手紙
それは約一年半前の年明けの頃だったと美月は覚えている。
郵便課の職員として働きだして間もない頃で、その直後に迎えた年末年始に郵便課は大忙しで、美月も毎日寒空の下を駆け回っていた。
そうして三箇日があっという間に過ぎ、新年の気分も抜け、年賀状を届ける件数も大分減り始めた頃、その人に初めて会った。
寒空の下、巽区のとある場所に置かれた郵便箱の前で佇むその女性に。
後ろ髪の一房を黄色に染めた漆黒の髪と、漆黒と黄色混じりの瞳を持ったその人の第一印象は、極々普通の女の人だった。
「お疲れ様です!」
美月が元気良く挨拶をしながら、郵便箱の中に投函されていた手紙を回収し、そしてそれらを肩掛けの仕事鞄に詰め込んでいく。
「……あの、これもお願いします」
そう言って女性が差し出してきたのは一通の手紙だった。
「あ、はい、承りました」
丁度投函するところだったのだろうか――と思いながら、美月はそれを迷う事無く受け取る。実際こうして直接渡されることはよくあると郵便課の先輩に教わっていたので、何の疑問も無かった。
手紙を受け取った時、ふと触れた手が――大分かさついていて、皸が多い事には少し気になったが。
(冬やからなぁ)
季節柄、非常に乾燥しやすい時期である。自分も気をつけようと美月は思う。
「よろしくお願いします」
女性はそれだけ言うと、軽く会釈をして立ち去っていく。
美月も手紙を仕舞うと、次も場所へと駆け出していった。
初めはそれだけだった。
それから約一週間後のこと――また同じ郵便箱の前でその女性と会った。
また手紙を郵便箱の前で直接渡され、「お願いします」というと女性は去っていく。
美月もまた気にする事無く、それを受け取り、再び仕事へ戻る。
それからまた一週間程後、またまた同じ郵便箱の前で女性に会い、手紙を直接渡された。
三度目で少し違和感を覚えつつも、郵便課の鉄則――投函された郵便物に関して必定以上の興味関心を抱いてはならない――に従い、美月はまた素直に受け取り、仕事へ戻った。
しかし、同じ事が四回、五回、六回と続けば――流石の美月も黙っていられなくなり始める。挙句、その女性がどんどん窶れていくのが明らかで、放っておく事ができなくなっていた。
そして、同じやり取りを初めて七回目のその日、同じように手紙を差し出してきた女性に美月は言った。
「あのっ!」
「っ!」
「ウ、ウチに……何か出来る事ありませんか?」
その瞬間、女性の大きく見開いた漆黒と黄色混じりの瞳から大きな涙が零れ落ちていた。そして、美月は激しく後悔する。
もっと早く声をかけてあげればよかった――と。
結局、その日も女性は何も語らなかった。
ただ「大丈夫です、大丈夫です、ありがとう、ありがとう」と泣きながらそう言うだけで、詳しい事は話さず、また去っていってしまう。
美月は心配そうに女性を見送るも、女性にそう言われては出来る事は何もないと思い、再び仕事に戻る他なかった。
それから一週間後、また同じ郵便箱の前で女性と会った。少し吹っ切れたような顔をしていたので美月はほっとした。
そして、いつものように女性は手紙を差し出す。
「これも、お願いします」
「はい、承りました!」
いつも通りのやり取り――だが、女性の表情が少し軽くなっているのを見て、美月は嬉しくなる。
「もう、大丈夫そうですか?」
思わずそう尋ねれば、女性は柔らかく微笑んだ。
「ええ。決心がついたから」
「良かったです!」
そして、再び女性は去り、美月は仕事へと戻る。
それから女性は郵便箱の前に現れなくなった。
その次に女性に会ったのは、最後のやり取りをしてから約一ヶ月後の事だった。同じ郵便箱の前、同じ時間帯に。
「あれ? お久しぶりです!」
「お疲れ様です」
