75:殲滅
目を覚ました僕はナージャの膝の上で寝ていた。頭を撫でるナージャの手を払い真剣な表情になる。彼女は僕の行動に困惑していた。
「ナージャに話さないといけないことがある」
「わたしもフランネルに話さないと駄目なことがあるの」
見つめ合っていた僕とナージャに気まずい雰囲気が流れる。
近くにいたソーニャは笑いかける。
「話しづらいなら落ち着いてからでいいよ。今は魔王との戦いのほうが重要だ」
「それもそうだけど……わたしはフランネルを置いて逃げたの。怖くて恐ろしてく……だから自分が許せないの! あんな強力な魔力が近づいていたのに気づいたから言おうとした。でもね、言う暇がなかった。声さえ出なかった。わたしは想像以上に臆病で卑怯者なの!」
「わかったよ」
「フランネルはもっとわたしを責めてもいいのに」
「同じ立場なら誰だって逃げたよ」
ソーニャは僕の体を眺めると胸やお腹に触れる。
「なんか違和感……いや、フランネルって平民だから魔力が少ないのも当然か」
「そういえばソーニャはあまり平民と会ったことなかったね。フランネルは平民だよ! あれ?」
ナージャは僕の服を掴むと機械の体となった下半身を見る。
「待って……そんなに魔力なかった? 肉体の境目変じゃない? こんなにも機械化にするのって平民でもあまりやらないと聞いたけど」
「バーキン連邦では人間の機械化なんて珍しくないよ」
僕の目を見つめるナージャが肩を掴むと彼女から笑顔が消えた。
「ねえ、真実を教えてよ。なんでわたし……フランネルのことをこんなに好きなの?」
「そういうこともある」
「ないよ。フランネルはただの友人で平民だ。わたしからすると急にあなたのことを愛する気持ちになっていたの」
「恋愛ってのは複雑怪奇で突然人を好きになるものなんだよ」
「ふざけないでサトウ。わたしは好きな人くらい顔が変わってもわかる。フランネルはどこ?」
顔を背けて散っていく花を見つめる。
「フランネルはギャバジンで下半身を失い、肉体の一部を機械化して命を繋ぎ止めた。だが、肉体は機械化できても魔力が極端に少なくて体を維持できなかった。そこで彼女の提案で僕の魂を移植して魔力を世界から供給させたんだ。その影響でフランネルの魂は結果的に死ぬことと同意義となった。嬉しそうなナージャを見て言えなかった。すまない」
泣き崩れるナージャの背中をさするソーニャを見ながら立ち上がる。
「待って! サトウ!」
ナージャは涙を拭うと僕に向き合う。
「わたしを口汚く罵って! いつも……いつだって人を困らせて……こんなわたし大嫌いなの!」
「嫌だね。罵って勝手に救われた気持ちになっても意味ないだろ」
僕は肉体の内部から伝わる振動に気づき通信を繋ぐ。
『現在ギャバジンでは大規模な戦闘が行われている。敵対勢力をギャバジン内だけで排除しているが敵は内部にも外部にもいると理解してほしい』
この声はゴルアだ。
『これからギャバジンは浮上しながら敵対勢力を排除する! 内部を排除しながら外部を排除……排除するんだ! 排除……』
様子がおかしい。
『繰り返す! ギャバジンは浮上を開始する!』
通信は切れたがギャバジンのことが心配になってきた。
「サトウ……怒ってる?」
「怒ってない」
「もっとわたしを」
「話は後にしてくれ」
泣いていたナージャを見ずに立ち去ろうとしたが泣いている姿を見たくなかった。
ナージャの涙を拭うと僕は彼女を抱きしめる。
「ナージャは自分が許せないんだろ。それなら泣いていないで楽しんで過ごせよ。間抜けな笑い声で一生を過ごせば死んだ奴らもお前を罵ってくれるよ。馬鹿だってな」
僕は立ち上がると笑顔を作ろうとするナージャを見て移動魔法を使用した。
