十条先輩の思い
どうも!
一話を伸ばそうとしても伸びないカトユーです。
今回も千文字程になりました。
改めて、華彩君への思いを確認しているとまさかの邪魔が入ってきた。
それは、始業式のあいさつで、何度も華彩君をチラ見して満足しているときだった。
次は華彩君の妹さんのあいさつか、入試の成績はトップで性格もいいそうだし、どんな子なのだろう。そう思いながら話を聞いた。
華彩 和花。このときは、かわいい妹さんだなと考えていたが、実はとんでもない伏兵だった。
壇上に上がり、あいさつを述べる。
始めは、普通のあいさつだった。この学校に入学できて嬉しい的なことを話して、個人の抱負へと話は移っていった。
「私には、一つ上の兄さんがいます
私はその兄さんが心から好きです!大好きです!」
衝撃的だった。色々気になるところがあったけど、悠育君のことが好きというライバルがいたからだ。そして、彼女は兄さんを振り向かせると全校生徒の前で誓ったのだ。
私には到底できないことを、彼女はあっさりとやりのけたのだ。一年前と同じようにまた、ショックな出来事だった。
すぐさま私は、今後どうするかを考えた。だが、彼にどのようにして近づくかすら、思い着かなかった。
結局、呆然としたまま式が終わり、解散となった。
普段の私なら、そのまま教室へ向かったはずだが、今日は慌てたように悠育君のもとへ向かってしまった。おそらく、妹さんのあいさつを聞いて、冷静さを欠いていたのかもしれない。
教室へ向かう人の流れの中に、悠育君を見つけ一直線に向かう。
「華彩君?(兄さん!)」
チッ。心の中で舌打ちをしてしまう。よりによって、妹さんと同時に呼んでしまうなんて。
「兄さん、この人誰?」
ブチッ。初対面だけど、怒りがどんどん溜まってくる。そうですか、私のことを知らないんですか。
「いや、知らないのか?」
悠育君もびっくりしながら言った。そう言ってもらえるのは嬉しい。だが、妹さんは本当に知らないらしい。こめかみがピクピクと痙攣してきた。
「生徒会長の十条 真凉です
よろしくね、悠育君の妹さん」
最大限の威圧を込めて言った。
しかし、妹さんはこちらを見返してくるだけだ。
「あ~、そうだったんですか
寝てたので、知りませんでした、生徒会長さん」
まるで、こちらを挑発してくるように言ってきた。なので、こちらは妹さんを睨み返してあげる。
そんな私達のことを、悠育君はあわあわとしながら見ていた。
「とりあえず、人目の少ないところに行かない か?」
そう、悠育君は提案してきた。確かに、ここだと少し目立ちすぎた。ここは、妹さんも同じらしい。
そんなわけで、戦いの舞台は移っていった。
絶対に、悠育君を妹さんに渡すもんか!
うーん、もう少し長くしたい。
なんか、予想外に話を短く分けてしまった。
次回で、十条先輩メインの話は終わります!
ではまた!




