1話 転生したらTSしてました。
この作品は、「ある日、世界に魔法が生まれました。~俺が描くのは平和な世界~」の平行世界となっておりますが、こちらだけみても話が理解できるようにしておりますのでご安心ください。
俺は蒼木奈太郎、コミュ障なのを除けばごく普通の高校1年である。
「蒼木君今日は何かテンション高いね、何か良い事でもあったの?」
コイツは幼馴染で同じクラスの小埜才菜。才菜とは家が近い事もあり、昔から仲が良いい。
今は学校も終わり、駅のホームで帰りの電車を才菜と待ちながら適当な話をしていた。
「別に?」
嘘だ、俺が好きなTS系の漫画のアニメ化が決定されたからだ。
その漫画が商業版になる前から見ていたので、アニメ化は自分の事のように嬉しかった。
まあ当時は中学生だった事もあり、同人イベントには行ってないから
「それより、明日英語のテストだよ?ちゃんと・・」
いきなり何者かが、後ろから才菜をホームに落とそうと、才菜を押した。才菜はあまりいきなりの出来事に自分の状況を理解できずにいた。
「才菜危ない!」
俺は才菜の手を掴んだ、しかし非力な俺には才菜を引っ張り上げる力はない、それならば!
「蒼木君‼」
俺は自分を身代わりにして才菜を助け、そして電車に引かれて死んだ。せめて好きなTS作品のアニメが終わるまでは生きたかったな。
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目が覚めると何処かの教会のような場所にいた。
「初めまして蒼木奈太郎君、私は君の異世界転生を担当する創作神のメイディアよろしくね」
「・・・・・・異世界転生?」
死んだと思ったら知らない場所にいて自称創造神に話かけられて、てんぱってしまいやっとの思いで出せた言葉がそれだけだった。
「うん、君も分かってると思うけど君は死んでしまった」
・・・そうか、目が覚めた時もしかして助かった?と思ったけどそんなことは無かったか。
「本来死んでしまった人の魂は今までの記憶を消して新しい人生を歩んでもらう事になってるんだけど、君の場合はこの世への未練が強すぎて記憶を消す事が困難なんだよ。」
才菜を突き落とそうとした男は何だったのか、才菜は無事なのか、TS系漫画のアニメはどんな感じだったのか、色々知りたい事が多いからそれが未練ってやつなのか?
「だから君がよければ、魔法が存在する異世界に転生してもらい、そこで新しい人生を初めてもらって、強い未練を消す事にした。」
「それって、何か強力な能力とかってもらえるんですか?」
俺は知っている、異世界転生と言ったらチート級の能力をてに入れて無双するのが定番だ。
せっかく異世界に転生するなら俺も無双してみたい。
「良いよ君が望む能力言ってみ、できる限り希望に沿うようにしよう」
なんて太っ腹な神様だ、それじゃあ遠慮なく
「自分の考えたキャラクターを生み出せるような能力が欲しいです」
俺もアニメの主人公達みたいに戦闘に特化した能力をもらって、自分が戦場で無双するのも考えたが、いくら能力が凄くても運動を全くしてこなかった俺がもらった所で、戦いのプロに勝てるわけがない。
ただの宝の持ち腐れだ。
それならば、戦いに強いキャラクターを生み出して、自分の代わりに戦ってもらえばいい。
我ながら屑だと思うけど、俺も死にたくはないので仕方あるまい。
「蒼木君、君面白い事考えるね、良いよ。」
「本当ですか?!」
コレで俺もチート系主人公の仲間入りか、悪くないな。
「その代わり、条件がある。
其の1、向こうが危害を加えない限り、人とは敵対しない事。
其の2、向こうの社会にはあまり手を出さない事。
其の3、私の弟子になる事。
この3つのことを約束してくれるなら君に、自分の考えたキャラクターを生み出す力を与えようと思う。」
其の3は気になるが、せっかくチート能力をくれるといっているんだ。元々人とは敵対するつもりもないし、この条件を呑まない理由はない!
