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トップシークレット  作者: toshimi1215
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2.私達は…悪魔の使いだ

次の日の朝、12月31日、皆んなを乗せた船は、ハワイ諸島の上空800メートル程の所を漂っていた。集合時間の8時になると4つの部屋の扉がほぼ同時に開いた…「おはよう、今日は気持ちがいいくらいに晴れているね」そんな挨拶をしながら、8人は朝食のテーブルに着いた。大きな窓の外には青空が広がっている。誰一人として口には出さないが、昨夜どれだけ愛し合ったのか…お互いが手に取るように分かっている、ナゼなら…リンダはボブの膝の上に横座りをしている、アンジーもジョニーの膝の上に、ルーシーもグレイの膝の上に…そしてメリーなどはベイの膝の上にまたがっているのだ(…おいおい、普通は横座りだろう…何でメリーだけ、またがっているんだよ、見た目がエッチすぎるじゃないか。メリーって少し天然なんだよなぁ…)と3人の男性はそう思った、しかし3人の女性は(そうだよね、メリーは1年ぶりにベイ博士に甘えられたのよね、いいのよメリー…イッパイ甘えなさいね)と思っていた。皆んなで朝食を済ませた後、「今年も今日で終わりだね…」と言いながら、ベイは1つの箱をテーブルの上に置いた。長さ50センチ程の桐の箱…パティシエのルーシーは(カステラでも入っているのかしら)と思った、その時、好奇心おう盛なジョニーが「ベイ博士、その中には何が入っているんですか」と尋ねた…「コレは皆んなを護ってくれるモノだよ…ちょっとだけ驚いちゃうかも知れないけど、きっと気に入ってくれると思うよ」と言って微笑んだ。するとボブが「ベイ博士、昨日、さんざん驚かせてもらいましたから…今日はそうそう驚きませんよ、アッハハハハハ」と笑い飛ばした、すると横からグレイが「ボブはスゴイなぁ、僕なんか、もう今から胸がドキドキして来たよ」と言って自分の胸に手をあてた。するとボブは「グレイ、強がりに決まってるじゃん、昨日なんか俺、3回くらい気を失いかけて、リンダに支えてもらったんだから」と言ったので、デッキの中は大爆笑となってしまった。ベイは皆んなの顔を観ながら箱のフタを、ソッと開けた…7人は目を見開いた、金色のブレスレットが自ら浮き上がって出て来たのだ…(あっ〜何だか想像がつかないモノが出て来た〜…)7人の率直な感想である。ベイは皆んなの顔を順番に見ながら「さあ、ドキドキする気持ちは分かるけど…皆んな、手を出して」と言った…恐る恐る手を出す7人、ベイはすかさず「装着」と言った、7人が「えっ?」と言ってベイの顔を見た次の瞬間…ブレスレットはシュルシュルシュルっと、7人の手首に巻きついた「えっーー」と言う7人の悲鳴、ベイは笑いながら「あっはははは、皆んな失礼だなぁ、本当に良く出来たマシンなのになぁ」「違うのよベイ、素晴らしいマシンだと思ってはいるんだけど…ほら急に、手首に巻きついて来たものだから…皆んな本当にビックリしちゃって」と言いながらメリーはベイの胸の中に顔を埋めた。リンダもアンジーもルーシーも、左手を斜め45度に上げた状態で、ボブとジョニーとグレイにしがみついている。ベイはメリーのお尻を両手でしっかりと抱きかかえながら「ボブ、ジョニー、グレイ…パートナーを抱っこしたままで最上階に行くよ。フリー・べー上に連れて行って」「かしこまりましたベイ博士、エレベーターを用意します」7人は思わず周りを見回した(昨日…エスカレーターは見たけど、エレベーター?)と思っていると、デッキの天井に大きな穴がポッカリと開いている…「エッ、あっ…」と言っている間に…自分達が今居る場所自体が床ごと上に…上がり出したのである(応接間的なデッキだと思っていたけど、実はエレベーター?だったの…)と7人はそう思った。3秒後に最上階に着くと7人は先ず、その広さに驚いた…縦の長さ180メートル、横幅は80メートル、床から半透明な天井までの高さが15メートルもあるのだ。