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トップシークレット  作者: toshimi1215
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3.人助け

その辺の難しい事は、私達7人は今ひとつよく分かって居ませんが、皆さんはどう思われますか?神様が与えられた試練をベイ博士が邪魔をしたんだと思われますか…」と尋ねてみた。83名の人達は、アンジーが問い掛けが終わるや否や、間髪入れずに「そんな事思って居ません、感謝してます」「助けてもらって嬉しいです」「いや、私は、ベイ博士が神様だと思ってました」などと言うセリフが、ほぼ全員の口から聴く事が出来た…中には「試練なんてクソ食らえですよ〜」と言う過激な意見まで飛び出した。アンジーは微笑みながら…「そんな風に言って頂き、本当にありがとうございます。実は私達も皆さんと同じように思って居るのですが…何せベイ博士は真面目で…私個人の意見を言わせて貰えば、天才って、物事を考え過ぎで、面倒くせ〜、って言う感じなんです…あの、皆さん、今の発言はベイ博士には言わないで下さいね」と言ってアンジーは顔の前で、手を合わせて、拝むようなポーズを取ったので…83名は笑い出してしまった。横手で見ているリンダ達は(よっしゃ〜、ベイ博士は悪魔じゃないって言ってもらえた〜。ジョニー、アンジー、ご苦労様)と思った。ジョニーは皆んなの笑い声が収まると「皆さん…ボチボチ御家族の元に帰る時間がやってまいりました…私達から1つお願いがあります…」全員が頷いている「今日の事故の事です。私が考えたシナリオなんですが…トンネルに入ると変な音がし出して、危ないと思ったから車から飛び出して、身をかがめていたら、トンネルの天井が落ちて来て、車はペシャンコに成ってしまったけど…上手く隙間が出来て、私達は助かりました…みたいな事を言って頂きたいのですが…お願い出来ますか?」と尋ねると、83名の人達は満面の笑みで「は〜い」と言う返事を返してくれた。ジョニーは微笑みながら「皆さん…ありがとうございます、これで、もしもまた、何処かで災害があった時に…本当は無い事を望んでいるんですが、いずれにしても、私達は出動する事が出来ます。…では北側に出られる方は…ボブの方かな…」するとボブとリンダがサッと手を上げて「はい、北側の方はこちらにどうぞ」と言って手招きをした。するとグレイとルーシーが「南側の方はこちらにどうぞ」と言って手を上げた…その時、ベイとメリーが、フリー・べーの作った会議室から出て来た…83名の人達は一斉にベイ博士を見つめた…ベイは会釈をしながら「皆さん…家の中に入るまで油断する事なく、気をつけてお帰り下さい」と言った。すると1人の婦人が「ベイ博士、神様の邪魔をして下さって本当にありがとうございます…感謝しています」と言ってアンジーがしたように、拝むように両手を顔の前で合わせた。ベイは静かな口調で「いいえ…」と言って小さく会釈をした、その時…小さな女の子の声がベイの耳に入って来た「パパ…車がペチャンコに成っちゃたね。うちビンボーだから、もう車…買えないね」「大丈夫だよ、パパが夜中にバイトして何とかするさ」と言う会話である、フリー・べーが、ベイの耳だけに届けた親子の会話である。「フリー・べー、ありがとう」博士は小さな声で呟いた後に「皆さん、車の保険に入っていますか?もし入って無くて、参ったなぁ車を買い替えるお金なんて無いよ、と言われる方、私に向かってソッと目をつむって下さい…フリー・べー、確認して」「かしこまりました」………「…はい皆さん、すみませんでした、帰る足を止めて。どうぞ北と南に分かれて下さい」と言ってベイは微笑んだ。