その日、女性の服装はいつもと違っていた。いつも会う時は神域管理庁の仕事着として推奨されている着物を着用していたが、この日は洋服だった。若い女性が好んで着るような洒落た服である。季節は間もなく新年度を迎える春だが、まだ寒い日も続くのでしっかり防寒具も着用していた。
そして、その手には大量の荷物と旅行鞄。見るからに休暇の為に現世へ旅行に出かける人の姿である。
「お休みですか?」
「ええ」
すると、女性はいつものように手紙を差し出した。ただそれはいつもの神域管理庁指定の真っ白い仕事用の封筒ではなく、神子や職員が個人的に使用するような可愛い猫の絵柄が描かれた小さな封筒だった。
「これをあなたに渡したくて」
「えっ! ウチにですか!?」
個人的に手紙を貰うなどいつぶりだろうか、など考えながら、美月は嬉しくなってしまう。
「おおきにっ! ありがとうございます!」
「こちらこそ……ありがとう」
そうして女性と美月は別れた。いつものように――。
その日の仕事を全て終えた美月は職員寮にある自分の部屋へと帰ってきた。
今日も神域中を駆け回り、手紙を回収したり、配達したりと大忙しでクタクタである。
しかし、美月には楽しみが待っていた。
(何て書いてあるんやろか~?)
鼻歌を歌いながら封筒を開け、中の便箋を取り出す。その便箋も可愛い猫の絵柄が描かれたものだったが、美月はそこに書かれていた文章を見て凍りついてしまった。
『猫又の先祖返りさんへ
私はあなたの名前をちゃんと知らないので、こんな宛名になってしまってごめんなさい。
あなたは妖怪の先祖返りで有名だから、このように呼ばせてもらいます。
私はずっと仕事の事で悩んでいました。
同僚が仕事をサボって押し付けてくる。
挙句多くの方達から睨まれ蔑まれる日々。
同じ区の先輩に相談しても悩みを聞き入れてもらえない。
先輩に何度も相談の為に手紙を送っても、返ってくる返事は全部同じ。
それはあなたの責任である、と。
苦しくて、苦しくて、苦しくて……。
もう誰も私の事なんてその辺に落ちている石と変わりないと思っているんだと思ったあの日、あなたが声をかけてきてくれて、どれほど救われた事か。
おかげで私は退職する決心がつきました。
退職は呆気ないほど簡単でした。
退職したいですと手紙を出したら、すぐに退職に必要な書類が送られてきたので笑ってしまいました。
私はそれほど必要のない人間だったのです。
でも、あなたは声をかけてくれた。私を心配してくれた。それだけでもう十分です。
あなたには本当に感謝しています。どうかこれからも頑張ってください』
「全然っ! 大丈夫やあらへんっ!!」
時刻はもう夜遅いというのに、美月は思わず手紙を机に叩きつけて叫んでしまう。
それでも美月は赦す事ができなかった。
仕事を押し付けていたというその同僚も、女性を蔑んだという者達も、女性の相談を冷たく撥ね退けたその先輩も――その苦しみを理解せず解決したものだって笑っていた自分自身も。
赦せなくて、赦せなくて、悔しくて。
美月は手紙を握り潰し、泣いた。大声を上げて泣いた。
胸を渦巻くは激しい後悔と打ちのめされる己の無力感に、美月は泣き続けるしかなかった。
一頻り泣いた後、美月は己の掌の中にあるぐしゃぐしゃになった手紙を見つめながら、ふと思い出す――研修の時の紅玉の言葉を。
「悔しいと思わへんの?」
「はい?」
洗濯物を干していた紅玉にそう尋ねると、紅玉は庭園の木陰の下でごろ寝をしていた美月を振り返って首を傾げた。
「紅ちゃんは……悔しいとか思わへんの? 〈能無し〉とか言われて」
ごろ寝をしながらでも、美月にはもう分かっていた。紅玉は〈能無し〉など呼ばれるべき存在ではない事を。
我儘で不貞腐れてばかりの自分に根気良く付き合ってくれた優しさだけでなく、十の御社をしっかり取り纏める能力がある事を、間近で見てきたからこそ分かる。