7人が「おっ〜〜〜ぉ」と言いながら見回していると「あのね、天井はシールドで覆って居るんだよ、色も形も自由自在に変えられて、高さも最高で50メートルまで上げる事が出来るんだよ、今はちょとした体育館のようにしているんだけどね、まぁ屋上デッキって言う感じかな」ベイの説明に、7人はまたしても「おっ〜〜」と言う驚きの声を上げてしまった。嬉しそうに屋上デッキを見回している7人に向って、ベイは微笑みながら「さあ〜…勉強会を始めます、私の前に…横一列に並んで下さい、あっ隣りの人とは5メートルほど、間を空けて下さい…」と声をかけると、全員がサッと動いてくれた、昔からベイの勉強会は、真面目に取り組まなくてはいけないと言う事が、身体に染み付いているのである。ベイは微笑みながら「皆んなの左手にあるブレスレットは…一言で言うと…鎧です、皆んなの身体を護ってくれます。ただし僕が作った訳ですから、その辺の博物館にあるようなモノではありません…でわ、まずブレスレットに向って球体モードと言って下さい」と言った。7人はキョトンとした顔をしているが、内心は怖いのだ…すると7人の肩に浮いているフリーが「リンダ様、ベイ博士がおっしゃる通りにして下さい」「アンジー様、球体モードと言って下さい」「ルーシー様、怖がらずに、さぁ…球体モードと言って下さい」と言って7人の背中を押してくれた。全員が意を決したような表情で「球体モード…」と言うと、7人の身体は大きなシャボン玉のような球体に包まれた。「えっ〜スゴイ〜」全員の素直な感想である。ベイは微笑みながら「ボブ、この球体は君の言う通りの形になるんだよ…例えば、飛行モード、ジェット機って言ってみて」「はい、ベイ博士……飛行モード、ジェット機」とボブが叫ぶと、球体がジェット機になり、ボブは操縦席にチョコンと座っていた。グレイは目を輝かせて「ベイ博士、僕も言ってみていいですか」「はい、どうぞ」「飛行モード、ジェット機」グレイもジェット機の操縦席にチョコンと座って満面の笑みで手を振っている。「ベイ博士、俺もやります」と言って手を上げたのはジョニーである「はい、どうぞ」ジョニーも本当に嬉しそうに、ジェット機の中から両手を振って喜んでいる。その時ルーシーが「ベイ博士…何でジェット機の形が違うんですか?」ベイは頷きながら「ルーシー、とっても良い質問だね…8つのブレスレットは、8人のフリーと常に会話をしてるんだよ…フリーはルーシーの好みを知っているから…それでね、ジェット機の形がそれぞれ違う形になって出て来ちゃうんだよ。でも具体的なモノの名前を言えば、同じジェット機が出てくるんだよ」と言って微笑んだ。リンダもルーシーもアンジーもそれぞれに違うジェット機の中に入って御満悦である…しかしメリーだけは球体の中でジッとしたままである。「どうしたのメリー、皆んなと同じようにやってごらん…」メリーは黙ったまま首を横に振った。「どうしたのかな?僕の可愛いメリーは、赤ちゃんに成っちゃったのかな…」「…私は…もう一人はいやなの…ベイの後ろか…ベイの横か…一緒がいい…」「…分かったよメリー、横がいい、それとも後ろかな?」「…ベイの膝の上がいい…」ベイは微笑みながら「…分かった。…皆んなチョット見てくれるかな、実はこのブレスレットは合体させる事も出来るんだよ、見ててね、フリー・べー、メーと合体するよ」「かしこまりましたベイ博士」「おいでメリー、抱っこしよう」と言って博士が手を差し出すと、メリーは満面の笑みで博士の胸の中に飛び込んで来た。「メリーを抱っこしたまま乗れる、ジェット機、色は透明で」2つの球体は溶け込むように混ざり合って1つのジェット機の形に成った。透明なので、ベイ博士の膝の上で嬉しそうに笑っているメリーが丸見えである。「皆んな、見ててね。…ブルーとレッドとイエローを取り入れた機体にして」とベイ博士が言うと…機体はアッと言う間に斬新な配色のジェット機に変わった。「皆んなも言ってみて、途中からでも機体の色を変える事が出来るから…」と言う言葉に、リンダは笑いながら「ベイ博士、話はソコじゃ無くて、二人で一緒に乗れると言うところですよ、見ればメリーは博士の膝の上っているし…私達に見せつけて居るんですか?