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異世界でも引き籠ってゲームばっかやってたら、知らないうちに世界最強の冒険者になってました  作者: やおよろずの
第二章 モルティス旧墓地のアンデッド
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第46話 プレリード地下遺跡 第一階層

 視界が白い光に包まれると、その向こうに新たな景色が映し出される。

 そこは魔法の灯りに照らされた、大きな瓦礫が散乱する大広間だった。


「「ぎゃ──ー!!!」」


 転移して早々、二つの叫び声が。

 なんだっ!? と見ると、ルークとナノが巨大な魔物に追われていた。


「ナ、ナノ!! 吸血鬼なんだろ!? あの化物と戦ってくれ!!」


「むりムリ無理無理むりなのです!!! デビュー戦の相手じゃないのです!! アレは戦闘に慣れてきた頃に出てくる中盤の強敵くらいのやつなのです!!」


 人ひとりほどの大きな斧をブンブン振り回しながら二人を追いかけているのは”ミノタウロス”という魔物らしい。

 名前はもちろんゲームで聞いたことあるが、この世界では初見だ。

 牛の頭部にムキムキの半人半獣。とにかくデカいな……


「ルークこそ何とかできないのです!? 魔法でアイツをやっつけるのです!!」


「お、オレはサポート役っていうか──!! おいご主人! ボサッと見てないで早く助けてくれ!!」


 二人は揃ってユウタ目がけて突っ込んでくると、ナノは影の中へ素早く飛び込み、ルークはユウタの肩に飛び乗った。


「あ、後は頼んだのです!」


 ……まあ、とりあえず無事でよかった。

 どうやらこのダンジョン最初のエンカウント相手は、あのミノタウロスってわけか。


「ロムラス、戦えそうか?」


 さっきから呆然とミノタウロスをを見つめているロムラスに声をかける。


「で、でっか……。ちょ、ちょ~っとボクには早いんじゃないかな~☆」


「おいおい、紅闇龍なんだろ」


「ぼ、ボク自身なら小指でちょちょ~い、ですけど! 画面の中のボクで戦うってなると、すこ~し怖いな~って……」


 ……まあ、ゲーム自体初心者のロムラスにあの牛頭巨斧は荷が重いな。


 仕方ない、俺がやるか。


「じゃあ、こういう巨大な敵と戦うときのやり方を見せるから、ロムラスも見て勉強してくれ」


「は、はいっ☆」


「そうだな……魔法とかアイテムとか使わずに戦った方が、見本としては分かりやすいかもな」


 重力収束グラビトン・コンバージを唱えながら、とかはちょっとズルいしな。

 それにルークやナノにもダメージがあるからな。


 基本的な動き──『回避』と『近接攻撃』で倒せない敵はいない。

 それをロムラスに教えてやるとするか。


「いいか、まずはとにかく ”観察” だ。一定の距離を保って、相手の動きをしっかりと見る。すると──」


 ミノタウロスは突進の勢いそのまま、俺めがけて巨大な斧を振りかざす。

 その一振りで空気が切り裂かれ、斧を振り下ろすとブオンという低い風切り音が響いた。


 ──余裕だな。


「ほら、モーションも大振りだし予備動作も分かりやすいから、無敵時間を使って簡単に『回避』できる」


「いやご主人!? 今当たってただろ!?」


「なのです!?」


 いつの間にか影から頭だけ出して様子を伺うナノと、その頭に乗ったルークが驚きの声をあげている。

 確かに傍から見たら当たってるかもしれんが、それはゲームなわけだ。


「で、隙だらけの相手に攻撃」


 ドカッ、バコッ。

 両手で【奇重石のハンマー】を握って2発ほど叩き込む。


 そしてまた、適切な距離を保つ。


「何発殴れるかは相手の行動しだいだから、とにかく欲張らないこと。で、また相手の動きを見る」


「す、すごいなご主人……。まるで武の達人だぜ」


 ミノタウロスは殴られて頭に血が上ったのか、大きく咆哮して高く飛び上がる。


「ひぃーっ! 怖いのです!」


 ナノが両耳をふさいで目を瞑っている。

 確かにその場に居たら俺も漏らす確信があるが、画面越しだから問題ない。


 跳躍したミノタウロスは、上空から全体重を乗せた渾身の一撃を叩きこんでくる。

 その威力は凄まじく、衝撃とともに部屋全体が揺れるほどだ。


「ご、ご主人ッッ!?──な、なんで何ともないんだ!?」


 うん、これも見てから回避余裕でした。 


「お、おにーさん……。全然参考にならないです☆」

 

 この後、これを繰り返すこと10回ほど。

 多少時間はかかったがミノタウロスは驚くほどあっけなく倒されてしまった。


 やっぱり新しい近接武器が欲しいな……どうしても時間がかかる。



>ドロップアイテム【ミノタウロスの角】を入手



「というわけで、ロムラスもこんな感じで頼むぞ」


「で、できるか~☆」


 血溜まりに伏していたミノタウロスは、灰が風に吹き飛ばされるようにして消滅していった。


「へえ、ダンジョンの魔物は倒すと消滅するのか」


「──!? そ、そんなはずはないのです!! 『月刊ダンジョン踏破のススメ』にはそんな記述はなかったのです!!」


「載ってなかっただけじゃないか?」


「な、なのです?」


 困惑するナノを尻目に、大広間をぐるりと見回してみると、片隅に木製の箱らしきものが見えた。



 ま、まさかアレは……



「うおおおっ!! ありゃあ宝箱じゃねえか!?」


 ルークが真っ先に木箱に駆け寄る。


「ルーク、危ないのです! 罠の可能性も……でも、ナノもワクワクが止まらないのです!」


 口では危険だと言いながらも、ナノも宝箱めがけて突進していく。


「お宝、お宝~!!」


 ロムラスは何なんだ……お前もお宝好きなのか……

 まあ、龍は金銀財宝を好むって言うし、納得といえば納得か。


「おいおい、みんな落ち着──ひゃっほおぉ!! 宝じゃあ!」


 もちろん、俺も宝箱へ一直線に駆け寄る。


 ──カチッ。

 ──ザシュッ。


 ……えっ?


「ご、ご主人──!! 木の矢が頭に!?」


「な、なのです~!?」


 ……どうやら、木の矢が飛んでくる罠を踏んだらしい。

 何で俺だけ……

 いや、俺だからまだ良かったか。


「……結構喰らったな。みんな、見ただろ? 罠があるらしいから気をつけるように」


「い、いや、ご主人、頭に矢が……」


「こんなもんかすり傷だ、ポーション飲んどけば治る」


「えぇ……頭に刺さっているのです……」


 余っていた【死霊のポーション】を使い切る。

 よし、これでHPは問題ないな。


「気にすんな。それより、宝箱だ!!」


 俺は元気よく宝箱へ駆け寄る。


「せ、せめて抜いていいのです?」


 ナノがユウタの頭に刺さった矢をそっと抜く。


「ひ、ひえぇ……さっきの牛の魔物よりも、よっぽど化物なのです……」


「心外な。──それよりいいのか、ナノ。宝箱開けちゃうぞ」


「待つのです! 見たいのです!!」


 四人で宝箱を取り囲む。


 少し朽ちていて、まるで海賊船に積んでありそうな木製の宝箱。

 見た感じ、特に高レア度って感じでもなさそうだが。



 ──それでもこの胸の高鳴りは抑えきれない。



「あ、開けるぞ……」


 そう言うと、ごくりと息を呑む音が聞こえる。


 みんなの視線が集中する中、俺は宝箱をそろりと開いた。



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