『プレスマンの芯とぎ』
掲載日:2026/06/26
雨の降るある夜のこと、魚屋が売れ残った魚を持って、家に帰ろうとしていたとき、町外れの橋を渡ろうとして、波の音のような妙な音を聞きました。しばらく歩くと、川辺の茂みの中から、同じ音が聞こえました。井戸のそばを通ると、また同じ音が聞こえました。魚屋は、これは、小豆とぎという妖怪が、小豆をとぐ音ではないかと思い、妖怪ならばかかわらないほうがいいと思って、聞こえないふりをして家路を急ぎました。しかし、波の音のような音は魚屋についてきて、自分の背中から聞こえるようになり、自分の家に着いたところで、売れ残った魚を放り出して、戸を固く閉めて寝てしまいました。
翌朝、魚屋が家の外に出てみると、魚はなくなっていて、そこには大量のプレスマンの芯が落ちていました。
教訓:波の音に聞こえたのは小豆の音ではなく、プレスマンの芯がざらざらいう音であったということ。




