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異世界でも引き籠ってゲームばっかやってたら、知らないうちに世界最強の冒険者になってました  作者: やおよろずの
第二章 モルティス旧墓地のアンデッド
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第29話 飛行系の魔物と言えばやっぱり……

神の加護(ヒール)!──だいぶ、落ち着いてきましたか?」


「はぁ、はぁ……誰かがすぐに魔法を解除してくれれば」


「あー修行だから。さっきの修行だから。ほらきっとレベルも1上がってるって」


「レベルってなに。……でも、確かにまた一つ強くなったかも。まさか、ここまで見越して……」


 そんなわけないのに、アホなのか? この子は。


「そういえばヴァンスたちは──おっ、噂をすれば、だな」


 ヴァルドの視線の先に、エクリプスのメンバーが一仕事終えた表情で戻ってきていた。


「想定より時間がかかったが、こちらは討伐完了した。ユウタたちは──35体倒したという話は本当のようだな」


 ヴァンスはユウタの横で息絶えるガルーダを一瞥すると、静かに頷く。


「もう一体のガルーダは──なんだ? あの黒いモヤは」


「暗影魔法の闇纏(ダークシュラウド)で暗闇状態にしてる」


「暗影魔法って、また悪趣味だな。それで、あいつはどうするつもりなんだ?」


「またさっきのすげえヤツ使うのか?」


「いや、あれは消費MPが大きくて何回も使うとな」


 しかも集団戦に向いてないことも分かったし。


「じゃあ、今度こそ総力戦か?」


「そうだな、これだけ人数がいれば、アレで瞬殺できるか」


「瞬殺とはまた大きく出たな。どうするつもりだ?」


 エクリプスも興味深げだ。


 そんな大それたものではないけど……

 ゲームやったことある人なら大体知ってるアレだ。


「光輝魔法を使う」


「光輝魔法……?」


 光輝魔法の使い手であるリアナが呟いた。


「浄化や回復のイメージが強いけど……」


 エリーゼの言葉にリアナが頷く。


「はい、光輝魔法は神聖なる力を操る魔法体系であり、この状況で役に立つようなものではないと思いますが……」


「俺も神の加護(ヒール)で皆を癒すくらいしか思いつかないな」


「それも光輝魔法らしいな。俺は使えないけど」


 この世界で最も一般的な光輝魔法は神の加護(ヒール)らしいが、俺の魔法盤にはまだそんな魔法は出てこない。

 回復系は使えたら便利なんだけどな。


 なんて思いつつ、俺はアレをセットする。


「じゃ、ガルーダの暗闇状態が解けたら作戦開始だ」


「いや、作戦ってなんだよ」


「そりゃお前、アレだよ。飛んでる敵といえば、だ」


「……? なんだ?」


「まあ見てりゃ分かる」


 ガルーダを画面中央に捉える。

 ちょうど闇纏(ダークシュラウド)の霧が解けかかっていた。


「ズオォォォン!」


 ついに視界が晴れて、俺たち、そして仲間の亡骸を目にしたガルーダは怒り心頭で叫び声をあげる。

 そして、俺らに向かってお得意の突進を仕掛けてきた。


 ──いいか、古来より飛んでる相手には()()が有効なんだよ。

 古〇記にもそう書かれている。

 あとはゲームの攻略本とか。


「いいか、目を瞑っててくれよ!」


「「「???」」」


輝閃光(カテドフラッシュ)!!!」


 そう、飛んでるヤツは光で堕とすんだよ!

 

「ズアォォォン!?」


 輝閃光(カテドフラッシュ)が放った強烈な光がガルーダの目に飛び込む。

 そして、ガルーダの平衡感覚を狂わせる。


「ギャアアアア、目が、目がああぁぁぁ!!」


「ぐうっ!?」


「キャアアッ!?」


 ……やっぱり周囲にもダメージが。

 俺はモニターが一面真っ白になるだけなんだけど。


「もっと早く言えやああぁぁ!!!」


「まあまあ、ほら見てみろ」


「眩しくて見えねえよ!!!」


「ユウタ、私はちゃんと目を閉じていた」


 なんで得意げなんだ、フロン。


「お、おう、そうか。それよりほら、ガルーダが輝閃光(カテドフラッシュ)による眩暈と墜落の衝撃で動けないうちに叩くぞ」


 これなら片手で魔法を使わなくていいから、両手で【奇重石のハンマー】を持てていいんだよな。

 ササっと近寄って、両手でハンマーを振り回す。


 ガツッ、ガン、ガンッ。


 俺がボカボカやってる横で、フロンが呼吸を整えるのが見えた。


「ふぅっ……〈薄桜衝(はくおうしょう)〉っ!」


 フロンが剣を大きく振りかぶると、桜色の光が剣身を包み込んでいく。

 その輝きは徐々に強さを増していき、やがて極薄の刃となって現れた。

 地面に伏したガルーダに向かって、フロンは剣を振り下ろす。

 