ギャバジン内部に来たが随分と破壊されている。
目の前を見ると見たことのある顔が並んでいた。
「お前……誰だ?」
ジュラは僕の顔を見て首を傾げていたがベゼルは僕に近づき胸を掴む。
「お前なんで逃げないんだ?」
ベゼルの手を掴むと彼を壁に叩きつけた。
「案外平民でも強い奴がいるんだな。ここにいる平民ってのは弱い奴ばかりだったのによ」
「貴族は平民より強いのは事実だよ」
ジュラの手にあるガリアノンを確認して二人の行動に注意する。
「口だけは謙虚だな」
ベゼルの手は僕を捕まえようとしているようで魔法を使う様子がない。
舌打ちをするジュラがガリアノンで地面を叩く。
「いい加減に殺せ。女なんてどこにでもいる」
「それはそうだが……女なのに男のような体していて……」
「お前の趣味に付き合うつもりはない。どけ」
ジュラがガリアノンに魔力を込めようとして集中する。ベゼルはジュラの様子を見ようと僕から目を離すのを見て手を前に突き出す。
吸引魔法サクシェン。
僕の手元にジュラの持つガリアノンが引き寄せる。
「悪いが元々お前たちのものじゃないんだよ」
驚く二人を見てガリアノンに魔力を込める。
これをよく知るのは古代文明を生きた者だけだ。
急激に減っていく魔力に倒れるベゼルとジュラが僕を見る。
「今何をした!」
「この武器は奇跡の代価をエネルギーとして扱うことができる。危険な武器で使用は禁止されているんだが何故かわかるか?」
「わかるわけないだろ!」
「人が奇跡と呼ぶものなんて所詮は苦悩の末に導き出した妄想に過ぎない。その妄想が奇跡として世の中に伝わるが、ガリアノンは魔法を超越した奇跡を引き起こす。その対価は世界の死だ」
手に伝わるステッキが輝きを増す。
「使い方を間違えれば自分も世界も死ぬが調整すれば単純な武器にしかならない」
ガリアノンがベゼルとジュラの魔力を吸い上げて干からびていく。
「俺を殺すつもりか? 残念だが俺は死なない。魔王は無敵だ!」
「ジュラは自分を魔王だと自覚しているが、カンターレンじゃないだろ」
「そこまで知っているか。だが、カンターレンじゃなくても同じ魔王なのは変わらない」
ジュラは苦しみながら僕を見ていたがベゼルの様子を見て表情が変わる。
「ベゼル……お前……前に死んだ時はどんな気持ちだった?」
「どんなって、何もないが……記憶が突然戻って前のままだ」
「何かおかしい」
ジュラは突然消えた。
きっと移動魔法で苦しみから逃れようとしたのだろう。
「あいつ突然」
僕はベゼルにガリアノンを向ける。
「悔しいがお前は武器のおかげで助かるんだ! 自分の力じゃない!」
「当たり前だ。自分の力で生きている人間なんていない。他人に頼って生きてるのが人間で否定できるのは悪人だけだ」
既に肉と骨だけになったベゼルが笑う。
「偉そうに説教しやがって、お前は何者だ?」
「善人だよ」
「……そりゃ面白い。冗談だけがお前の武器だな」
ベゼルが消えてなくなってガリアノンの魔力を吸収する力を停止させる。
ガリアノンを使う時点で善人ではないとわかっていたようだ。
「君と違って僕は人の死に責任を持つ為に武器を取る。誰かの為に戦う悪人だ」
いなくなったベゼルに何を言っても仕方ないか。
未だに揺れ動くギャバジンは浮上しているとは聞いている。ジュラのことも気になるが魔力を追えなくなっていた。
走りながら壊れた室内を見ていくと何人かは生きているようだ。
生き残っている人たちに状況を聞くと貴族たちに襲われたという話が多い。しかし、それを否定するように平民から襲われたと説明を受ける。
だが、どの人間もギャバジンの防衛装置に助けられていた。巡回する人型の機械が武器を持ち暴れ回る人間を攻撃するみたいだ。
