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冥土の土産はメイドと共にあり  作者: 宮呂くろ
2/7

カップ麺、いただきます

一時間目は正直、時間ぎりぎりの滑り込みセーフだった。

当たり前だがもちろん授業は、真面目に受けたさ。


講義も終わって、ガヤガヤと人が教室から出ていく。


「ふあわ~うあぁ~。――――」


少し背伸びをしていた皐月の前に、ワカメパーマに黒縁メガネの男が近づいてきた。

「おう皐月!今日はちょいとばかし遅かったんでねーの?」

「いやー、それがさなんか変な手紙がポストに入っててさぁ。」

ほらこれ。と、机に先ほどの便せんを置いた。


「なんだなんだ、ラブレターかあ?どーれどれ、皐月君の唯一の友人であるこの僕が直々に見てしんぜよう。」

「ほかにも友達くらいおるわ!」

まったく心外だ。

とはいえ、ほかに名前らしい名前もあがらないのが悲しい・・・。


こいつとは入学式の時からの仲だ。

講義も大体同じものを履修してたことから、なんとなく一緒にいたのが始まりである。


「何したんだよ、お前?」

「俺だってなんのことやらさっぱりだ。」

皆目見当もつかない。


「宛先間違いとかは?」

「それが、これ見てよ」

便せんにはしっかり『卯月里 皐月様』の文字。


「お前の名前だな。」

「ちなみに悪戯の線も考えた。でも悪戯にも思えないんだよなぁ」

「そりゃそうだ、一体全体どこの暇人がそんな無駄なことするっていうんだよ。」


陽キャとして大学に君臨しているやつらならともかく、からかったって毒にも薬にもならん俺らだ。

わざわざこんな手紙を、あえてバリバリの陰キャの俺の家まで届けるメリットなんてない。


「よく分からんが、捨てるか?」

「いや、とりあえず待っとく。」

なんかあったとき警察にもっていけるしね。


ぐうー

盛大に腹の虫がないた。

「そろそろ腹減ったな。僕、どっか適当に食ってくるんで、また。」

なるほど、いつの間にか結構な時間が経っていたようだ。

あばよー。と去っていくヤツの後ろ姿を見つめる俺。


俺も昼めし食いにいったん家に帰るか。

下宿先のアパートまで歩いて10分くらいだから…

時計を見る。

12時30分

俺もそろそろ帰ろう。


「なに食おっかなあー。カップ麺まだ残ってたっけなぁ…。」

ポツリとつぶやき、家路を急ぐ俺であった。




にゃー・・んなーんごろごろ・・。

「—――後ろからずっとついてこないでよ!ばれちゃうじゃない!」

ふにゃふにゃうにゃーん。

「あーまた見失うー!」


これもまた、俺の耳には届かなかった以下略。

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