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異世界でも引き籠ってゲームばっかやってたら、知らないうちに世界最強の冒険者になってました  作者: やおよろずの
第二章 モルティス旧墓地のアンデッド
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第17話 アンデッド100体でキルかな

「ぐああっ!?」


 冒険者たちの悲鳴が墓地に響き渡る。

 グールの鋭い爪が、一人の冒険者の腕を切り裂き、血飛沫が舞う。


「ぐううっ! う、腕をやられた……!!」


「ガレス!!」


 負傷した腕には力が入らず、ガレスはついにメイスを落とす。


 それは、前線の崩壊を意味していた。


「くそっ! もう、持たん……!」


「キャアアッ!?」


 アンデッドたちの腕が後衛の二人に伸びる。


「や、やだ!! 死にたくない!!」


 死霊の腕が少女たちの命を奪おうとするまさにその時、燃え盛る火球がゾンビたちを焼き尽くす。


 《火炎球》っと。

 ……おっ、出た出た! かっけ~!


 火の塊が宙を飛んでいくと、冒険者たちに群がる死霊種に命中し燃え上がる。

 ゾンビたちは悶え苦しむと、そのまま絶命していった。


 初めて魔法を使ってみたけど、めっちゃ便利だな。


 ユウタには五大元素盤の各属性の最初級魔法をショートカットにセットしていたので、今みたいに出したいときにそのキーを押すだけですぐに発動することが出来た。

 