北側と南側のトンネルの前にはレスキュー隊、救急隊、警察官、軍の関係者、マスコミ等…沢山の人達が集まり、トンネルの中に取り残された人達を、いかに救出するのかと検討していた。レスキュー隊の隊長が「南側に、最後に出る事が出来た、バスのドライバーの方の証言だと…出口の手前200メートルほど前から地震が起り、サイドミラーで後ろを見ると…ハンドルを切り損なってトンネルの側面に当たってしまった車を見たそうです…そして出口直前にサイドミラーをもう一度見た時の光景は火の手が上がり…その直後、トンネルの天井が落ちて来た…と言っています」と言いながら…岩で埋まってしまっているトンネルを指差した。時間は既に2時間を経過している…誰も口には出さないが(生存率は限りなく、低いんじゃないだろうか…)と思っていた、その時、1人の警察官が大声で「人だ…人が出て来たっー」と叫んだ。トンネルの入り口にサーチライトが当てられるとマスコミのカメラは一点に集中した…トンネルの側面と大きな岩との間にある小さな隙間から…1人…また1人と、人が這い出して来たのだ。マスコミの人達は歓声を上げ、救急隊、レスキュー隊の人達は毛布や機材を持って走り出した。「御覧いただけているでしょうか生存者の方が、1人…2人、3人…えっ…?えっ〜沢山の方達が出てこられました…やった〜皆さん元気そうです…あれ?なんだか笑って居られてるように見えます、あれ…本当に笑ってます…?何があったのでしょうか?」その満面の笑顔はテレビを通じて全国に流された。北側の出口には、ボブとリンダとジョニーとアンジーが。そして南側の出口には、グレイとルーシーとメリーとベイが。それぞれ出口5メートルの手前まで、フリー&ブレスレットがトロッコ電車に変化して、皆んなを送ってくれた。北側45名、南側38名プラス遺体が一名…。北側出口でトロッコ電車を降りた45名は、ボブから最後の注意事項を言い渡された「ここから5メートル先が外に成っています…沢山の人達が出迎えてくれるでしょう…」45名は神妙な顔つきでボブの言葉に耳を傾けた「狭い隙間を進んでもらいますので、四つん這いに成ってもらいます…洋服が汚れてしまいますが、クリーニング代は各自でご負担下さい、また前を進む女性の方のお尻が魅力的でも、決して触らないようにお願いします」と真面目な顔つきでボブが言ったので45人は噴き出してしまった…。その状態のままで外に出たので、マスコミの人達から「皆さん…笑って居られましたが、中に取り残された状態で怖く無かったのですか?」と質問されてしまう事に成ってしまった。45名は(もう〜ボブさんが変な事を言って笑わすから〜…でも感謝しています…)と思いながら、秘密厳守を前提に…マイクに向かってジョニーから教わったシナリオを喋り、そして後は…適当な嘘を並べておいた。南側の出口では、グレイが真面目な表情で…「狭い所を進んでもらいますので、頭には気をつけてください、1人ずつ順番にどうぞ…」と言っていた。その時1人の女の子がベイに駆け寄り、手を握り締め「天才、悪魔博士、ありがとう…面倒くせ〜博士の事、大好きだよ、じゃあね、バイバイ」と言って女の子は両親の元に戻って行った。ベイは笑いながら「んっ〜…私の事を誰かが…なんか言ってたんだなぁ〜」と言って周りを見回した、すると目のあった男の子が「大好きで、尊敬しているけど、天才は面倒くせ〜、何だってさ」そう言って親指を立てた、母親は慌てて息子の口を押さえたが…隣りにいたお姉ちゃんが「馬鹿ね〜アンジーさんが内緒にして下さいって、手を合わせてたでしょ」と言った…両親は(あちゃー)と言うような顔で額に手を当てると、ルーシーがおもむろに「子供って正直なのよね〜」と言ってしまった…グレイが慌てて「ルーシー…思った事を口に出しちゃダメだよ」と言って口を押さえたので、温厚なベイなのだが思わず「ナンだとこの野郎〜」と言ってしまった。