故に美月は悔しくて堪らない。
(こんなええ人……〈能無し〉なんかあらへんのに……)
思わず木を睨みつけてしまう。
しかし、一方で紅玉は振り返って微笑みながら言った。
「悔しくなんてありませんわ。その程度」
「その程度って……」
思わず反論しようとした美月だったが、次に紅玉が発した言葉で何も言えなくなってしまう。
「だって、それ以上に悔しい事があったから――その程度何でもありませんわ」
「……っ……」
美月は思わず息を呑んでしまった。
いつも優しげに柔らかく微笑む紅玉が、その時だけ酷く泣きそうに見えたから。
だけど、それは一瞬しか見えなくて――紅玉は背を向けて再び洗濯物を干し始めてしまう。
だから、美月は起き上がって、聞かずにはいられなかった。
「……紅ちゃんの悔しかった事って何?」
「……………………」
背を向けたまま紅玉は無言をしばらく貫く。だが、洗濯物を干す手を止めると――ポツリと語り出す。
「大切な人達を……守れなかった事。危機に間に合わず、ずっと傍にいたのに病気には気づいてあげられず、無謀な決意を止める事ができない挙句……目の前で失ってしまいました……みんな……みんな」
か細い震えた声は今まで聞いた事のない程、あまりに弱々しいものだった。何故か美月の胸まで締め付けられていく。
「わたくしは、最後の最後まで何もできなくて、本当にただの傍観者でいるしかできなくて……それが、人生で一番悔しかった事です」
紅玉に何があったかは、詳しい事は知らない。
だが、あの快活な轟ですら心を壊すに至ったあの神域史上最悪の事件は、もしかすると紅玉の心も破壊する何かがあったのかもしれない――そう思った。
だからこそ、美月は知りたかった。
「……なあ、どうやってその悔しさ、昇華したん?」
夢を一方的に壊され、神域での日々を憮然と悔いた気持ちで送るしかない自分にとって、今を真っ直ぐ生きる紅玉は道標に見えたのだ。
その秘密を知りたくて、美月は尋ねる。
振り返った紅玉は美月を真っ直ぐ見て、困ったように笑う。
「ごめんなさい。わたくし、その後悔、ちっとも昇華できていませんのよ」
「……克服してへんの?」
「ええ……今だって、何時だって……悔しくて、悔しくて、悔しくて……忘れてなるものかって思いますの」
「……普通、忘れたいとちゃうの?」
自分だったら、すぐに忘れたくなる。
夢に向かって真っすぐ突き進んでいた日々も、夢が叶いそうになったあの日も、夢が壊されることになったあの日も――全部忘れたいと思ってしまう。
「忘れてはいけない事です」
紅玉は美月を真っ直ぐ見つめて、美月の思いをきっぱり否定する。
「絶対に忘れてはいけません。この悔しさもこの思いも全て。この悔しさを糧にして……わたくしは絶対に諦めません。いつか必ず真実を見つけ出してみせるのです」
強く思いを語る紅玉に美月は思わず見惚れてしまう。
(いつか……必ず、か……)
自分にとってその「いつか」は「永久に」訪れないものだろう。
(やけど……ちょっとは……期待してもええのかな……)
そうしたら、その「いつか」を信じて、また歩き出せそうな気がするから――。
美月は徐に立ち上がり、紅玉の傍にあった洗濯籠から洗濯物を一つ取った。
「……これ、手つどうてもええ?」
「! ええ、勿論! 助かりますわ」
喜んでくれる紅玉の笑顔がちょっぴり眩しくて、美月は目を眇めてしまう。
それでもようやっと新しい一歩を踏み出せた――そんな気がする日だった。
あの日の紅玉の言葉を美月は思い出す。
「……絶対に忘れへんっ……この悔しさもこの思いも全部っ……この悔しさを糧にするっ!」
美月はぐしゃぐしゃに握り潰した手紙をもう一度皺を伸ばしながら開く。