「分かりました、約束します」
「良いでしょう、それでは転生の方始めるから。心の準備しておいて。」
「分かりました」
「あとそれと人目を避けるため、森に送るからくれぐれも魔物に食べられないよう注意して」
「へっ・・?」
次の瞬間目の前が真っ暗になった。
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目が覚めると、薄暗い森の中にいた。とりあえず今の自分の状況を確認しよう。
「あーあーテストテスト」
声は転生前とは違い幼い女の子のものになっていた。自分の下を見下ろすと、電車に引かれ死んだときに着ていた高校の制服が大きくなってダボダボになってた。いや多分制服が大きくなったのではなく、俺が小さくなったんだと思う。こんなに制服が大きいと、この体では着ることはできなさそうだ、いやそれよりも体はどうなっている?
恐る恐る、下を確認するとアレが消えていた。
まだ童貞だったのに、まあ使う事はなさそうだったから別にいいか。
それよりも、もしかして今の俺の体は小さい女の子のものなのか?!俺もTSしてしまったのか?!水面があれば自分の姿を確認できるのだけど、探しに行く前にまずは服をどうにかしなければ。
何か身を隠せる物が無いか周りをキョロキョロしていると、俺が倒れていた場所に本のような物とペンのな物が落ちていたことに気が付いた。本を開くと日本語でメッセージが書かれていた。
『蒼木奈太郎君へ
コレを読んでると言うことは起きたんだね蒼木君、どうやら女の子になったみたいだね。このノートと近くに置いてあるペンは君が望んでたキャラクターを生み出す力を使う時に必要になるから大切にもっておいてね。それでは君の新しい人生が良いものになる事を願っているよ。
・・・・創造神メイディア』
女の子の体になった事知ってるんだったら、服の一つ置いて欲しかったな。
いや、せっかくキャラを生み出せる力があるのならば、服を生み出せるキャラを作ればいいだけなのでは?
俺は今の体に合う服を手に入れる為、服を生み出せるキャラを生み出してみる事にした。
といっても、やり方はしらないのでとりあえず適当にやってみるしかない。
ノートとペンが必要と書いてあったから絵を描けばいいのだろうか?
よし、こんな感じで良いだろう。
【ファッション・メカ】
ファッションに関する、あらゆる物を生み出せる人型のキャラ。
絵を描き終え、最後にその絵の横に自分のサインを描くと、そのページが光り出した。
なんとなくでやってみたがどうやら成功したっぽい。
光が止むと目の前には俺がさっき描いた通りの見た目をした者がいた。
「私はファッション・メカ、ファッションの事なら何でもお任せ下さい」
スゲー!喋った!自分で生み出したキャラだが、実際に生きているとこを見たりすると驚きを隠せない。
「この体のサイズで、メンズの下着と服をお願いしたい、それと鏡も出して欲しい」
「分かりました、しばらくお待ちください」
そうゆうと、ファッション・メカは何やら呪文を唱え始めた。
するとファッション・メカの手元にメンズの服や下着が現れた。
「メンズのものでよろしかったのですか?」
「勿論」
俺がそう答えるとさっき現れた服や下着を渡してくれた。
今の体は女の子だけど、心は男だ。女性用のやつを着れる訳ないだろ。
早速手渡された服を着てみた、サイズピッタリだしコレで大丈夫だろう。
「鏡をお渡しします、コレでご自分のお姿をご確認下さい。」
そう言ってファッション・メカは俺が着替え終わったタイミングで手鏡を渡してくれた。
鏡に映っていたのは、メンズ物を着ている純白な髪の幼そうな可愛い女の子だった。
自分で女性の服を着てみた姿を造像してみたが、中身は自分な訳で少し恥ずかしかった。
俺は手鏡を返し、お礼もちゃんと言った。
「ファッション・メカ、サンキューな」
「ファッションの事で困った事があれば、またいつでもお呼び下さい。私も含め、貴方に生み出された者達はノートの中で待機するようになっておりますので。 それでは私はノートの方に戻ります。」
そう言って、ファッション・メカは自分でノートの方にもどっていった。本の中を確認すると、さっき描いたファッション・メカの絵があった。どうやら呼び出されていない時は絵の状態に戻って、このノートの中にいるようだ。
これで服装の問題は解決したことだし、次はこの森から抜け出す事を考えよう。周りはだんだん暗くなっていた。
最後まで見ていただきありがとうございます!
この作品が面白ければ「ある日、世界に魔法が生まれました。~俺が描くのは平和な世界~」の方もみにいっていただけると幸いです。
今はまだ描けていませんか、向こうの方もTS展開を予定しております。