当然本気で言ってない事は、その表情を見れば誰もが分かっている、何せ、顔が笑っているのだ、ただ真面目で丁寧な喋り方のベイが、砕けた表現をしたので38名はとうとう笑い出してしまった。その状態で外に出たので、南側の人達も、北側の人達と同じような目にあってしまった。

ただ、南側は1人の方の遺体があるので…駆け付けて来ている家族の手前、そうそう砕けた冗談ごとは誰も言わなかった。ベイは皆んなで船に戻ると…直ぐに山を元の場所にソッと戻した。が…亀裂が入っていたのか…山は、ガガガガッ、っと言う音と共に、トンネル内は完全に押し潰されてしまった…。マスメディアは「まさに奇跡の生還です、1分遅れていたら全員が助からないところでした」と伝えたが…83人は(皆んな…死んでいたんだよ…優しい博士と、助手の方達に助けて貰ったんだよ)と思っていた。船に戻った8人…ベイは「…皆んな、ご苦労様、実戦を兼ねた勉強会だったけど、疲れてないかな?大丈夫かな…」と言った、するとアンジーが「あの…ベイ博士」「なにかなアンジー」「あの…私…さっき皆んなの前で博士の事を、面倒くせ〜、って言っちゃったんです…ゴメンなさい、本心じゃ無いんです…」と言って頭を下げているアンジーの足は、ちょっぴり震えている、ベイは微笑みながら「アンジー、謝らなくてイイんだよ、その場の雰囲気を見て、アンジーが選んだ言葉何だから、何を言われても僕は怒らないよ…って言うか、僕は昔から怒った事ないじゃん」と言うと、アンジーは腕組みをして考えこんで…「あっ本当だ、怒られた事がない」「でしょ〜、だから気にしなくて大丈夫だよ、ただ僕の心の中の成績表で、アンジー減点3って付けるだけだから」と言ってニヤッと笑った。アンジーはジョニーにしがみついて「そんなの嫌だ〜」と言って地団駄を踏んだ、するとベイが「冗談だよアンジー、ゴメンね、からかって、減点3は僕の方だよ…何だか皆んなに気を使わせて居るみたいだね…」と言って、下を向いて黙り込んでしまった。ボブはリンダの耳元で「どうしよう、ベイ博士が悩んでるよ〜、俺達…ですぎた事をしたのかなぁ」と言っている時に…ベイが急に頭を上げ「よし、だいぶ反省したから…もういいかな」と言って微笑んだ。リンダは思わず「反省かよ、落ち込んでるんじゃ無いんかい!」と言ったので、皆んなはとうとう笑い出してしまった。 第3 〈… 離れたく無い…〉 窓から見える黄金色の空が、だんだんと紫色に変わっていく(今日も沢山の方達と出会ったな…)そんな事を思いながら、8人は窓辺のソファーに腰を下ろし、コーヒーを飲みながら…ボンヤリとした時間を過ごしていた…そんな時、ベイが耳が痒いのか、人差し指で耳を触っている、するとメリーが自分の膝をポンポンと叩き「どうぞ、ベイ、私に耳そうじをさせて」ベイは嬉しそうにメリーの太ももに頭をのせた「フリー・メー、耳かきと、綿棒と、ピンセットを出して貰えるかしら」メリーの膝の横に3点の耳かきセットが現れた「ベイ、痛ければ言ってね…」6人はそんな2人を見ながら(本当に良かったね…メリーの横にベイ博士が居てくれて、嬉しいね、幸せだね…)と思って見ていると「あっ…ゴメンなさいベイ、ヨダレをこぼしちゃった」焦るメリーに対してベイは笑って居る…6人は(こぼしたねメリー、耳の中に入ったね、焦ってるね、取れると良いね。