった。
まぁ、いつものことだし、昨日の第一回魔法芸術選手権よりは面白かったかな。
普通の高校ではこんなイベントは味わえないな。
さよなら昔の日常。
まぁもう慣れたけど。