皆んなもそう思ったでしょ…」と言うと他の5人も笑いながら頷いた。ベイは皆んなの笑顔を見ると(よしよし…皆んなブレスレットの機能を信用してくれたみたいだな…そろそろ飛んでも大丈夫みたいだな…)と思いながら「リンダの言う通りだね、ゴメンね…さて勉強の続きをするよ、実はこのブレスレットって8つを合体させる事も出来るんだよ、でね…まず飛ぶ事に慣れるために、8人で1つの乗り物になって…外に出て見ようと思うんだけど…どうかな?」と提案してみた、7人はお互いの顔を見合わせながら(皆んなと一緒なら怖くないかも…)と思い…少し顔は引きつってはいるが親指を立ててくれた。ベイは笑いながら「ありがとう、じゃあ行くよ。…フリーべー、8つのブレスレットを合体させて、形は君に任せるよ」「了解しましたベイ博士」と言い終わった瞬間、6人のジェット機は球体に戻り、滑るようにベイの元に集ると、アッと言う間に1つのタマゴのような形に成った…2人掛けの椅子は真っ白で、横幅が2メートルで、背もたれが長く、立たないと前の人が見えない状態である、しかし背もたれの後ろの部分は、縦150センチ、横幅180センチの画面に成っている、つまり全員が最前列に座って居る状態である。足元の床の色は淡いピンク…そして天井は透明である。簡単に言えば大きな透明のタマゴの中に椅子が四列並んでいるような乗り物である。前からベイとメリー、2列目はボブとリンダ、3列目はジョニーとアンジー、4列目はグレイとルーシーの順に並んでいた。「ねぇリンダ、昔遊園地で乗ったジェットコースターを思い出さない」と言ったのはアンジーである、リンダが答える前にルーシーが、ジェットコースターと言う言葉に反応して「ベイ博士、メリーはジェットコースターが苦手ですよ〜」と言った。するとベイ博士が答える前にリンダが「大丈夫よルーシー、ベイ博士がきっと怖くないようにして下さっているわよ」と言った。その言葉の答えに関しては誰もが気になっていたので…7人は一斉にベイの答えを待った、ベイは涼しげな声で「皆んな大丈夫だよ、身体にスピード感を、感じられないように作ってあるからね…」と言うベイの言葉に、7人は少しだけホッとした。「フリー・ベー、屋上デッキのシールドを解除」「了解しましたベイ博士」「皆んな、まずは地球を一周して見ようか…」と言うベイの言葉に7人は思わず座席のシートベルトを探した、ボブは少しあせったような声で「ベイ博士、あの、シートベルトが見あたらなくて…」「ボブ、ベルトは無いけど大丈夫だよ、皆んな…チョット斜め下を見てくれるかな」7人はサッと下を見た…「えっ⁇…さっき船のシールドが解除されて…外に出たばかりだと思っていたのに…船が見えない」と言ったのはルーシーである、地球の丸さがハッキリと分かるくらいの高さに自分達が居るのだ…7人の胸のドキドキが止まらない…ベイが「出発するよ」と言った次の瞬間である、地球が急に回り出した…わずか15秒ほどで地球が一回転した…7人はまた「えっ⁇…」と一言発した後(なに?…どうなっているの?)と首を傾げた。メリーはベイの横顔に向って「ベイ…今のなに?…地球が急に回ったわ…」「あっ、そんな風に見えた?、実はこの乗り物が、地球を15秒で一周したんだよ、チョット驚いた?」「…ベイ私、泣いてもいい、なんだか更に胸がドキドキしてきた」と言ってメリーはベイの手を自分の胸にあてた。「あっ本当にドキドキしているね…ビックリしちゃった」と言うと、メリーよりも先に後ろの6人が…「ビックリしたわよ〜」と女性陣が悲鳴を上げれば、男性陣は「もう最高だぜ!」と歓声を上げた。メリーは6人の声に圧倒されて、ただ笑いながら、そっ〜とベイの膝の上によじ登ろうとしていた。「じゃあ次は、月の周りを一周するね」と言うベイの提案に、7人は親指を立てた、と言っても、背もたれが高いので、お互いの姿が見えない状態である。月の周りを飛んでいる時に7人は(あっ〜、子供の頃から見上げていた月だ〜、辛い事が有った時も、嬉しい事が有った時も…何時も8人で見上げていたな…)と思って月を眺めていたら…何だか涙がこぼれて来た…。