壊れかけの室内に入るとボルドたちが座っていた。カメリアから来た人たちはボルドの指示に従っている。彼らに近づきフランネルの事情を説明すると複雑な気持ちでうつむく。
「生きていて良かったと言えばいいのかわからないな」
「僕のことはいいんです。カメリア村の方たちは無事なのか聞きたくて」
「長い間生きているとこういう争いに巻き込まれることは少なくない。いつだって逞しく生きてきたのが我々です。それよりもサトウがギャバジンを動かしているのですか?」
「違いますよ」
「そうなのか。ゴルアからはあなたの指示で敵対勢力を排除すると直接聞きましたが」
「確かに僕はここの責任者ですが、そんな命令出してません。そもそも僕と彼は対等な関係でゴルアが嫌ならそんなことしない」
「そうですよね。ゴルアの様子がおかしかったのも気になった理由なんですが……サトウが人間を殺そうと動くのが妙で」
「僕だって殺されるなら反撃しますよ」
「……ゴルアはサトウの命令に違和感を持っていました。彼は『何故かわからないがサトウの言葉が変だ』と言って心配しているんです」
僕はゴルアに何も言っていない。
「わかった。ゴルアのところに行くよ」
「そうだ。大した話じゃないが終わったら、またここに来てほしい」
「ああ」
魔力で位置を把握できないゴルアを探すには誰かに聞くしかない。
フルブローグでの通信にも出ない彼を探しているとゴルアの場所を知るという人物に出会う。
「どこにいるんですか?」
「ここだよ」
彼に連れられて暗い室内に入るが誰もいない。振り向くとドアが閉まっていた。開けようとするがまったく動かない。ドアを叩くも男性はドアを開けるつもりがないようだ。全身に魔力を込めてドアを開けようとするが頑丈で壊れない。
急に意識が遠くなって膝をつく。
息を止めて周囲を確認すると小さな穴からガスのようなものが漏れ出ている。
移動魔法プラフティ。
先程の男性の背後に回り込む。
「なんで閉じ込めた」
「すまないね。ここにいると思ったがギャバジンは古いから壊れていたようだ」
彼はドアを開けて室内を確認する。
「やはりいないか。一緒にゴルアを探そうか」
僕はガリアノンを彼の頭に突きつける。
「君は魔力を僅かだが持っている。きっと平民だ。ギャバジンにいる平民で君のような者は二種類いる。膨大な魔力を持つ死刑囚と強力な武器を持つ平民で、君は後者でゴルアの言葉通りなら敵対勢力なのかもしれない」
「ローウェル王国との争いから逃げてきた一般人を攻撃するのか? それを使われたら魔力を失って死んでしまうよ」
「僕は武器の力まで君に言っていない。君は誰だ?」
「卑怯な方法で俺の計画を狂わせやがって……名前ぐらいピロトグルたちから聞いたことあるだろ。俺はサルエル・フレーム。お前の敵だ」
揺れが激しくなり、壁が破壊されると大きな爪が飛び出してきた。そうしてサルエルを掴むと風が室内に入り込む。穴の開いた壁を歩いていくと外に繋がっていた。空の先にはドラゴマニアが飛んでサルエルを手のひらに乗せて僕を見ている。
「サトウ! 俺はお前を許せない! お前が来てからゴルアは俺の命令を聞かなくなった。そればかりか俺の言葉もサトウのものとして受け取ってやがる。どれだけ俺が従わせようとしてもサトウを挟むことで忠実な奴隷じゃなくなるんだ。神だと? 突然現れて名乗ったのが神か。この世に神など存在しない!」
サルエルはドラゴマニアのお腹を開き入ってしまった。
「自分で名乗ったわけじゃない……あれは」
ドラゴマニアの周囲を飛び回るドラゴニアが見える。
「アーバン! それにみんな?」