「ごめっ……ごめんなぁっ……! 紅ちゃんみたく、ちゃんと支えてあげられる人になってあげられんでごめんなぁ……!」
悔しくて、悔しくて、堪らない――己の未熟さを、無力さを――。
「あなたの思いは、ウチが受け継いだる……っ! そして、いつかあなたの悔しさを何百倍にして返したるから……っ!」
ボロボロと涙が止まらない。悲しくて、切なくて、祈らずにはいられない――あの女性の安寧を、幸せを――。
「どうかっ、お元気でぇっ……夏希さん……っ!」
手紙の最後に書かれていた小さな名前を、美月はそっと呼んだ。
そして、美月はその手紙を捨てる事無く、紅玉に貰った紫の御守の中に小さく畳んでしまった。あの時の悔しさを決して生涯忘れる事がないようにと――。
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外套の下から現れたのは、後ろ髪の一房を黄色に染めた漆黒の髪と、漆黒と黄色混じりの瞳を持った女性だった。
那由多は目を見開き、息を呑んでしまう。その人物はもう神域管理庁に居るはずのない人物だったから。
女性は深呼吸をすると、手に持っていた手紙を開いた。
「……私は一年少し前に神域管理庁を退職した夏希と申します。当時、二十の神子であった百合様にお仕えしていた神子補佐役です」
今回の騒動の諸悪の根源の名が挙がり、一気にざわめきだす。
その一番後ろで見ていた百合もまた驚きに目を見開いている。
「私が神域管理庁に就職したのは、かの有名な神域史上最悪の事件の後の年……当時、私が配属された巽区の神子管理部は事件続きで先輩方は大変多忙でしたが、神域管理庁での常識や教えをしっかりしてくださる優しい方々ばかりでした……だからこそ、私は神域管理庁に勤める全ての人達がそうだと思い込んでしまったのです。研修を終えた私はなんと新人でありながら二十の神子補佐役という大役を担う事になりました。驚き戸惑いましたが、とても名誉なことだと先輩に言われ、素直に喜んでしまいました…………それが悲劇の始まりだと思わずに」
「悲劇の始まり」――という衝撃的な言葉にざわめきが一層大きくなる。
「私が就任する事になった二十の御社には、すでに神子護衛役の岩源と生活管理部の兎乃原が就任していました。私の同期入職の新人です。そして、この二人は……当時の教育係であった者にこう教わったそうです……『御社配属の職員は御社でただ単に神子と一緒に優雅な生活を送れるとても楽な仕事だ』と……私が受けた教育とはあまりにかけ離れている意見でした」
夏希の言葉にほとんどの人間が絶句するしかなかった。
「それから二十の御社での生活は私にとってとても忘れられない日々となりました。同僚の岩源と兎乃原は勤務怠慢が甚だしく、毎夜と言っていい程遊び出かけ、百合様は非常に甘えた思考の持ち主で、神子の業務も最低限しか教わっておらず、基本的に神々を頼りに生活をされていました。これではいけないと私は百合様の教育をしようとしましたが、百合様に甘い神々が百合様に厳しく指導をする私を決して赦さず、侮蔑的な目で睨み、罵詈雑言を浴びせかけ、最終的には御社の中にすら入れる事を許してくれなくなりました。私の状況に百合様も気づいていたはずなのに……百合様は私を無いものとして扱いました。百合様にとって私は煩わしい目の上のたんこぶでしかなかったのです。ですから、私は一人で働かなければなりませんでした。書類の準備や日々の記録、食事掃除洗濯などの身の回りの事も全て」
どこかで聞いた話だと誰もが思う。
まさにそれは、二十の神子補佐役である冬麻が受け続けたものと全く同じ状況であった。