……メリー、ベイ博士と一緒に居れて、本当に良かったね…)と思ったら…なんだか胸がいっぱいに成った。…そして夜の8時…昨日に引き続き、グレイとルーシーが作ってくれたディナーをいただける事に全員で感謝した。「今頃83名の人達も自宅に帰って、食事が終わった頃かしら」と言ったのはアンジーである、ジョニーは小さく頷きながら「…お爺さんは…奥さんと会えてメチャクチャ喜んでいたけど…息子さんの家は今頃…悲しみに沈んで居るだろうね〜」と言った…ボブもリンダも、皆んなもそう思っているのか…自然と視線はベイに向けられ(博士…何とかして上げて下さいよ〜)と言うような要望の眼差しに変わっていた。ベイは視線を感じるとニッコリと笑って「さてと…皆んなで食後の散歩に行こうか?」「何処に行くの…ベイ…」「メリーも皆んなも、行きたがっている所だよ、其れには先ず変装をしないとね」首を傾げるメリーにベイは1回キスをして…「フリー、僕達8人に警察官の格好をさせて」フリー達は声を揃えて「かしこまりましたベイ博士」と言って…8人に警察官の制服として、覆いかぶさった。「ベイ…この恰好で…もしかしたら、お爺さんの息子さんの家なの」「皆んなが気にしているようだからね」7人は嬉しそうに親指を立てた。同じような形の家が建つ…閑静な住宅街…9時半という時間帯もあってか、どの家の窓も明るく彩られている、しかし一軒だけ暗い家があった…。ベイ達は其の家の玄関先に船からスーッと下りて行った。一番前に立っているのはジョニーである…ジョニーはアンジーと耳打ちしながら最後の細かい打ち合わせをしている…アンジーがチャイムを鳴らした…しばらくすると中から若い男性の声が…「はい…どちら様ですか」「夜分にスミマセン警察の者です」ジョニーはドアのガラス越しにバッチを見せた、「チョットお待ち下さい……パパ、警察官の方達が来られたよ、入ってもらうよ…お待たせしました、中にどうぞ」8人が通されたのは、お爺さんの為にわざわざ息子が作ってくれた一階の一番奥の部屋である…ベットにはお爺さんの遺体が…ベットを囲むように椅子が置かれている…目を真っ赤に腫らした壮年の顔を見ると、ベイの胸は苦しくなった。ジョニーはセキ払いを1回した後に「実は警察の方に…こんな物が届いたんですよ、宛名は書いていません」と言って一枚のDVDを息子に渡した…怪訝そうに見ている息子に「今すぐ観られる事をお勧めします」とアンジーが言うと、息子は黙って頷きDVDをセットした。「スミマセン、主人は御父様が亡くなった事で…かなり動揺してるんです。主人はトーイと言います、私は妻のメリッサ、息子のスタンと娘のケートです」と言って家族紹介をしてくれた。8人は小さく微笑み(はい…皆さんの事は、お爺さんから、ちゃんと聞いておりますよ…)と思いながら会釈をした。テレビの画面は真っ暗な状態から始まった…そして光が入り…ペシャンコになった車…力持ちの8人…バラバラの遺体…白い魔法の絨毯…遺体を見下ろす幽霊、その中に自分の父親が居た。…トーイは画面に向かって「父さん…」と声を掛けた…。「この中に生き返りたく無い方は、居られますか?」手を上げる父親「…父さん、何で?」トーイを後ろから抱きしめるメリッサ。15年前に亡くなった妻の元に行きたいと懇願する父親、けむりの中から出てきた母親のキャリー「…お母さん」とつぶやくトーイ。80歳から62歳になった父のマークは、母のキャリーから離れない…何回もキスをしている父親は、本当に母の事が大好きだったのだ、知ってはいた…知ってはいたが、これ程愛していたとは…嬉しそうな両親を見ていると…今まで悲しくて、胸が張り裂けそうな感じであった自分の気持ちが…不思議なくらい和らいで行くのが分かった。