アーバンの背中にはシフォンやフェルトにベルベットやラフィアがいる。倒れているがラインも見えて僕を見ていた。
移動魔法プラフティ。
僕がアーバンの背中に移動するとシフォンとフェルトが困惑している。彼女たちに事情を説明して僕がサトウだと理解してもらう。
「それは理解したが、あれはなんだ?」
アーバンも僕の声が聞こえたのか彼がドラゴマニアを指差す。
「ドラゴニアを改造したものだ。厳密に言えばアーバンとは別物だが、姿は少し似ているところがあるかもしれない。だが、敵なのは事実だ」
「それなら破壊しないとな」
アーバンは大きく口を開けると氷を吐き出した。ドラゴマニアは氷漬けになって動けなくなったが一瞬で僕たちを睨みつける。
「駄目か」
「アーバンが魔法を使うところを始めて見た」
「人間の姿になるのも魔法だぞ。それよりみんなを乗せていると移動が大変だ。全員降ろしてくれ」
僕がシフォンとフェルトの腕を掴むとベルベットはラフィアとラインの手を掴む。同時にギャバジンへと移動するとフェルトが心配そうな表情で僕を見る。
「大丈夫だよ。アーバンはバロック王国の戦士だ」
「わたしだって少しは役に立つから」
「遠くから援護できるか?」
「できる」
「なら行こう」
先程開いた穴に行きアーバンとドラゴマニアの戦いを見る。両者は魔法を打ち合っているが相殺して相手を殺すことができない。
フェルトが破壊された壁の破片を見つけて掴むと空に向かって投げた。彼女は手を伸ばすと破片が大きくなり、ドラゴマニアへとぶつかった。
「物質変化魔法か」
「知ってるんだね。そうなの! 結構努力して使えるようになったんだ!」
フェルトの魔法は特別なものではない。人間や動物に他のすべての大きさを変化させるもので基礎魔法の一種だ。それも当然で彼女は主人公として戦闘が描かれることが少ないからだ。むしろ、彼女のほうが一般的でフリルやシフォンが強すぎると批判される原因となっていた。
次々と繰り出される破片を避けながらドラゴマニアは叫び声を上げる。
「フェルトはここで攻撃を続けてくれ。僕はあいつを叩く」
移動魔法でアーバンの背中に乗ると水魔法を使い大量の水をドラゴマニアの上に広げる。逃げる暇もなく水に囚われたドラゴマニアが水を吸い込んでいく。吸い込まれた水を口から吐き出して僕に向かい放ったがアーバンは簡単に避けた。
殺すのは簡単だが中にいるサルエルまで殺してしまう。
困っているとアーバンがフェルトに近づき彼女を背中に乗せると一気にドラゴマニアまで近づいていく。
「アーバン? どうするつもりだ!」
フェルトにアーバン。お互い目を合わせて頷くとフェルトは両手を前に出して集中する。ドラゴマニアを見ると大きさが変化していく。徐々に小さくなって動きが鈍くなっていくようだ。
「そうか……あ、待て!」
僕がフェルトの腕を掴む。
「アーバン! フェルト! もういい!」
「どういうことだ?」
二人はドラゴマニアの中にサルエルがいるのを見ていなかったのか。
「中に人間がいるんだ。魔力が小さくなっているが彼を潰すつもりか!」
「知っているよ」
フェルトは平気な顔で僕を見る。
「……彼には聞きたいことがある。殺さないでほしい」
「相変わらず甘いな」
フェルトが手を下げるとアーバンが小さくなっていくドラゴマニアからサルエルを掴み取る。ドラゴマニアは空を浮かんでいたがアーバンが手で払い壊してしまった。
「いいのか?」
「サトウはあれが俺と同じだと言いたいのか? そういう感覚わからなくもないが命ってのは機械には宿らない」
アーバンの手で血を流すサルエルをギャバジンに運ぶ。
瀕死のサルエルは僕たちを見て笑う。
「俺に屈辱を与えるつもりなら既に成功しているぞ」
