【漫才】動画の猫になりたい
本作では『ツッコミ』を『ツ』、『ボケ』を『ボ』と表記しております。
二人「「はい、どうも~」」
ボ「最近、異常気象なのか、10月になっても暑いでんな~」
ツ「そうですな~」
ボ「ところで君、生まれ変わるとしたら何になりたい?」
ツ「は? 異常気象の話から急に飛んでますがな。これから暑いだの寒いだの話するんちゃうんか」
ボ「あ、そうやった。もう10月になりますけど、むかし言ってた冗談が本当になりそうでんな」
ツ「そうそう。7月に30度を超えてるし、このまま行くと、12月には50度を超えそうですね~」
ボ「それはないやろ!」
ツ「なんでお前がツッコムねん!」
ボ「気象に詳しくない君に言っておくけど、冬は寒くなるねんで?」
ツ「知ってるわ!」
ボ「それを12月には50度超えるって……急にボケたくなったん?」
ツ「お前が俺のセリフを取ったからやろ! さっきのボケ、お前が言う事になってたやん!」
ボ「いや……僕は台本通りやってます……」
ツ「そんなにしんみり言うなや~。お客さんだって本当やと思うやろ~?」
ボ「だって本当……」
ツ「わ! 生まれ変わるんやったらやったな。俺はやっぱり、人間ですわ」
ボ「ほら、焦ってますやろ~? 寒いボケ考えたのこいつですねん」
ツ「寒いとか言うなや! 俺は一所懸命ない知恵を絞ってやな……言わすなや!」
ボ「出た! 台本通りのノリツッコミ」
ツ「だ~か~ら~」
ボ「まぁまぁそう怒らんと。……それでなんの話でしたっけ?」
ツ「生まれ変わるならや! お前が言い出したんやろ」
ボ「あ、そうでしたわ。それにしても君は人間に生まれ変わりたいって……仮定の話やのに面白味の欠ける答えでんな。それでも芸人?」
ツ「う、うっさいわ!」
ボ「だからこんな台本……」
ツ「話を蒸し返すな~!!」
ボ「面白くない君に代わって、僕が手本になるような答えを言いましょ」
ツ「言い方は気になるけど……なんですのん?」
ボ「僕が生まれ変わるとしたら、やっぱり猫ですな~」
ツ「あ~。日がな一日寝てられるし、食べ物も貰えて自由。確かにいいとは思いますが、どこが面白いねん」
ボ「立って歩く猫に生まれ変わったら面白いやろ?」
ツ「どこにいるねん!」
ボ「デレビの中にいるやん」
ツ「は? もしかして青い猫の事を言ってる?」
ボ「アニメの猫に生まれ変われるわけないやん! アホちゃうか!」
ツ「だからなんでお前がツッコムねん!」
ボ「僕が言ってるのは、飼い主に無理矢理立たされたり、無理矢理アテレコされてる動画の猫やん」
ツ「言い方! 飼い主さんはかわいいから、みんなに見てもらいたいねん」
ボ「一歩間違えば……」
ツ「皆まで言うな! そこで一旦やめとこな? な!!」
ボ「お、おう……」
ツ「それで、なんで動画の猫になりたいん?」
ボ「そりゃ漫才するより有名になれるからですやん」
ツ「俺達が有名じゃないみたいに言わないで!」
ボ「あ~んな、へたくそなおはようで何万と見てくれるねんで。ボロい商売でっしゃろ~」
ツ「かわいい猫の動画を商売と言わんといて!」
ボ「だから、もしも僕が猫に生まれ変わったら、広告収入でウハウハですがな~」
ツ「動機が不純! その嫌らしい顔もやめろ!!」
ボ「だって猫になっても食べていかないといけません。ちゅ~るだってタダやないんやで?」
ツ「うん。そこは飼い主に買ってもらおうや。でも、猫に生まれ変わったとしても、そんなに上手く発音できるんか?」
ボ「元人間やで、簡単や。ちょっと僕が猫をやるから、飼い主してくれる?」
ツ「いま!?」
ボ「君がやらんと、この漫才は終わらへんで?」
ツ「若干の脅し! まぁ付き合ったるわ。シロちゃん。お~は~よ。お~は~よ。言ってみて~」
ボ『う、ああ……お゛~~~ヴァ~~~よ゛~~~』
ツ「怖っ! ホラー映画かい! それに猫要素がまったく皆無! ちゃんと猫やりなさい」
ボ「ん、んん~……にゃにゃにゃ、にゃにゃにゃ!」
ツ「今度は猫要素しかないな。おはようより長いし、なんて言ってたん?」
ボ「我がしもべよ、ちゅ~るを献上するのだ!」
ツ「偉そう! 飼い主の事をしもべって言ってるし!!」
ボ「にゃにゃにゃ、にゃにゃにゃ、にゃにゃにゃ~!」
ツ「まだやりますん? さっきより長いけど、なんて?」
ボ「人間ども、ちゅ~るを差し出さないと滅ぼすぞ~!」
ツ「思いのほか物騒! それにちゅ~るに固執しすぎ!! どんだけ食べたいねん」
ボ「ごれで視聴回数増えるやろ?」
ツ「どこがや! 誰が猫の言葉を理解して動画を見んねん」
ボ「うっそ……これじゃあ、ちゅ~るが買えへん……」
ツ「なにその絶望的な顔! まさかお前が食べたいだけじゃないやろな?」
ボ「君に猫の気持ちの何がわかる!」
ツ「わかるか! もうやめさせてもらうわ」
ボ「待って待って! これだけは最後に言わせて!」
ツ「もう持ち時間ないでっせ?」
ボ「にゃにゃにゃ、にゃにゃにゃ」
ツ「また猫語。はぁ……なんて?」
ボ「このまま行くと、12月には50度を超えそうですな~」
ツ「いまさら異常気象の話!? もうええわ」
おかしい……異世界の猫に生まれ変わりたいって話にしようとしていたのに、どうしてこうなった……
ちなみに、異世界の猫に生まれ変わった話は、下のリンクから飛べます!