月を回った後は地球に戻り、ベイから「次は海中に潜るよ」と言われた。7人が(海底にも行けるんだ…)と思っだ時には…乗り物は既に海の中に入っていた「ベイ博士、今…何キロくらいのスピードで進んでいるんですか?」と尋ねたのはグレイである「今は300キロだよ、もっとスピードを上げようか?」「いえ、あの…この位の速さで十分満足しています」と答えながらルーシーの手を握った。目の前に大きな岩山が見える、なのに乗り物の速度は少しも落ちない、ボブが「ベイ博士、岩山にぶつかりますよ」と言うと、ベイは澄ました声で「うん、大丈夫だよ、次は地中に入るからね」「えっ?嫌だ…わっーー」と7人が声を揃えて叫んだ時には…既に地中に…「…トンネルの中みたい、真っ暗で、何も見えないね〜」と小さな声で言ったのはジョニーである、アンジーが答える前にベイが「つまらないよね、もう少し明るい所に行こうか」と言ってくれた、ジョニーが申し訳無さそうな顔をすると、アンジーが小さな声で「ジョニー、めっ…」と言いながら頭を小さく叩くフリをした。ベイが最後に選んだのは、燃え滾る溶岩の中である…7人を乗せた乗り物が火口に向って進んでいく時(あっ〜…もう無理〜…もう一回死ぬかも知れない…)と7人はそう思った、しかし溶岩の中にズボンッと入ると…(あれ?平気だ…)と思い、そのうち赤ともオレンジとも言うような溶岩の中をず〜と進んでいく内に…あまりにも自分達の常識の範囲を超えている現在の状況に(ベイ博士って、何でもアリなんだなぁ〜、綺麗なオレンジ色の溶岩だなぁ〜不思議だなぁ〜この中はちっとも熱くならないんだよなぁ〜本当にスゴイなぁ〜)と心が素直に感じ出してきた…すると次第に(何だか、もう…笑うしかないな…)と思えて来た。始めに笑い出したのはボブである、それがリンダに移りジョニーに移り、アンジー、グレイ、ルーシー、そして最後に、ベイの膝の上に、いつの間にかチャッカリと股がっているメリーに移った。「えっ、メリー⁇…皆んな、どうしたの?何かオカシイ事でもあった?」と言うベイの問いかけに、メリーは黙ってキスをして…「ベイ…不思議な世界に連れて来てくれてアリガトウ、何だかビックリする事が多過ぎて…私達の思考回路がおかしくなっちゃって、私達の心が、今はとりあえず笑いなさいって、命令して来たのよ…急に笑い出してゴメンなさいね、ベイ…大好きよ」と言ってメリーはもう一度キスをした。後ろにいる6人は(メリー、私達の気持ちを代弁してくれてアリガトウ)と思いながらリンダはボブの膝の上に股がり、アンジーはジョニーに股がり、ルーシーはグレイに股がって…それぞれが「愛してる…」と言いながらキスをしだした…。ベイの肩の上に乗っているフリー・べーは、そーっと上に上がり…キスをしている8人をしばらくの間見ていた(…この雰囲気はマズイな、皆さんの体温が上がって来ている…このままセックスに移行する危険性がある…)と思ったフリー・ベーは、他のフリー達に「皆んな、マズイ事に成りそうだ、地上に上がって、いったん船に戻ろう…」と伝えた、すると他のフリー達も同じ事を考えていたようで…黙って頷くと、タマゴ形の乗り物をマグマの中から一気に急上昇させ…そして、船の屋上デッキに連れて帰った。8体のフリー達は優しいので、まず乗り物の中の温度を徐々に下げた…キスに夢中になっていた8人だが、頭が冷えて…我に戻ってくれた…フリー達はすかさず男性の膝の上に乗っている女性陣の耳元で「本船に戻ってまいりました、冷たいお飲み物でも用意しましょうか?」とつぶやいた、すると4人は慌てて膝の上から下りると「あっ、アリガトウ、いただくわ」と言った後…自分のヘアスタイルを整えるようなしぐさをしながら、横に座っている彼氏の顔をチラッと見た…彼氏の口の周りは、自分の口紅で…かなりスゴイ事になっている。彼女達は頬を赤く染めながら、ハンカチで彼氏達の口の周りを拭き…「この続きは今夜またベットの中でね…」と囁くと、彼氏達は黙って親指を立てた。8人は少しの間、ボッ〜としながら飲み物を口に運んだ…。