29.さて,次は
ブラウンはレイチェルの手を握りながら「すごいね…本当に宇宙に…月に行けるんだよ。僕は何の訓練もしてないんだけど…」レイチェルはブラウンの頬を右手でソッとなぜながら「…私も子供達も、何もしていないわ…でも行けるみたいよ…」と言った。ブラウンはレイチェルをいきなりギュッと抱きしめると「ゴメンよ、自分が行きたいと言ったくせに、臆病なものだから胸がドキドキして…」レイチェルは夫の胸に耳を当てると「本当だ…ドキドキしてる…でも私が一緒だから大丈夫でしょ」と言ってキスをしてくれた。その時「皆さん成層圏を出ました、船を反転させますので地球を眺めて下さい」と言う匠の声がブリッジ内に響いた。真正面の大きな窓の真ん中にあった月が右側に消え…左側から青い地球が入って来た…子供達は歓声を上げ、ブラウンは奇声を上げ、そしてレイチェルは小さな悲鳴を上げた。ベイはブラウンの様子見て、若干心配げな顔で「えっ〜と…喜んで貰っているのかなぁ…?」と言いながらメリーの顔を見た、メリーは少し首を傾げ「たぶん…月に行きたいと言ったのは。ブラウンさんだから…」その時、匠から「ベイ博士、デッキの窓を、360度全て見える状態にする事も出来ますが…」ベイ博士は「無理無理無理…」と即答した、するとメリーが横から「匠さん、気持ちは嬉しいけど…ブラウンさんと、レイチェルさんが怖がって居るので…今のままで結構です、すみません…」と言った。メリーの言葉に、ブラウン夫妻はホッとしたような顔で頭を下げている。初めての宇宙である、怖くて当たり前である。しかしトムとニーナには恐怖心がないのか、ブリッジの中を走り回って喜んでいる。海を見たいと言ったトム、雲の上を見たいと言ったニーナ、でも2人が本当に見たかったのは、宇宙空間なんじゃないかな?と、思わせてくれるくらいの喜び方である。子供達の無邪気な行動は、時として、大人の気持ちをも和らげてくれるのか…ブラウンも徐々に平静さを取り戻してきた。ブラウンはレイチェルの耳元で「…いま地球を眺めていると…なんて言えばいいのかなぁ……」そこまで言うとブラウンは言葉を失ってしまった、レイチェルはブラウンの顔を見つめながら「どんな事でも、乗り越えられる、と思った?」ブラウンは小さく頷いた、レイチェルは更に「ベイ博士のお陰ね…トムとニーナを生き返らせて下さって…経済苦の私達を助けて下さって…仕事まで与えて頂けて…私達、生きて居てもいいんだって、思ったわよね…辛い事ばかりが続くと「私達って、世の中の邪魔者なのかしら、死んだ方が、世の中の為に成るのかしら」なんて、悲しい事ばっかり考えてしまうのよね…」「…うん、僕もそう言う事を言いたかったんだ」と言いながらレイチェルを、ギュッと抱きしめ「…地球って本当に青いんだね…レイチェル、生きて来て…本当に良かったね」と呟いた。その時、元気な女将の声がデッキの中に響いた「ブラウンさん、夢にまで見た月に着きましたよ、足を踏ん張って下さい、しっかり奥様と子供達をエスコートして下さいね…今から月に降りますよ」と言った。スカイシップは月面から50メートルの高さに待機して居る、女将は優しい声で「ブラウンさん着きましたよ、下に降りましょうか」ブラウンは嬉しそうな顔で「お願いします」と言って頭を下げた。女将は3体のブレスレット呼び「透明な球体に成ってちょうだい、皆さんの歩調に合わせてアナタ達が動くのよ、月面散歩のサポートを頼むわね」と言って…12名を月面に下ろしてくれた。特別な装備品など何も付けていない、ニューヨークの夜景を見た時のタキシード姿のままである。ブラウンはレイチェルと手を繋いで一歩前に進むたびに「あぁスゴイ、月面を歩いているんだ、あぁ〜ふかふか、ヤバイ、月なんだぁ…」と呟いた、するとニーナが笑いながら「パパお願いだから笑わさないで…」と言い出した、トムはニーナの口をサッと押さえると「パパは今感動しているんだ…ソッとしといてあげようよ」と言った、ニーナが黙って頷くと、グレイは思わずトムの頭をなぜながら「お兄ちゃんだね、大人だね」と言って微笑み、ルーシーはニーナの耳元で「大丈夫よ、誰もパパの事を笑ったりしないから、ニーナちゃんは優しいわね…」と言いながら頬にキスをした。…30分ほど歩くと小高い丘の上に着いた、150メートル程先に国連の月面基地が見える、ブラウンは感動しながらながら「おぉ…テレビで見た事がある…すごい…ベイ博士…月に連れて来て頂き…ありがとうございます…」ブラウンは周りを見回しながら満面の笑みである…5分ほどした時、フリー・ベーが「皆さん、女将様からボチボチ帰って来て下さいとの事です…」ベイはブラウンに「…満足してもらえましたか?」