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異世界でも引き籠ってゲームばっかやってたら、知らないうちに世界最強の冒険者になってました  作者: やおよろずの
第二章 モルティス旧墓地のアンデッド
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第41話 ニューゲームの行末

 自分のモニターの前に戻り、カミサマに声をかける。



「席に戻ったぞ。早速だけど、みずっちにアップデート内容を聞いてもらえないか?」


「やれやれ、やっとか……ほれ、みずっち。答えてやってくれ」



 カミサマが一呼吸置き、みずっちの言葉を伝える。



「『大きな変更点は、ついにギルド機能が実装されたこと! いやあ、大変だったよ』」


「ギルド機能!?」



 思わず前のめりになる。


 『ギルド機能』──"アポカリプス・クロニクル"でも搭載されていた、プレイヤー同士でギルドを結成し、拠点を構えて活動できる機能だ。


 ただギルドを結成して一緒に活動する以外にも、ギルドランキングに応じた報酬や、ギルドポイントを用いた恩恵、ギルド防衛用の魔物の配置、拠点のデザインなど、オンゲーならではの楽しさが詰まった機能だった。



「そ、そんなこと可能なのか? だって、他にプレイヤーはいないんだろ?」


「『ところがどっこい。NPCと組めるようにしたのでぼっちにも安心!』」


「NPC……?」


「ワシの世界の住人のことらしいぞ。『例えば、錬金術師をギルドに入れると、その人が錬金のスキルを習得できるようになるんだ。他にもファストトラベルとか、ギルドポイントを利用して色々できるようにしてある』」


「うおおぉお!! 神アップデートきたこれ!!」



 これは本気で嬉しい。


 例えばローズマリーに【錬金】を、エリナに【鍛冶】を習得させられるなら……俺自身はそのスキルを習得する必要がなくなるわけだ。


 それだけでもかなりの朗報なのに、ギルドポイントとかいう神システムまで……!


