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魔法使いと魔女

作者: ニートン
掲載日:2026/05/10

「ねぇ、ママ。絵本読んで。」

「今日はもう遅いから明日ね。」

「え~っお願い!読んでくれなきゃ眠れない。」

 小さな女の子がベッドの上で駄々をこねている。


「仕方ない子ね。これだけ読んだら寝るんだよ。」

「わ~い、ありがとう、ママ。」


 女の子のわがままに、仕方なく取り出した絵本【魔法使いと魔女】。


 遠い昔、とある国に実在した魔法使いと魔女の本当の話――



――むかしむかし、あるところに、魔法使いと魔女がいました。


 あおい目をした魔法使いは、みんなを魔法でしあわせにしていました。


 あかい目をした魔女は、わるいことばかりして、みんなをこまらせていました。


 あるひ、おうさまは、魔法使いに、魔女のたいじをめいれいしました。


 魔法使いは、ろくにんのなかまと、魔女たいじにでかけました。


 魔女のすんでいるやかたまで、かいぶつがじゃまをしてきました。


 魔法使いと、ろくにんのなかまは、とってもつよいので、かいぶつをやっけて、魔女のやかたにきました。


 魔女はしょうたいをあらわしました。


 なんと、かいぶつのおうさまだったのです。


 つよいなかまも、かいぶつのおうさまにはかてません。


 そこで、魔法使いは、なかまとちからをあわせて、かいぶつのおうさまをやっつけました。


 魔法使いと、ろくにんのなかまは、おうさまのところへかえりました。


 ところが、かえってきたのは魔法使いひとりだけ。


 魔法使いは、かいぶつのおうさまをやっつけるために、なかまをたべてしまったのです。


 みんなが魔法使いをかいぶつといいました。

 おうさまも魔法使いをくにからおいだしました。


 なぜなら、魔法使いのめは、魔女とおなじあかいめになっていたからです。――


「おしまい。」


「魔女さん……魔法使いさんはどうなったの?」

「その魔女になった魔法使いさんは、今もどこかにいて、悪い子を食べちゃうんだって。」


「わたし、悪い子じゃないから平気だよね。」

「そうだね。だから魔女に見つからないように、早く寝ましょうね。」

「うん、おやすみなさい。」

「おやすみ……。」


――今宵の月は、夜空を赤く染めていた。

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