しかし、ベイだけは自己嫌悪に落ち入っていた、メリーの(キスの魅力に負けて、勉強会を中断させてしまった〜)その事に対して…自分の意志の弱さを痛切に実感していた(俺は未熟者だ…これから世界中の神様にケンカを売りに行くのに…もう頭の中は、今夜のセックスの事でイッパイだ、あぁ…俺って何でこんなにエッチでイヤラシイ男なんだろう…)と思っていた、その時メリーが博士の顔を覗き込み「…ベイ、どうしたの…ムズカシイ事を考えているの?」「えっ?いや…僕ムズカシイ顔をしていた」「うん…」「あっ〜、うん…この後の勉強会の事を考えてたんだ…」「ベイは何時も私達の為に…色々な事を考えてくれているのね…本当にありがとう」と言いながらベイの胸の中に顔を埋めた。(あっ〜メリー、ゴメン、違うんだ…エッチな事ばっかり妄想してるんだ…どうしよう正直に謝ろうかなぁ〜)と思っている時…フリーべーから「ベイ博士、地震によりトンネル内で事故が発生しました」と言う報告が入った。他のフリー達も順番に「トンネル内で火災が発生しました」「トンネルそのものが崩れ出しました」「車28台が押し潰されています」と言った内容の事を次々と知らせてくれた。ベイはスクッと立ち上がると「皆んな、神様の邪魔をしに行くよ。今から実戦を兼ねた勉強会をするからね。フリーべー、黒衣モード。ブレス達は透明シールドで8人を包んで」「かしこまりました」と言う返事と同時にフリー達が動き出した。先ずフリー達は空中に浮遊すると8つの黒い影になった、そこに8体のブレスレット達が飛び込んで行くと一瞬のあいだ金色に輝き、そして又黒い影に戻った。ボブ達が小さく首を傾げているとベイは微笑みながら「装着」と言った…7人が「えっ?」と一言発しているあいだに8つの黒い影は、一瞬にして8人の身体に覆いかぶさった…全員が黒いスーツに黒いサングラスと言う姿になっていた。するとリンダが「ベイ博士、何で皆んなサングラスをかけて居るんですか?」と質問をして来た「良い質問だね…さっきフリーべー達の報告で、28台の車が押し潰されていると言う事が分かっているから、何て言うか…僕達はドクターでもないし、レスキュー隊の方達のような訓練を受けてないから…遺体を見たら、多分…気絶してしまうと思うんだよ、そこでフリー達がサングラスになってくれて…僕達が眼にする遺体を、可愛いアニメ風に変換させて見せてくれるんだよ、それなら大丈夫でしょ…」と言った。リンダを筆頭に7人は、大いに納得しました、と言うような表情で頷いた。7人は口にこそ出さないが内心では(今から沢山の人達の遺体を見るんだ…何だか怖いなぁ〜)と思っていたので、ベイの心遣いが本当にありがたかった。8人がそんな事を喋っている間に、船は事故現場の上空500メートルの高さに到着していた。「フリー・べー、スクリーンに山全体を映して」「かしこまりましたベイ博士」するとアンジーが「ベイ博士、トンネルの長さは1560メートル、その上には580メートルからの山がデンッと構えているとフリー・アーが言っています」ベイが頷くと次にルーシーが「ベイ博士、トンネルの南側も北側も、後続の車で渋滞しており、レスキュー隊や救急車両が前に進みずらくなっているとフリー・ルーが言っています」「了解…」するとリンダが、かなり早口で「ベイ博士、軍のヘリコプター3機とマスコミのヘリコプター6機が此方に向って来ているとフリー・リーが言っています」「ありがとう。フリー・べーこの船に透明シールドを張って」「了解しましたベイ博士…透明シールドを張り終わりました」「ありがとうフリー・べー。…さて皆んな、どんな入り方をしようか?…」と言うベイの問いかけに、ボブがすかさず「先ほど勉強会で体験させてもらった地中に潜って行くやり方がいいんじゃないですか?」と言った、するとメリーが「今フリー・メーが、トンネルの中には、人が立って居られるような空間が無いほどに崩れている、と言ってますよ」と言った、ボブは腕組をして「う〜ん…困ったなぁ」と呟いた…その時ベイが「実は、もう少し先の勉強会で披露しようと思っていたマシンがあるんだよ…ちょっと驚くかも知れないけど…やって見ようか?」