────────────────────

>ドロップアイテム 【腐敗した肉】を入手

>ドロップアイテム 【骨片】を入手

────────────────────


 よしよし、ローズマリーご依頼のアイテムもドロップ出来ることを確認、っと。


「ひ、ひぃい……」


 後衛の少女はあまりの恐怖に腰を抜かしてしまったようで、その場に座り込んでしまった。


「お、お前は……!?」


「誰でもいい! 今がチャンスだ!!」


 前衛らしき男は少女を抱える。


「このまま突破するぞ!!」


 冒険者たちはユウタの《火炎球》により出来た空間に流れ込み、なんとかアンデッドの包囲網を抜けることが出来た。


「は、はあ、はあ……助かった……」


「ぐううっ……」


 ひ、ひどいケガだ。

 腕がズタズタに引き裂かれている……


「──ポーション、どぞ」


 ()()()だけど。

 そのことは秘密に、俺は死霊のポーションを『手に持つ』。


「えっ!? い、いいのか……?」


「ああ、めっちゃ高かったから味わって飲んでくれ」


 嘘です。タダです。


「あ、ありがたい....!」


 深手を負った冒険者は死霊のポーションを受け取ると、ごくごくと飲み始めた。

 そして、半分ほど飲んだところで今度はポーションを傷口にかける。

 なるほど、消毒的な効果もあるのだろうか。


 ……【腐敗した肉】で出来たことを知っていると、なんとも言えない気持ちになるな。

 なんか逆に菌とか入りそう……


「はあ、はあ、た、助かった。ありがとう」


「腕、大丈夫なのか?」


「ああ、おかげさまで切断する事態は避けられそうだ」


 なるほど、即時回復はしないのか。

 段々と回復していく感じなんだな。


「と、というか誰なんだ? どうしてここに?」


「えー、アポクロの最古参ギルドの一つ”レンデュランズ”のサブリーダーの高橋優太です」


「……お、おう。ユウタか。俺はヴァルド。で、右からガレス、シャルフ、後ろの二人がエリーゼとリアナだ。それでユウタ、どうしてここにいるんだ?」


「アンデッドを狩るとギルドから報酬がもらえると聞いて」


 他にもドロップアイテムやレベル上げなどの目的もあるが。


「……変わったやつだな。アンデッドなんていくらもらっても戦いたくない相手なのに」


「そうは言いつつ、こうして来てるくせに」


 後衛の女性冒険者がそう突っ込む。


「仕方ないだろ、『このままだと街にまでアンデッドが押し寄せてくる』とかガンドルさんが言うから──ちっ、こんなに危険だと知っていたら」


「明らかに異常よね、ここ」


「ああ。アンデッドどもの数もそうだが、なによりあのグールとルストだ」


「異常事態だ。何が起こってるのか分からんが、ほっとくとガンドルさんの言うように街に危険が及びかねない」


「その通りだ。一刻も早く撤退して、ギルドに報告しなければ……」


「この数は、プラチナ級冒険者の手を借りる必要があるかもしれん。もしかするとその更に上──無手の剣士の力を借りることも考えねば」


「ミルドナイト級冒険者──無手の剣士セリーナか。なんにせよ、早く帰らなければ」


 そう言うと、ヴァルドはアンデッドの群れに目を向ける。

 かなり距離を取ったはずが、もうそこまで迫ってきていた。


「ユウタ、先導してくれ」


「えっ? いや、俺はアンデッド100体倒すまで帰れま10やるつもりなんだけど」


 そう言うと、冒険者たちは唖然とした。


「何言ってんだ!! 見ろ、あのアンデッドの数を!!」


「グールにルストまでいるんだぞ!?」


「はいはい」


 うるさい外野は置いといて、さっさとヤろう♠


 俺は左クリックを押下し、武器を構える。

 【奇重石のハンマー】だ。


「おい、待て! マジで何考えてるんだ!?」


 ヴァルドが慌てて俺の肩を掴もうとするが、俺はすでに動き出していた。


「ヒャッハー! アンデッドは粉砕だァ~!!」


 俺は軽やかにアンデッドの群れに飛び込むと、左クリックを長押し──溜めのモーションに入る。


「グオォォォ……」


 目の前のゾンビが腕を伸ばしてくるが、そんなの関係ない。


「どりゃあああっ!」


 溜めた一撃を解放すると、ゾンビは頭から叩き潰され──木っ端微塵に砕け散った。


────────────────────

>ドロップアイテム 【腐敗した肉】を入手

────────────────────


 よし、2体目。

 この調子なら100体と言わず200体はいけるぞ。


「な、何なんだ、あいつ……」


「アンデッドの前で固まったかと思うと、ゾンビを一撃で……」


 俺はそんな声を聞き流しながら、次々とアンデッドを薙ぎ倒していく。

 うーん、縦振りよりも横振りの溜めの方が複数体巻き込めるか?


 などと色々試していると。


「ん? あれがグールってやつか?」


 俺の視線の先には、先ほど冒険者たちを追い詰めていたグールがいた。

 灰色がかった皮膚の大男ゾンビだ。

 あの鋭い爪での一撃は、確かに大ダメージを喰らいかねないな。


「…………」


 グールは俺を見つけると、獲物を見つけた猛獣のように目を血走らせる。

 だが、移動速度はそこまでではないようだ。


 俺はグールたちを正面に捉えたまま、後ろに下がる。

 すると、グールたちは俺目がけてついてくる。


 だが、俺の方が移動速度が速いので、彼らが俺に追いつくことは決してない。

 ゾンビゲーでよくあるトレインってやつだ。


「な、なんだあれ……」


「ア、アンデッドを引き連れてる……」


 うーん、トレインするなら明らかに遠距離武器の方が良かったかも。

 こんなことなら弓にすればよかったか?

 ただ、どう考えてもスケルトンに効かないよな。骨の間すり抜けるだろ……


 ──ああ、魔法で代用するか。


 せっかくだし、セットしておいた五大元素盤の魔法たちを一つずつ使っていく。


 火炎魔法の《火炎球》──安定と信頼の高ダメージ。


 氷結魔法の《氷結針》──弓と同じ刺突属性のせいか、ダメージは僅か。


 雷電魔法の《連裂雷》──当てやすく、近くの敵にダメージが連鎖した。

 

 風空魔法の《風切》──当たり判定が広いのか当てやすいのがグッド。


 地砕魔法の《岩塊》──打撃属性だからアンデッドに効きやすいようだ。


 などと色々試していると、知らんうちにグールとルストがお亡くなりに。

 いや、元から死んでたんだけども。


 というかルスト、お前出番無かったな……


────────────────────

>ドロップアイテム 【グールの爪】を入手

>ドロップアイテム 【黒化した骨】を入手

────────────────────


 しっかりとグールとルストのドロップアイテムもゲット。

 この調子で、討伐100体できるかな、っと。


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