「違う。少し黙ってろ」
僕はフルブローグでピロトグルとヨークドを呼ぶとガリアノンを床に置く。二人が近づいてくるとサルエルが少しだけ楽しそうに思えた。
「懐かしい顔ぶれだ。二人はまったく変わっていないな」
「サルエル。そっちもな」
威勢のいい声は消えサルエルは自身の体を見る。
「俺は貴族中心の社会を変えたかった。だが、こうして負けたことを考えるに俺は間違っていたようだ」
「お前は昔から間違っていたよ。平民と貴族は手を取り合える。だって元は同じ人間なんだから」
「クラインに悪かったと言ってくれ。俺はあいつにも迷惑をかけた」
「あいつはもういない。死んだ」
「そっか。それは良かった。向こうで会える……いや違うな。生まれ変わってもお前たちとは二度と会いたくない。どの道俺はクラインのような人をまとめるのが上手な人間じゃない。ピロトグルほどバランス感覚がないから敵対する。ヨークドみたいに人類の為に行動なんて……できない……」
「そんなことない」
サルエルは何かを言おうとしたが口は動かなくなった。開いたままのを目を閉じてピロトグルとヨークドは彼はずっとサルエルを見ていた。
「平民は貴族と違って普通に生きることができない。サルエルも貴族を恨み、そして……それらを否定するすべてを恨んだ」
ピロトグルの言葉を聞きながら涙を流すヨークドは何も言わなかった。
落ち着き床に置いたガリアノンを取ろうとしたら消えていた。
「ねえ、みんなここにあったステッキ見なかった?」
全員首を振っていた。
「ん、ベルベットは?」
彼女の姿がないことに気づきラフィアは慌て始める。
「あいつ……何をするつもり……」
僕はベルベットの魔力を探すも面倒なことにイブとベルベットが混ざって難しい。数秒遅れて僕が発見するとラフィアの手を掴むと移動魔法でベルベットの元に行く。
ベルベットを相手にするなら僕とラフィア以外だと厳しいはずだ。
移動した先は黄金色の建物の上だった。ギャバジンの建物が並ぶ屋根の上に僕とラフィアが立つ。目の前にはベルベットがガリアノンを持って空に掲げていた。
「ベルベットは僕たちの仲間になるんじゃないのか?」
「そんなこと知るか! あいつは元々魔王だよ」
「だが、僕たちは下手に動けない。ガリアノンは魔力を奪う。それだけなら僕の力でコントロールできるが、あれは魔法を超越した力を扱える」
ベルベットは動くことのない僕たちを見て微笑むとガリアノンが光り始める。ステッキは形を変えて幾つもの鋭い刃に変化して空を駆け巡ると一瞬にして刃は地上に降り注ぐ。
気づけば地上にあった魔力は根こそぎ消えていた。
「安心しな。ギャバジンにいる人間には手は出していない。今ギャバジンが地上に落ちるとサトウとラフィアが怪我をする可能性があるからね」
ベルベットは遠くから近づく大地を指差す。
「あそこにいる貴族の何人かは生き残っている。この手で殺すのは容易いがすべて全滅させると魔王はきっと必死になって貴族を守ろうとするだろう。それじゃ魔王が死ぬことはない。ローウェル王国の大地はまだ残っている」
「ベルベット……まさか魔王が人間をすべて殺さないと死なないことを知ってやったのか?」
「他に道はないと思っていたが違ったか?」
「じゃあ、なんで平民まで殺した!」
「可能性の芽を摘むのは大事なことだろ。合理的判断だ」
「お前だって魔王だろ!」
「何を怒っているんだ。サトウはわたしが君の為に死なないと本気で思っているのか? わたしはサトウとラフィアが幸せなら他は別にいらない。だって……こんな世界滅びたところで困らない」
ベルベットが移動魔法で消えると頭を抱えるラフィアに触れながら近づく魔王の魔力を見つめる。