と言った、するとジョニーが笑いながら「ベイ博士、大丈夫ですよ、俺達さっき宇宙まで連れて行ってもらって、マグマの中にも入って…これ以上驚く事なんて…もう有りませんよ、大丈夫です」と言った。ベイは頷きながら「フリー・べー、先ず船を山の上80メートルの高さに降ろして、その後に山全体を霧で包んで」「了解しましたベイ博士」船は一瞬のうちに山の上に着き、10秒ほどで山全体を霧で包み込んだ…この辺まではジョニーも他のメンバーも笑顔でスクリーンを見ていた。「フリー・べー、山を持ち上げて」と言う言葉に7人は一瞬(んっ…?)と思ったが、なんの事だか意味が分からない…しかし霧の中にうっすらと見える山が、浮いて来たのである…それも丁寧にトンネルの上半分をスッポリと外したような状態である。グレイはジョニーの脇腹を人差し指で軽く突きながら「ジョニーは偉いなぁ〜、もう驚かないんだろう…僕は気が小さいから、いま少し足が震えているよ…」とつぶやいた、するとジョニーが「ゴメン、前言を撤回するよ、胸がドキドキして来た」と言ったので、全員が笑い出してしまった。ベイが床を一回トンッと鳴らすと、昨日と同じ台が出て来た、高さ1メートルで3メートル四方の台である…ベイはその上で手を動かし出した…。ルーシーがアンジーの耳元で「昨日と同じマシンが出てくるのかしら…今日は私達で持ち上げてみない」「いいわよ、私達にはフリー・ルーとフリー・アーが着いているもんね」と言って小さく笑った。「さあ皆んな、下に降りるよ」ベイの号令で8人は事故現場に降り立った。その時、軍のヘリコプターが霧の立ちこめる事故現場上空に到着した。リンダは「ベイ博士、山が浮き上がっているので軍の人達は驚いているでしょうね…」と言って斜め上を見上げた。山が浮いているのは…全長1560メートルのトンネルの屋根の部分、それも、南側100メートルと、北側100メートルを除いた間の1360メートルの間である…トンネルの形に沿って、崩落している標高580メートルの岩肌を、50メートル程上空に、スッポリと浮かしているのだ。ベイは斜め上を見上げながら「リンダ、大丈夫だよ…軍のヘリコプターもマスコミのヘリコプターも霧の中には入って来れないからね…」するとフリー達が、軍のヘリコプターが本部に送っている無線の内容を7人の耳に聞かせてくれた「…霧が濃くて先に進めません…何だ…この霧は?レーダーの機能が働かない…これじゃ山に近づけない…」7人はニンマリとした後、今更のようにベイの科学力の凄さに敬意をはらい、黙って頭を下げた。「どうしたの皆んな、頭なんか下げて…?」「いや〜何て言えばいいのか…ベイ博士最高、何て言ったりして…。俺達しっかり働きますから、何でも言って下さい」と言ってボブは皆んなの真ん中に立って両手を広げて見せた。ベイは微笑みながら「フリー・べー…トンネル内を明るくして」「かしこまりましたベイ博士」フリー・べー達は持って来た箱を開けた…中から100匹のホタル達が出て来た。ホタル達はベイ博士の前に浮くと「ベイ博士お待たせしました、指示をお出し下さい」「トンネル内を明るくして欲しいんだ…」「お安い御用です、お任せ下さい」と言ってホタル達は南側と北側に向って飛んで行った…その後わずか3秒間ほどでトンネル内はまるでデパートにでもいるような明るさに成った。ベイは7人に向かい「先ず28台の車を…いま僕達が立っているこの場所に集めてくれる」7人は声をそろえて「了解しました」と言って親指を立てた。「ボブとリンダとジョニーとアンジーは南側を、グレイとルーシーとメリーと僕は北側を…あっ〜、それと、今からフリー達が皆んなの耳元で話をするから、ちゃんと聞いて上げてね」とベイが言い終わると…さっそく「ボブ様」「何だいフリー・ボー」「両手を横に広げて頂くとボブ様は空中を飛ぶ事が出来ます。トンネルの中で、事故にあってしまった車両の所まで、私とブレスレットがボブ様をお連れ致します」「ありがとうフリー・ボー…じゃあ両手を広げるよ」とボブはサラリと言ったが、内心は(マジかよ〜空を飛べる何て、キャ〜夢みたい)と喜んでいた。