ジョニーが家族に向かって「…もしも、今…目の前で信じられない事が起こったとします…其れを私達がトップシークレットなので絶対に他言無用でお願いします…と言ったら…守れますか?」と言って4人の顔を順番に見ていった。妻と子供達は父親のトーイに視線を向けて(パパ、私達どうすれば良いの…)と心の中で呟いた…父親は下を向いたまま、自分の膝を両手でギュ〜ッと握った後に「はい…守れます」と言って顔を上げた。ジョニーは微笑みながら「ベイ博士…もう大丈夫ですよ、後はよろしくお願いします」と言って後ろに下がった。ベイは「ありがとう、ジョニー、アンジー」と言って2人に会釈をした。そして「フリー・べー黒衣モード」と言うつもりだった…しかし、フリー・べーと声をかけている時に、急にメリーに腕を引っ張られ、「えっ?メリーどうしたの」と聞いている途中に…「フリー・メー、私達8人を白衣モードに、お願い…」と言った。…すると8体のフリー達はニッコリと微笑み「かしこまりました、メリー様」と言って…男性四人には白いスーツとして覆いかぶさり、女性四人には白いヒラヒラとした可愛いワンピースとして覆いかぶさった。ベイは、えっ?と言うような顔でメリーを見たが…リンダとアンジーとルーシー達と微笑み合っている姿を見ると…(まぁ〜いいか)と思った。「フリー・べーあの世モード。マーク御夫妻を探して」「かしこまりましたベイ博士……見つかりました、此方にお連れしましょうか?」「ありがとうフリー・べー。マークさんの体を通り道にして、お連れして貰えるかな?」「かしこまりました」…家族四人は何がおこるのかドキドキしながらベイの顔を見ていた…その時、マーク爺さんの遺体がファ〜ッと光り出し…四人が「えっ?」と言いながら観ているとマーク爺さんの体の上に…白い球体が現れ…その中から両親のマークとキャリーが仲良く腕を組んで出て来た…「トーイ、久し振りね〜、立派なお父さんに成ったわね〜。メリッサ、素敵なママに成ったわね〜。ケート、スタン、おばあちゃんの事を覚えてる、二人とも大きく成ったわね〜」と言って微笑んだ。息子のトーイは「お母さん」と言って抱き付いた「あらまぁ〜大きな赤ちゃんねぇ…嬉しいわ、もう一度あなたを抱きしめられるなんて…」トーイは人目も気にせずに泣き出してしまった…キャリーは息子の背中を撫ぜながら「泣か無いの…子供達に笑われちゃうわよ」すると孫のケートが「おばあちゃん大丈夫よ、パパは映画を観ても、直ぐに泣いちゃうの、私達…慣れているから」と言って微笑んだ。マーク爺さんはお嫁さんに向い「メリッサ、こんな甘えん坊の息子だけど…この先も…連れ添ってやってね」と言うと、メリッサよりも先に孫のスタンが「おじいちゃん大丈夫だよ、パパとママは毎日エッチな事しているから、本当に仲がいいんだよ」と言って笑った。メリッサは真っ赤な顔で「えっ?何で知ってるの」すると娘のケートは「ママは声が大きいのよ…」と言って肩をすくませて見せた、メリッサは真っ赤な顔で「だってパパが求めて来るんだもん」と言うと、マークがすかさず「すまんね〜ワシに似たんだなぁ」と言ったので部屋の中は大笑いと成ってしまった。「トーイ…ずっとそばに居てやりたいんだけど…いずれ、別れの時は来るんだよ…お前もメリッサも何時も優しくしてくれて…ワシ、本当に嬉しくて…でもキャリーの居ない寂しさに…ワシ耐えられないんだよ…。今日な、トンネル事故で84人全員が死んだんだよ、そこに居られるベイ博士が生き返らせてくれたんだ。