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異世界でも引き籠ってゲームばっかやってたら、知らないうちに世界最強の冒険者になってました  作者: やおよろずの
第二章 モルティス旧墓地のアンデッド
20/46

第20話 死亡フラグが立ちました...?

「なっ──!?」


 完璧なタイミングで振り下ろしたはずの一撃は、ソウルバンシーの身体をすり抜け、地面を強く叩きつけた。

 衝撃で土埃が辺りに巻き上がる。


 こ、こいつまさか、物理攻撃無効か!?


 ──そう思った瞬間、ソウルバンシーはユウタに正面から抱きついてきた。


 そのまま包み込むように両肩に手を回し、しっかりと抱きしめられる。


 そしてユウタを見つめると、優しく微笑む。

 その柔和な表情の中には、絶対に獲物を逃がさないという、どこか執着のような感情が垣間見えた。


────────────────────

>ソウルバンシーのレベルドレイン!

>戦闘の記憶が失われていく...!

────────────────────


「レベルドレイン!?」


 俺は思わずモニターの前で叫ぶ。


 レベルドレイン──対象の経験値を奪い、使用者のものにする能力。


 考えうる限り最悪の能力であり、ゲーマーが最も忌み嫌う効果と言っても差し支えないはずだ。


 だって、レベルが下がる=全ステータスが下がる、だけではなく、レベル上げに費やした時間が無意味になるのだから。


 確かに、アンデッドが使用する例は多い。


 だが、余りにも予想外だった。


「ちょ、離せ!! 誰か~! この人痴漢ですぅ!!」


「心外な……」


 ……ん? 今、ハスキーな女性のボイスが聞こえてきたような──?


「……今、喋った?」


「……」


 いや、今喋ったよね!?


 おい、ソウルバンシー!! 何とか言えや!!


 ──コイツ、黙りやがって!!


 俺が取り乱していると、ヴァルドが異変に気付き、駆け寄ってきた。


「ユウタ、大丈夫か!? うおおぉっ! ユウタから離れろ!!」


 彼はソウルバンシー目がけて必死に剣を振るうが、やはりダメージを与えることはできない。

 やはり、魔法で攻撃するしかないのだろう。


 けど、もうユウタにはMPが残ってないんだよな……


────────────────────

>レベルが8に下がった!

────────────────────


 ああっ、俺のレベルが……!


「フフフ……」


「クソっ、離せ変態! 痴女! ドスケベアンデッド性悪女!!」


「ヒドすぎ……」


 やっぱり言葉通じてるだろソウルバンシー!!


「ヴァルド、この魔物には物理攻撃が効かないみたいだ」


「な……!! そんなやつがいるのか!?」


「魔法で攻撃してみてくれないか?」


「……すまない、俺たち全員、体内エーテルが残っていない」


 体内エーテルとはMPのことだろう。


 即ち、これは()()というやつだ。


「フフフ……」


 こうして手をこまねいている間にも、ソウルバンシーはユウタの経験値を吸い取っていく。

 クソっ、レベル上げ直しかよ……!!


 ……いや、待てよ?


 俺は慌ててメニュー画面からステータスを確認する。


────────────────────

 >人間 Lv. 8

 >【H P】 200

 >【M P】 38

 >【STA】 14

 >【ATK】 14

 >【DEF】 12

 >【SPD】 12

 >【INT】 12

────────────────────


 今のユウタのレベルは8だ。

 そして、レベルアップにより得られたスキルポイントは12、エーテルコアは8。


 もしかしてだが……

 俺はソウルバンシーが経験値を吸い取るのを待つ。


────────────────────

>レベルが7に下がった!

────────────────────


 キタ!

 ステータスは──


────────────────────

 >人間 Lv. 7

 >【H P】 190

 >【M P】 34

 >【STA】 13

 >【ATK】 13

 >【DEF】 11

 >【SPD】 11

 >【INT】 11

────────────────────


 やはり、各ステータスはダウンしている。

 一方で、スキルポイントはというと……


「──12……12のままだ」


 レベルドレインにより経験値が吸い取られた結果、レベルが下がり、ステータスは減少する。

 一方で、レベルアップによって得られたスキルポイントは減少しないみたいだ。

 ……うん、エーテルコアも8──レベルダウン前と同じポイントを持ったままだ。


 つまりこれ、『いくらでもスキルポイント、エーテルコアを稼ぎ放題』、ってことでは?


 ──これ、見つけたか?


「くそおっっ!! ユウタから離れろっ!!」


 俺がこの世界の裏技に震えている間にも、ヴァルドは必死に攻撃を続けていた。


「うおおっっ!!」


 ついには剣を捨てて、ソウルバンシーを手で引きはがそうとする。

 すると、ソウルバンシーに触れた部分が枯れるようにやせ細っていった。


「ヴァルド! お前まで生命力吸われてどうする!」


「だって……ユウタ!」


「俺は大丈夫だ、というか今めっちゃいい感じだからしばらく放置しててくれ。何なら帰ってていいぞ」


「は、はあ!? な、何を言ってるんだ?……そ、そうか、お前ソウルバンシーに精神を……」


「いや、違う違う。俺は至って正常だから。今可愛い可愛いソウルバンシーちゃんに精魂吸いつくしてもらってるところだから。ねー、ソウルバンシーちゃん♡♡♡」


「……」


「……ユ、ユウタ。お前がどんな性癖だろうと、俺は否定しないぞ。ただ、お前を置いていくわけには……」


 ヴァルドにソウルバンシーまで、そんな異常者を見るような目で見ないでくれ。

 俺はただ、ソウルバンシーちゃんにぜ~んぶ絞りつくされて気持ちよくなってるだけだから。


「ヴァルド、俺のことは置いて、先に逃げてくれ。俺も後から必ず追いつく!」


「そ、そんなこと出来るかよ! 例えお前がアンデッドに生命力吸われて快感を得る異常性癖者だとしても、置いて行けるわけないだろ!? そんなセリフ吐くんじゃねえ!!」


「いや、ほんとほんと。後から行くから! 行けたら行くから!」


「行けたら行くは大抵来ねえんだよ! おい! 離せコラぁ!」


「……私も離れたい」


「離れないで!? もうちょっと吸い取って!?」


「くそおっっ!! ソウルバンシーめ、離れろこのクソ女!!!」


「ヴァルド!! ソウルバンシーちゃんに何てこと言うんだ! 吸い取ってくれなくなるだろ!?」


「さっきお前に助けてもらった命だ、お前も死ぬなら俺も死ぬ!!!」


「違う!! 逃げろヴァルド! 俺のことは良いから先に行けぇ!!」


────────────────────

>レベルが6に下がった!

────────────────────


次話は19:10投稿予定です!

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