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徒然と

作者: 東雲 雪兎

朝に輝く星が見つけた

古いアルバムを

冷たい指先の震えを止めて

壊さないように開いてみる


昔憧れたヒーローも

ほろ苦い初恋も

身を焦がす程の恋も

涙に濡れた夜でさえ

ただ今は静かに流れてく


どれも自分はそこにいて

どれも自分はどこにもいなくて


誰にもなれない後悔と

なににもなれない安心と

思い出せない空白を

止まった時間だけが鮮明に


終わりまで読み終えて

未来の自分が驚くように

未来の自分が忘れるように

古いアルバムを

そっと夜の帳に隠しておく

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