他のフリー達も自分の主人の耳元で同じ内容の事を喋っていた…全員がほぼ同時くらいに空中に浮くと、誰もが満面の笑みで北側と南側に別れて飛んで行った。一番最初に事故現場に着いたのはジョニーとアンジーである「ジョニー、ベイ博士が言ってた通り…悲惨な事故現場が怖くないわ」「そうだね〜、フリーは匂いも遮断してくれているんだね…」「スゴイわね…」「うん、第一僕達はここまで飛んで来たんだよね…まるで地球を守るヒーローみたいだよね」「えぇ…でもベイ博士は悪魔の使いっていう感じの事を言ってたわよね…」「あっ、うん、そうだったね…僕達は悪魔の使いだったよね…」アンジーは笑いながら「私は…8人で仲良く生活が出来て、尊敬するベイ博士の助手が出来て、私とあなたが愛し合えて…それだけで、思いっきり幸せなんだけど…」「僕もだよアンジー。…さてと、車を運ぼうか」「了解ジョニー」。と言うような会話を、ベイとメリーを除いた6人が…それぞれの場所で交わしていた。5分後、28台の車がトンネルの中心部分に集められた。ボブが少し興奮気味に「ベイ博士、車一台の重さがまるでマッチ箱でも持っているような感じでしたよ」と言って皆んなの顔を見回した、するとグレイも「僕達も何だか、映画に出てくるヒーローに成ったみたいだねって言いあってたんですよ」と言って微笑んだ。アンジーとジョニーは顔を見合わせて(皆んな…同じような事を考えて居たんだなぁ)と思いながらベイの顔を見た、しかしベイはヒーローと言う言葉には何の反応もせず「皆んな、ご苦労様、じゃあ次に、プレスされてしまっている車の天井部分を剥がして、中から遺体を取り出そうか…」と言った。7人は笑顔で親指を立てた後…言われた通りの作業に取り掛かった。「フリー・べー…マジックシートを出してくれるかい」と言ってベイは次の準備に入っている…7人は作業をしながら(マジックシートって何だろう…)と思いながら横目でチラチラと見ていた。フリー・べーが用意したシートは地面から1メートルの高さに浮いている、7人は(あら〜何だか魔法の絨毯みたい…)と思った。8人は車の中から回収した遺体をマジックシートの上に丁寧に置いて行った。ベイは皆んなの顔を見回して「さて、遺体の数は84人…今から僕が、フリーに1つの命令を出します…すると今、目の前に見えない物が見えて来ます…皆んなが1年間経験して来た事です…」するとカンのいいリンダが「もしかしたら幽霊が見えるんですか?」「当たり…皆んな怖くないよね…」とベイが言うと、日頃、自分は気が小さいと言っているグレイが「ベイ博士、ソコはさすがに大丈夫ですよ、僕達も1年間幽霊をしてましたから」と言って微笑んだ。ベイは頷きながら「フリー・べー…幽霊モード」「かしこまりましたベイ博士」と言い終わった瞬間…8人が掛けている黒いサングラスが青いサングラスに変わった、それと同時に84人の幽霊がマジックシートの上に現れた。84人は自分の遺体を見ながら涙をこぼした…そして静かに顔を上げるとベイに向って口々に「助けて下さい、お願いします、助けて下さい…」と言って来た。ベイは微笑みながら「はい、助けますよ、皆さんに生き返ってもらいますよ…大丈夫です…」と言って84名の顔を見回したが、そこから先の気のきいた言葉が浮かばない。するとアンジーがジョニー耳元で「ダーリン出番よ」と言ってジョニーを前に押し出した。ジョニーは一回せきばらいをした後に「皆さん、不思議な事ってあるもんだなぁって今…思ってらしゃるでしょう。上を見れば山が浮いてるし、皆さんの遺体を乗せたシートも浮いてるし、第一なんでオメエラ8人は幽霊の私達と喋れるんだよ、ってね…」84名の中から笑い声が上がった…ジョニーはなごんだ雰囲気を肌で感じると「こちらに居られる方は、ベイ博士です…ありとあらゆる科学の先頭を走って居られる方です…今から皆さんの、バラバラ遺体を復元させ、そして生き帰らせてくれます。色々と皆さんの方から質問等も有るかもしれませんが…トップシークレットなので詳しい事を説明する事が出来ません…どうかご了承ください、では自分の番が来るまでもう少しお待ちください」と言ってジョニーはベイにバトンタッチをした。