────────────────────

>ドロップアイテム 【王鳥の心核】を入手

────────────────────


 ……えっ、火力やば。

 まだHPゲージ三分の一くらいあったぞ。


「──な、なんだ……今の一瞬でガルーダが死んでる……」


 やっと視界を取り戻したニックスが、理解できない様子で立ち尽くす。


「な、何が起きたんだ……?」


「ユウタがガルーダを落としてくれたから、〈薄桜衝(はくおうしょう)〉でトドメを刺した。予備動作が大きいから普段は使わない剣技だけど、役立った」


「す、すごい連携力だな。あの一瞬でユウタの言葉を信じて目を閉じることが出来たのか……」


「私とユウタはパーティだから当たり前」


「いやナチュラルに嘘ついてる!? お断りしたよね!?」


「……なんにせよ、ガルーダ3体討伐か。これだけ倒せば、ガンドルも満足だろう。そもそもの依頼が、『大量発生したガルーダの調査と可能な限りの討伐』だからな」


 ヴァンスが満足げに頷いた。


「え、もう終わるのか?」


 以前ク・タ・フィリア峡谷に来たときは、もう少し奥に進めば他にもガルーダがいた。

 弓を撃って輝閃光(カテドフラッシュ)で落として殴るだけで倒せる上に、素材が高値で売れるからかなり美味いんだよな。


「もう終わる、って。そりゃお前、ガルーダだぜ?Bランクの魔物3体って分かってて言ってるのか?」


 ニックスが半ば呆れたような目で見てくる。


「ニックスの言う通り、我々エクリプスは先ほどの戦闘で体内エーテルを相当量消費した。確かにユウタの戦法を用いればまだ倒せるかもしれないが、この体内エーテル量では万一の際に他の手段を取ることができない。我々はそのような危険を冒さないことで、プラチナ級冒険者に登り詰めることができた」


「悪いが、俺もヴァンスと同意見だ。それに、()()()()を入口まで持って帰らないといけないしな。あとはギルドの回収班が何とかしてくれるだろうし」


 ヴァルド、お前今回何もしてないだろ……


「そうだそうだ、お前ら氷結は使えるか? ガルーダの肉は美味いから、悪くならないように凍らせておいた方がいい」


「あ、それなら私使える!」


「じゃあ頼むわ。今日はガルーダの肉でパーッとやろうぜ!」


 もうすっかり打ち上げ気分のシルフォスに辟易しつつ、俺はさっきドロップしたアイテムを思い出す。


 【王鳥の心核】って、多分レアアイテムだよな?


 魔物図鑑で確認してみるか?


────────────────────

≪基本情報≫

【魔物名】 ガルーダ

【種 族】 魔鳥種

【危険度】 B

【討伐数】 37/10


≪ドロップ≫

【通 常】 ガルーダの肉、ガルーダの青銅翼

【希 少】 王鳥の心核


≪解説≫

鷹に似た姿を持つ巨大な魔鳥。全身が青緑色の金属的な羽毛で覆われており、鋭い嘴と爪を持つ。

主に高山や深い峡谷に生息し、広大な縄張りを持つ。高速で飛行し、中型の魔獣を好んで捕食する。翼から強力な風を起こす能力を持ち、時に竜巻を生み出すこともある他、知能が高く落石による攻撃も行う。


通常は単独で行動するが、群れを形成して大型の獲物を狩ることもある。繁殖は三年に一度で、卵を産み育てる姿が観測されている。


数十年に一度、ガルーダの中でも並外れた巨躯を持つガルーダロードの姿が確認されている。ガルーダロードは一度に五百の卵を産み落とすとされ、ガルーダたちは群れを作ってこれらを守る習性がある。


古来より空の王者として崇められ、その羽は幸運のシンボルとされてきた。一方、現存するガルーダは、かつて存在したとされる「ガルーダ原種」の末裔であることが研究により明らかとなっている。また、古文書にもガルーダ原種についての記載が見られ、ガルーダ原種は炎のように光り輝く羽を持ち、炎神鳥と呼ばれていた。現存するガルーダがなぜこのような姿に進化したかは未解明であるものの、エーテル濃度の変化が一因である可能性が高く、太古に大規模なエーテル濃度変化が発生した証拠とする動きもある。

────────────────────


 おおっ! やっぱりレアドロップ!

 Bランクの魔物のレアドロップならかなりの価値があるのでは?


 仕方ない、今回はレアドロップに免じて引き上げるとするか。

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