「私は、現状を変える為には一度根付いた百合様と同僚達の観念を変えなければならないと思い、神子管理部参道町配属巽区の担当者の先輩に助けを求める手紙を書きました。しかし、返ってくる答えはいつも同じ……『神子教育を怠った神子補佐役であるあなたの責任である。自分の力で解決なさい』と……その後も何度も、何度も、何度も、何度も何度も何度も手紙を送り続けました……ですが、一度として私の訴えが聞き入れられる事はなく、私の責任だと切り捨てられてしまう始末……私は疲れ果ててしまいました。そうして退職をしたいと先輩に手紙で申し出れば……退職に必要な書類はすぐに返ってきたのです。まるで私を追い出すかのような対応に、私は思わず笑ってしまいました。そんなに私は必要のない存在だったのか、と……そうして私は神域管理庁を去りました」
夏希が受けていた仕打ちの数々に絶句し、皆声が出せなくなっていた。辺りが一気に静まり返る。
「そして、つい先日、現世まで私を訪ねてやって来た人が丁寧に教えてくれたのです。岩源と兎乃原が職務怠慢で懲戒免職となったと。当然だと思いました。彼らは神域管理庁の職員としての自覚が全くありませんでしたから。また神子として役目を全うせず、邪神を祓う事を拒否された百合様が神子剥奪になったと。当然だと思いました。百合様は本当に必要最低限の業務しか教わってこず、邪神との戦いにだって備えていませんでしたから。それが神子の最も重要で危険な役目だというのに。百合様にひたすら甘いだけの神々は全て消滅してしまったと。驚きましたが、失礼ながら情など湧きませんでした。たとえそれが神様であったとしても」
それはあまりにも冷酷な言葉だった。
しかし、彼女が彼らから受けた仕打ちを考えれば、その冷たい言葉は然るべきものなのだろう。
「……ですが、那由多が新たに二十の神子として就任すると聞いた時は信じる事ができず絶句しました。あの那由多が神子に就任だなんてとんでもない、そう思いました。何故ならば那由多こそ、岩源と兎乃原に『御社配属の職員は御社でただ単に神子と一緒に優雅な生活を送れるとても楽な仕事だ』と教え、百合様に甘い考えを植え付け、必要最低限の教育しか施さず、私の助けの手紙を無視し続け、挙句その責任を私に押し付けた参道町配属の担当者の先輩――私の前任の『二十の神子補佐役代理』だったのですから」
夏希のその言葉に辺りは一気に爆発したようにざわめきだし、誰もが那由多を見てしまう。
桜姫は絶句し、真珠は溜め息を吐き、那由多は真っ青な顔で身体を震わせ夏希から目を逸らす事ができない。
「あの当時の神子管理部巽区は本当に人手不足で、百合様に専任の神子補佐役を就ける事が不可能で、那由多が神子教育を実施したと伺っています。ですが、蓋を開けてみればとんでもない杜撰な教育でしたが……そう考えると、百合様には同情してしまいます。何せ教育担当者がきちんとしていなければ神子剥奪なんて不名誉な事なんてなり得なかったのですから。少なくとも彼女は神々に愛される素質はありました。きちんと教育さえすれば立派な神子になっていたことでしょう。残念で仕方ありません」
そして、夏希は手紙を畳み、那由多を真っ直ぐ見つめた。
「那由多先輩、神子就任おめでとうございます。どうか頑張ってください。この世に楽な仕事など決してありなどしません。それを理解した上でどうぞ覚悟を持って神子の使命を果たしてください」
夏希の冷たい微笑みと言葉で手紙は締め括られたのだった。
<おまけ:郵便課の愉快な仲間達>
真鶴「郵便課鉄則、投函された郵便物に関して必定以上の興味関心を抱いてはならない」
美月「真鶴先輩! 投函した本人に興味関心を抱くのはありなんですか!?」
真鶴「……美月、詳細を報告して」
美月「こないだ、紀康先輩が小包配達を頼みに来た神域商業部の女の子を食事に誘っていました!」
真鶴「紀康ぅ~~! ちょっとおいで~~っ!」