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異世界でも引き籠ってゲームばっかやってたら、知らないうちに世界最強の冒険者になってました  作者: やおよろずの
第二章 モルティス旧墓地のアンデッド
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第21.5話 黒い石

 霧深い墓地に静寂が戻り、アンデッドたちの姿も消えた。

 月明かりだけが、墓石の間を照らしている。


 ──赤黒い長髪を後ろで束ねた男が、墓石の陰から姿を現した。


 鋭い瞳で辺りをゆっくりと見回す。


 男は耳の裏を触ると、独り言のように話し始めた。


「ふむ。今回の検証は成功でしたね」


 男は手に持った小さな黒い石に目を落とす。


「そうですね、死霊種には前から目をつけていましたが……。まさかこれほど簡単に大量発生を引き起こせるとは。これもあのババア──うぉっほん、彼女がエーテルの色の研究を進めてくれたおかげですかね」


 男は首を軽くかしげ、まるで誰かと会話をしているかのように続ける。


「はい、アンデッドは既に掃討済みですよ。まあ、想定とは大きく異なりましたが……。いえ、何でもありません。──それにしても、こんなちっぽけな石ころ一つでこれだけのアンデッドを生み出せるとは……。魔結晶の色を変えただけなのですが。やはり、アンデッドを利用するという目論見は正しそうですね」


 男は黒の石を月明かりに翳し、じっくりと観察する。


「はい、はい、試作品でしたが十分な数のアンデッドを生み出すことが。……そうですね、コストについては考えなければなりませんが、一旦は成功で良いんじゃないでしょうか」


 彼は指で近くの墓石を軽くたたきながら、会話を続ける。


「ああ、召喚の方の研究は行き詰っているようですね。まあこうして、代替案が見つかって良かったですが。で、次の一手ですが……なるほど、分かりました。魔人化の方は私の方で。はい。はい。……では、また」


 男は唇の端をわずかに上げ、そっと耳から手を離した。 


「それにしても、あの冒険者……」


 男は腕を組み、人差し指で肘を軽く叩く。


 先ほどの冒険者たちのことを考えていた。


「まあ、いいでしょう」


 男は薄く笑うと、黒の石をポケットにしまった。


 そして踵を返し、闇に溶け込むようにモルティス旧墓地の奥へと消えていった。


 彼の姿が見えなくなった後も、かすかな足音だけが夜の静寂を破っていた。


次話は19:10投稿予定です!

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