でもワシだけ…博士に頼んで、62歳の身体に戻してもらって、キャリーのそばに居たいです、って言ってな…ゴメンなトーイ」と言ってマーク爺さんは下を向いた「父さん…お母さんの所に行っていいよ…」「良いのかトーイ」「いいよ…だってスッゴク幸せそうじゃないか」「ありがとうトーイ、実は、悲しんでくれているお前達に、本当に悪いなぁ〜と思いながら、ワシあの世で…キャリーと二回もセックスしちゃったんだ」「マーク、皆さんの前で何を言ってるの」と言ってキャリーは頬を赤く染めた。メリッサはトーイをキャリーからソッと離し「あなた、もう悲しくないでしょ…あなたのパパとママは、激しく愛し合っているの…ワタシとアナタの様に…」トーイはメリッサを強く抱きしめると「ゴメンよメソメソしてて…僕には世界一大好きな…君が居るんだよね…俺って奴は、50歳を過ぎているのに…精神年齢は子供なのか、ってね…。お父さんは、お母さんのモノだよね…笑顔で見送るよ」と言ってキスをした。マークはキャリーを抱きしめながら「じゃあ、ワシらはソロソロあの世に帰るよ、三回目のエッチをするんだ、ワシ身体中から力が湧いて来てさ…」「おじいちゃん」と言って二人の孫に睨まれると、マーク爺さんは笑いながら「いいか、可愛い孫達よ、ワシから人生のアドバイスをしてやろう…絶対に、好きな人と結婚しないとダメだぞ…」すると孫のケートが「おじいちゃん、私は今一つだなぁって思っているのに、相手の人が私の事を大好きだぁって言った時は…」すると横からキャリーが「ケート、相手の人から愛情をイッパイもらうと、段々その人が、世界一大好きな人になってくるわ、でも注意点が1つ有るの」「なぁに、おばあちゃん…」「彼がくれる愛情に感謝をしなさい、当たり前だと思うように成ったら…どこの誰と結ばれても…上手く行かないわよ」と言って微笑んだ…二人の周りに、白い煙が漂って来た…「さあキャリー、二人の世界に帰ろうか」「うん…。トーイ、メリッサ、ケート、スタン…私達は何時も…あなた達の事を見守っているからね…色々な事が有ると思うけど…頑張ってね」と言って、泣きそうなキャリーを…マーク爺さんは、後ろからヒョイと抱き上げ「悪いけど、四六時中お前達を見ている訳にはいかないからな…だってワシがキャリーにエッチな事ばっかりしちゃうから、ガッハハハハ」二人の身体が球体に包まれた…漂う煙の間から二人が手をふっている…そして消えていった。息子のトーイが「良かった〜、父さんと母さんが一緒に居れて…」と言った後に…「ベイ博士、本当にありがとうございました。私達は絶対に今夜の事は、秘密にします…亡くなっている両親に言うのは変ですけど、本当に元気そうで、幸せそうで、エッチで、もう笑うしかないです。ありがとうございました」と言ってマークが頭を下げると、妻と子供達も同じように頭を下げた。ベイ達が帰ろうと部屋を出ると、四人が見送りたいと言ってついて来た「いえ、あの…自分達で勝手に帰りますので、お爺様のそばに居てあげて下さい」とジョニーが言ってくれたが…「大丈夫です、父は今頃、母とエッチな事をしていると思いますから」と言って微笑んだ。ベイは(困ったなぁ〜)と思ったが…もう玄関先に来てしまった…ベイ達はもう一度家族に向かって頭を下げ…「フリー・べー、船に帰るよ」「かしこまりました」と言う声と共に8人の身体は空に向かって上がって行った…見送る4人は驚きを隠せない。船には透明シールドが張られているので、下から観ている4人には8人が夜空に消えて行ったように見えた。「パパ…おじいちゃんと、おばあちゃん…一緒に居れて…本当に良かったね」と言うスタンの言葉に「うん…うん…」と言いながら、トーイはメリッサを強く抱きしめた。。。。

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