むかしばなし
昔の話です。
まだ私が保育園に通っていた頃、私は恋に落ちました。
恥ずかしながらあの頃の私は小さい子特有の、いわゆる恋に憧れるおませさんで、周りの子が恋する相手を見つけるなか、私も恋する相手を見つけました。
相手の子は同い年の男の子。大人しい性格で真面目で責任感の強い人でした。それが凄く大人に見えて、格好良く思えて、私は好きになりました。
でもその子は、その性格ゆえに一人でいることが多く、室内で遊んでいるような子でした。友達がいないわけではないのですが、悪く言って子どもらしくないところが近寄りづらいようで、なかなか人の輪に加われないようで、やはり一人でいる印象が強かったです。
ですが私はそれが彼の魅力に思え、どんどん惹かれてゆき、彼がいつも一人でいることもあり、私は積極的に彼に迫りました。
…今思えば凄く恥ずかしいですね。
幼い子特有に、羞恥心があまり無く、相手のことを考えることが出来ない私は、彼も露骨に嫌がるような素振りも見せなかったので、私の行為はますますヒートアップし、常に付きまとうようになりました。休み時間に彼に会いにゆき、帰りの迎えが来るまで二人で遊んだり、…腕を、組んだり、その、ほっぺにチュー、したり、思い出して顔を隠したくなるようなことばかりしていました。…本当に。
しかし、その光景は保護者達には微笑ましい物らしく、彼自身も嫌な顔はしていなかったこともあって、家に遊びにいくことも多かったです。
私の周りはラブラブだと言っていましたが、それは違くて、私だけが大好きだと言って、私だけが彼に迫りました付きまとっていただけで、彼自信は何も言いませんでした。否定はしないけど肯定もしない。そんな人でした。だから私の片想い。だからこそ私はずっと積極的に彼に好意を伝えていました。
私は小学中学年まで彼と一緒でした。