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異世界でも引き籠ってゲームばっかやってたら、知らないうちに世界最強の冒険者になってました  作者: やおよろずの
第二章 モルティス旧墓地のアンデッド
34/46

第33話 

遅れてすみません。。。

「ご主人ッッ!!」


「待った!」


 カバンから飛び出ようとするルークを制止する。


「どうして止めるんだ、ご主人!? 首から血を吸われてるんだぜ!?」


「いやまあそうなんだけどさ」


「危機感ねえな!?」


 少女はカラカラの喉を潤すかのように、一心不乱に血を吸っている。

 かなりの勢いだ。生身の人間だともう出血多量で死んでいるだろうな。


 でもまあ、ユウタはゲームキャラだから問題ないんだよなぁ。


「……うん。別にバッドステータスにもなってないし、ソウルバンシーのときみたいにレベルが下がることもなさそう。つまり、HPが減ってるだけか」


 それなら【死霊のポーション】で回復すれば問題なし。

 これ、ポーションを血液に変えてるみたいなもんだな。

 献血で食っていけそうだ。


「な、何を言っているのかわからねえが……ご主人が大丈夫というなら信じるぜ」


 困惑しつつも俺の言うことを聞いてくれるルークに少し信頼を寄せつつ、俺はHPゲージを確認し、タイミングを見計らって【死霊のポーション】を使用した。


「幼い少女に首から血を吸われながら、ポーションをがぶ飲みする人間……凄い絵だぜ……」


 確かに異様な光景だな……


 久方ぶりの()()だったのか、少女はしばらくユウタの血を吸い続けた。


「──ぷはぁっ!!」


 やっと満足したのか、少女は息を切らしながら顔を上げた。


「はあ、はあ……どうして死なないのです?」


 少女は完全に冷静さを取り戻したように、どこか虚ろな目でこちらを見つめてきた。


「いや殺すつもりだったのかよ!? やっぱこいつ敵だろ、ご主人!?」


「たぶん、殺すつもりなんじゃなくて、結果的に殺してきたんだろうな。この量の血を吸われたら、普通は死ぬし」


 ルークがなるほど、と頷く。


 少女は血に濡れた口元を拭いながら、困惑した様子でこちらを見つめている。


「……どうして吸血鬼に──ナノの眷属にならないのです?」


「……ご主人、コイツやっぱり吸血鬼みたいだな」


「吸血鬼……ルーク、知ってるのか?」


 もちろん俺も吸血鬼という概念は知ってる。

 血を吸う、十字架とニンニクに弱い、ということくらいは。


「ああ。人間に滅ぼされた魔族の一つだな」


「……ちょっと待ってくれ、人間に滅ぼされた? 魔族?」


「ああ。魔族っていうのは、人間以外の種族のことだ」


「エルフとかドワーフのことか?」


 脳裏にあの二人がよぎる。

 ギルド受付のドワーフのおっさん、そして性悪エルフのフランチェスカだ。

 そういえばあの性悪エルフ、最近見ないけどどうしたんだろうか。


 なんてことを考えている間に、ルークが説明を続ける。


「そうだな、その2種族も魔族だ。ただ、エルフやドワーフは()()()()魔族だ」


「……許された魔族?」


「……ここじゃなんだ。場所を変えようぜ、ご主人。いつ追手が戻ってくるかもわからないしな」


 確かにルークの言う通り、ここじゃ少女も落ち着いて話を出来ないだろう。


 少女にはもう一度ユウタの影に入ってもらい、俺たちは近くの宿屋の一室に移動した。

次話は明日07:10投稿予定です!

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