 狂喜乱舞する俺に、カミサマはため息交じりに次のみずっちの伝言を伝え始めた。



「『あ、でも一つ注意点! ギルドを結成するには拠点が必要だからね』」


「え、きょ、拠点……?」



 俺は一瞬この部屋を見回す



「ここを拠点にすれば──」


「ダメらしいぞ。最低でも冒険者ギルドほどの土地が必要なんじゃとか。ほー、あとは人が住める環境らしいぞ。じゃから、そこら辺の草原でとかはダメじゃ」


「は!? 難易度高すぎだろ!? 運営はユーザ目線の開発をしろー!!」


「ほれ、みずっち。言われとるぞ。『いやいや、お金を稼ぐモチベになるからいいアップデートでしょ。じっくりお金を貯めてくださいな』……みずっち、大人じゃなあ」


「くっ……今でさえ金欠なのに……」



 武具やアイテムの購入資金に加えて、ルークの食費、ナノのおしゃれ代等々。とにかく、お金がかかるのだ。


 悔しいが、ギルド結成は後回しにするしかないか……



「他のアップデート内容はアップデート履歴を見てくれとのことじゃ。それでは、さらばじゃ~。ほれみずっち、あにめ~しょんの続きじゃ!!」



 そう言い残して、カミサマの気配が消えた。


 カミサマ、アニメにハマってるな……



「あー、あー、おにーさん! 攻撃が全然当たらないんですけどー? これって壊れてるんじゃないですかー?」



 ロムラスが困ったような顔で笑いながら、こっちを見て助けを求めてくる。


 見ると、ロムラスのキャラはガルムからかなり離れた場所で剣を振り回していた。



「そりゃそんなに離れてたら当たらないだろ」


「あはは~、でもね~。近づくのが怖いんだよねー☆」


「いや、ゲームの中だぞ?」



 ロムラスはカミサマご指名の護衛だ。


 ガルム程度に怖がっているようじゃ務まらない。



「だーから怖いんですよ~! この画面の中のボク、弱すぎちゃって! 本物のボクなら近づく必要もないのにー!」



 なるほど、アレか。


 サイ〇ンの子供パートが怖い、みたいなやつ。


 ホラゲーって主人公が弱いと怖さ倍増するからな。


 ゲームの中だと怖くない俺と真逆なんだな……



「大丈夫、数発攻撃を喰らっても死なないから」


「そうは言ってもですよ~。うーん、弱いってこんなに怖いものなんだねー。新発見!」



 ロムラスは恐る恐るガルムに近づくと、一心不乱に剣を振り回す。


 ガルムの攻撃を喰らうと「ぎゃー!」と叫んでいる。


 ……なんだか楽しそうだな。



「おりゃ! とう! 当たれー!──よっしゃあ! 倒したよ! ボク、案外才能あるかも☆」



 得意げにガッツポーズを決めるロムラス。


 何だか微笑ましいな。



「初めての魔物討伐、おめでとう。ほら、するとドロップアイテムが手に入るんだ」



 俺は画面左に表示された「【ガルムの小牙】を入手」という文字を指差す。



「ほうほう! 倒すだけでアイテムが勝手に手に入っちゃうんですかー? 便利すぎますねー☆」


「そうそう。あ、ちょっとメニュー見せてもらっていい?」


「め、めにゅー.....? またまた難しい単語が出てきちゃいました……」



 目を白黒させながら首を傾げるロムラス。



「説明するより見た方が早いな。ちょっと貸してみて」



 俺はロムラスからマウスとキーボードを借りると、ささっとメニューを表示させる。



「ほら、こんな感じで色んな情報が一覧で見れる」



 とりあえずステータスは、っと。


 

 = = = = = = = =

 >魔王 Lv. 1

 >【H P】 500

 >【M P】 100

 >【STA】 50

 >【ATK】 30

 >【DEF】 25

 >【SPD】 30

 >【INT】 35


 = = = = = = = =



「……え?」



 『魔王』──そう表示されたステータスは、レベル1のくせにどの数値も『人間 Lv. 17』であるユウタの数値をほとんど超えていた。



「待て待て待て、は? どういうことだ、どこだ?」



 いったいどこで、どのタイミングで、このキャラクターは魔王になったんだ?


 ゲーム開始時点で、ランダムで?


 いや、違う。俺は少し前のことを思い出す。



 『誰がニューゲームをクリックしたかを判別して、そいつそっくりのキャラクリをしてくれる機能……そこだけやけに高機能だな。』



 俺が人間であった以上、ニューゲームをクリックした瞬間、そのクリックした奴の種族を反映している。


 そう考える方が自然だ。



「ロムラス、お前……」



 頭の中で色々な点が繋がり始める。


 『まあ、こやつでよいか。それ、()()()()じゃ』


 『あはは、大丈夫。ボクは誰よりも強いよ』



「魔王、なのか?」



 一瞬の沈黙が訪れる。


 ロムラスはきょとんとした顔で、大きな緑色の瞳を瞬かせながら俺を見上げてきた。



「あ~、魔王って呼び方はちょっとイヤかなぁ~☆」



 ロムラスは困ったように笑いながら、両手を軽く振る。



「だってボクにはね~、もっとステキな肩書きがあるんですよ~。ボクはね、三龍の一角──」



 その瞳が、一瞬だけ鋭い光を宿す。



「紅闇龍のロムラスです☆」


「こ、紅闇龍……まさか」



 俺は慌てて他のメニューを確認する。


 ス、スキルは?



 = = = = = = = =

 >【魔王】 統率者として魔族を従え、強化する

 >【使徒】 絶対の忠誠を誓う従者を召喚する

 >【迷宮】 魔石の力を用いてダンジョンを創造する

 >【血脈】 他の魔族の特性を取り込み、自らの力とする

 >【変幻】 周囲のエーテルを自在に操作する

 >【神威】 威圧感で相手の意思を屈服させる

 >【侵食】 対象の種族を魔族へと変貌させる

 >【擬態】 他種族の特徴を完全に模倣し、その姿に変化する

 >【解放】 本来の姿と力を解き放つ

 >【崇拝】 崇拝者からの信仰を力へと変換する


 = = = = = = = =



「ぜ、全然違う……」



 スキルの表示が少し変わっているのは、アップデートの影響だろうか。


 なんにせよ、スキルの構成がユウタと全く違う……


 な、なんてことだ……



「──最高じゃねえか!!!」


「うわっ、いきなり大声出さないでくださいよ~!」



 大声で叫ぶ俺に、ロムラスが非難の目を向けた。

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