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Story4

「もう、惑わされない」

 私はケイの言うことを聞かずに、迷わず火をつけた。

「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 燃えやすいものが多いわけでもないのに、火の手はあっという間に広がった。 私たちの周りを炎が取り囲む。

「ウア……ア……ガ……ッ」

 ケイの体は火が燃え移ったわけでもないのに、真っ黒になっていく。 段々人の形を失って、ついには灰になってしまった。

「ケイ……ごめんね」

 私たちをこんな風にした張本人とはいえ、楽しかった思い出にもなった、元私たちの家族。 少し……罪悪感があった。

 炎はますます勢いを増した。 もう逃げ場はない。

「あ……」

 死を覚悟した、その時だった。 玄関前の火だけ、突然消えたのだ。 

「どうして……?」

 とにかく今は考えてる場合じゃない。 私はできた道をダッシュで通り、少し熱くなったドアノブを回して外へと逃げた。

「よくやったわね、蘭」

 いつの間に立っていたのだろう。 息を切らした私の前にいたのは、お姉ちゃんだった。

「……お姉ちゃんが、道をつくってくれたの?」

「妹のピンチとあれば、行動を起こさないわけにはいかないでしょ?」

「ありがとう」

「どういたしまして!」

 そう言って、私を抱きしめてくれた。 今度は……触れる。

「見て、蘭。 花から魂が出てきてる」

 お姉ちゃんが指差した方向には、花園。 そこの花たちから、小さな光がいくつも出てきて、空で散っていった。

「魔法が解けたんだね。 さあ、私たちも戻ろう?」

「うん!」

 私はお姉ちゃんの手を握って、地面をける。 その反動で私たちの体は空に浮かび、私たちを歩き場所へと導いてくれた。



 ある日、1つのニュースが流れた。 過去10年間の間で原因不明の病気として相次いで意識不明になっていた子供たちが、各地で一斉に目を覚ましたのだ。

 


「なにしてんの? 蘭」

「お姉ちゃん! 見て、きれいな胡蝶蘭が咲いてるの」

「胡蝶蘭かあ……」

「でもなんでだろう……なんか怖いんだよね」

「なんでよ! 蘭ってば変なの!」

「んー、そうかもしれないね」

「蘭、胡蝶蘭の花言葉知ってる? “幸せが飛んでくる”なんだってよ! 怖いなんて不吉なこと、こんな花には起こらないよ!」

「へえ……素敵な花言葉だね」

「でしょ! だからさ、きょうはきっといいことあるよ!」

「そうだね!」

「うん!」










Ending4 取り戻した未来


You're choisce is true end!

Next→Epirlogue

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