ブラウンは力強く頷きながら「ありがとうございます、大満足させて頂きました、一生涯の宝の思い出です…」と言いながら涙ぐんでいる、ベイは「喜んでもらえて良かったです、次の遠足は1ヶ月後です…また行きたい場所を考えておいて下さいね」と言って微笑むと、ブラウン一家の四人は(えっー、また参加させて頂けるんだ…)と言う思いが顔に出てしまい、だらしない自分達の満面の笑みを、両手で必死になって隠そうとした…。ベイはフリー・ベーに「12名乗りの、月面車を頼めるかな…」と言った「お安い御用ですベイ博士」と、言い終わった時には…目の前に月面車が現れていた。ブラウンは「えぇ〜、こんなスゴイ物にも乗せて貰えるんですか〜」と言って喜んでいるが…トムが冷静な口調で「パパ…今日乗せて頂いた乗り物は…全て、物凄い物ばかりだったよ…」と言うと、ブラウンは小刻みに頷きながら「トムの言う通りだよ、パパの失言だね」と言って頭をさすった。…それでもブラウンは月面車に乗れて嬉しいのか、終始満面の笑みを浮かべていた。。12名を乗せたスカイシップは月面を離れて地球に向った。ブラウンもレイチェルもトムもニーナも喜びすぎたせいか、ソファーに座ると、深い眠りに入ってしまった。ベイはその姿を横目で見ながら「皆んな、遠足は楽しかったかい?」と尋ねた、7人は笑顔で頷いたが…ベイの顔は少しコワイ表情である、そして「フリー・ベー、ブラウン御一家にシールドを張って」「はい、了解しました」7人は(えっ…何が起こるの?)と思った。するとベイは低い声で「…さっき匠さんから、僕がお願いしていたマシンが完成したと言う報告を頂いてね…いよいよ皆んなに、本格的に力を貸してもらう時が来たよ…世の中を混乱させる、悪魔の仕事の始まりだ…心の準備は出来てるかい…」7人は(ヒェ〜、さっきまで優しいベイ博士が、いなくなった〜)と思ったが…(まてよ…前にも世の中をメチャクチャにしてやる〜って言って…結局したのは人助けだったよなぁ…?)と思い返した。するとボブが「ベイ博士…具体的にはどの様な事をするんですか?」と尋ねた「ふふふ…ボブ、良い質問だね…人類を監視する…いや管理するんだよ、其れも適当にね…民衆は戸惑いながら悲鳴を上げるだろう、泣き叫ぶがいい…俺の知った事じゃ無い、恨むなら国を恨め、俺たちに銃を向けた報いを受けろ…もう誰にも俺を止められないよ…」と言いながら、恐ろしい形相で自分の拳を見つめている、リンダとアンジーとルーシーは顔を見合わせながら(危険な科学者に成ってる〜、止めなあかん奴やん…)と思った。メリーはベイの背中に抱き着き「お願いベイ…私達、ちゃんと着いていくから、いつものベイに戻って〜」と悲壮な声を上げた、すると「えっ?うん、いいよ、どうしたのメリー」と素顔のベイに戻った。6人は顔を見合わせて(直ぐに戻って来るんかーい)と思ったが、何も言わずに黙っていた。その時、女将が「皆さん、ホテルの上空に到着しました。ベイ博士、この後はどうなさいますか?」と尋ねてきた、ベイは笑顔で「ブラウン一家の方達を…ホテル内の…自分達のベットにソッと寝かせて頂けますか」と言った、女将が「お安い御用です」と言うが早いか、4人の身体はソファーの上に…フワッと浮き上がった…その間にスカイシップはホテルの屋根ギリギリまで降りると8体のフリー達がドアを開け…そして4人をベットまで送り届けてくれた。女将は「ベイ博士、4人のベットの周りに、今回の遠足で着られた洋服と、お土産を置いときました、後はロビーのテレビの前に遠足の記録DVDも置いときました、メッセージはどうしましょうか?」「そうですね〜…五日間、仕事の為にホテルには帰れません、6日目の夕食までに帰ります、宜しく願いします、と書いて置いていただけますか」「はい、今メッセージをテーブルの上に置きました、以上でよろしいですか?」「はい女将さん…ありがとうこざいます」ベイのお礼の言葉をキッカケに、匠はスカイシップを一気に高度1万メートルまで上昇させた。…7人は次の計画の内容をまだ聞いていないのでないので、内心ドキドキしている(…どうかベイ博士が地球を征服する、なんて言い出しませんように…)そんな事を思っていると、女将が会議用の椅子とテーブルを出してくれた…7人は緊張した面持ちで椅子に座った。ベイは先程に比べるとかなり普通の表情で、一人一人の顔を見回し「前に言っていた
マシンが完成したんだ。1つ目は、匠さんと女将さんの子供達を200億体作った…ホタルの形をしている。当初は100億体のつもりだったけれど、倍に増やした。2つ目は、生き返りマシンを更に、小型化にしてもらった。3つ目は、物体を通り抜けられるマシンが出来上がった。4つ目は重力を自在に操るマシンを小型化してもらった。…始めにホタルの事から説明するね、まずホタルの仕事は、世界中の人々の監視だ…1人の肩に、二体のホタルが着くんだ、今まで世界各国のスーパーコンピュータから全ての情報を盗んで居たんだけど…それだと大まかな事しか分からないんだよ、でもこれからはホタルの働きによって本当の事が分かるんだ。。。




