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第10話:失われし魔法の力

夕暮れの中、勇者殺しの山を登るパーテは、ついに山頂にたどり着いた。

勇者パーテと精霊が対峙する。精霊は古びた宝箱を背にしている。


「魔物? お前だな! この山に糸のトラップを仕掛けていたのは!」勇者

「私は勇者様にお仕えする守護精霊。今は亡き、勇者様の遺品をお守りしています。あなた方の立場からすれば、凶悪な魔物でしかないでしょうね」精霊

「ああそうだ! よく聞け、殺人怪物! 勇者の遺品とやらはすべて俺がいただくっ! 山の管理者である王様には、許可を取ってあるからな! 拒否すれば殺す! 素直に渡せば、今回限りは見逃してやるぜ!」勇者

「応じるわけないでしょう。死ぬのはあなたです。私の存在も、勇者様の遺品のことも、どちらも知られるわけにはいきません。あなたは情報もろとも殺す!」精霊

「そうかよっ! 悪魔みてーな異物めが! 地の底に埋め尽くしてやるよ! 二度と糸張りなんかできない体にしてやんよ! うお!?」勇者


パーテが剣を構えると、精霊は土を蹴りつける。

パーテが目を覆っているうちに、精霊は何かを唱え始める。


「……ぅ、……すょ、……っ」精霊

「くっ、なにしてんだ? まあいい、死ねっ!」勇者


パーテは、動きのない精霊にナイフを投げつける。

しかしその時! ナイフは軌道を変え、パーテに向かって飛んでいく!

パーテはとっさに回避するが、ナイフは再び軌道を変え、パーテの背後を狙う!


「な、なにぃ!? 呪われてるのかこのゴミクズがあぁーっ!」勇者


パーテは剣でナイフを叩き落とし、そのまま何度も突き刺すことで、ナイフを地中に沈める。

地中のナイフはガタガタと揺れていたが、やがて動きを止めた。


しかし間もなく、今度は火球がパーテに放たれる。

今度のパーテは迎撃体制もとらず、走って回避する。


しかし! 走って避けたパーテの腹には、細く深い切り傷ができていた!

パーテの腹から、多量の血が滲む。

パーテの血液は細い糸を、赤く照らし出している。


「ぐあぁっ! この野郎がぁ! やっぱり糸の罠を張ってやがったか!」勇者

「念のために詠唱していてよかった。その装備でここにたどり着いたのは、魔法糸に気づいていたからだと思っていましたよ」精霊

「いってて! ぐ、魔法だとぉ? 舐めたこと抜かしやがって! そんなものが使えるってんなら、テメェは神か魔王か!?」勇者

「精霊ですよ。頭悪いんですね」精霊

「てめえの頭は潰す! そーら潰すぅっ!」勇者


パーテは、剣を素早く振りながら突き進む。

剣を振る度に、ばちんばちんと見えない糸が切られていく。

しかし、精霊に剣が届くよりも前に、パーテの動きは止まった。


「な、なんて無鉄砲な! 今のは危なかった! ですが、お腹が裂けていたおかげで、浮遊魔法に抵抗するだけの力はないようですねっ!」精霊

「か、体が動かねーっ! 腹痛ぇ!」勇者

「火球は詠唱時間がかかる上、併用ができない……。このまま浮遊魔法で落下死させるっ!」精霊

「てめえが死ねぇ!」勇者


動きが止まっていたパーテだが、腕だけが徐々に動き、剣を精霊に投げつけた!

しかし、剣は精霊の真横をかすめ、背後の宝箱に突き刺さった!


「え!? あっ、ぎああああぁっ!?」精霊


精霊が後ろ向いて、悲痛な叫びをあげる。

と同時に、浮遊魔法から解放されたパーテは、懐からハンマーを取り出し、精霊に向けて叩きつけるかのように投げ放つ。

ハンマーの勢いは、精霊の頭部だけでは止まることなく、精霊の脳を半分ほど引きずり出して、山の下へと飛んでいくのだった。


「あ、がぁ……っ!」精霊

「まだ言葉を発するかっ! この危険生物がぁっ!」勇者


ふらつく精霊を一刀両断するパーテ。

そして、二つに分離した精霊の体を、別々の方向に蹴落した。


「はぁ、はぁっ。……魔法を信じるわけじゃねーけど、魔法と思えるくらい危険で、謎の多い攻撃方法だった! あれは殺して正解だな。あー痛たた」勇者


パーテは腹部の傷を押さえる。

ひとまずの危機を退けたパーテ。

しかし、魔法という未知の力によって、傷を負ってしまう。

果たして、パーテはこれからの戦いを生き抜くことはできるのか?

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