ベイは「ジョニー、ありがとう〜助かったよ」と言った後に「皆さん…私は口下手で…スミマセン…さて、この中で生き返りたくないと言う方は居られませんか?」と尋ねた。ボブ達7人は(えっ⁇)と思いながら84人の幽霊に目を向けた…すると5人の人が手を上げている(なんで…?)リンダもルーシーもアンジーも首を傾げてしまった。ベイは一人の壮年の元に行って「生き返らなくていいんですか?」と尋ねた…すると壮年は「…15年前に女房が亡くなってね…息子夫婦が一緒に住もうって、言ってくれているんだけども…いゃ〜80過ぎた爺さんが一緒に住んだら…きっと迷惑掛けると思うんだ…それに女房が死んでしまってから…毎日が淋しくて…淋しくて…女房に会いたくて…」と言って泣き出してしまった。するとベイは何度も頷きながら「大好きな奥様が亡くなられて本当に淋しかったでしょうね…」と言って涙をこぼしながら「フリー・べー…あの世の映像を見せて」「かしこまりましたベイ博士」「お爺さん、奥様の名前は?」「…女房の名前はキャリーデイジ…」「分かりました、呼び掛けてみますね、この中にキャリーデイジさんは居られますかー、キャリーさーん…居られないなぁ〜、フリー・べー他を探してみて」「かしこまりました…」83人の人達もボブやリンダ達もこの光景を静かに見守った。そして又「この中にキャリーデイジさんは居られますかー…えっ…キャリーさんですか…15年前に亡くなられたキャリーさんですか?…あの御主人の名前は…マークデイジさん…ちょっとお待ち下さいね。お爺さんの名前は?」「私はマークデイジです…」「良かった、見つけましたよ。フリー・べー奥様を此処にお連れして」ベイは前の時のように箱の上で手を動かしだした…白い煙が出てきて、やがて煙は球体になり、大きくなり、そしてパンッとハジけた…中から一人の婦人が…「キャリーかい…?」「…その声はマーク?」「キャリー私だよ、また会えるなんて…キャリー…」と言ってお爺さんは泣きながら奥さんの元に走って行った…奥さんは御主人を抱きしめると「マーク…相変わらず大きな赤ちゃんね〜」と言いながら背中をさすった「キャリー…ワシ毎日が淋しくてなぁ〜…でもな今日やっと死ねたんだ」「トーイは…貴方が居なくても大丈夫かしら?」「キャリー…トーイはもう52歳のお父さんだよ、嫁さんのメリッサも優しくて、孫のケートとスタンはもう立派な大人だよ」「そう、なら大丈夫ね」「キャリー…若くて綺麗だね」「…そう…、60歳で死んだからかしら」するとお爺さんは振り返り「あのベイ博士…」「なんでしょか?」「あの…生き返らなくていい分…ワシを62歳にしてもらえませんか?」「お安い御用ですよ…」と言ってベイ博士は箱の上で手を動かした、すると80歳のお爺さんはアッと言う間に62歳に若返った「おぉっーワシ62歳に成っている。キャリー…この歳のワシは、まだ…お前を抱くことが出来るんだよ」「もう〜マークったら、皆さんの前で恥ずかしいわ」と言いながら御主人の胸の中に顔を埋めた。「フリー・べー…お二人をあの世に送って」「かしこまりましたベイ博士」と言い終わった次の瞬間、ご夫婦は白い煙の玉に包まれた…揺らめく煙の中で、キスをしている二人の姿が見えた…そして、白い玉は空へと上がって行った。ベイは次の人の所に向った、ご夫婦と二人の小さな娘さんである。「どうされたんですか?」と言うベイの問いかけに御主人は頭をさすりながら「癌だと医者に言われまして…余命2カ月です…妻にゴメンなって謝ったら…まさか妻も癌に成っていて…10歳と8歳の娘に「パパとママは癌に成っちゃって…ゴメン施設に入ってもらえるかなぁって言ったら…嫌だって、でも…もうすぐ死んじゃうんだよって言ったら…一緒に行くって……そしたら最後に楽しい事をしようかって…今日は、遊園地の帰りなんです…」父親は此処まで話すと泣き崩れてしまった、母親の腰にしがみ付いて二人の娘も泣き出してしまった…余りにも気の毒な家族に…他の幽霊達も泣き出している…その時アンジーが明るく弾んだ声で「御主人、おめでとうございます、此方に居られるベイ博士は世界最高峰のドクターなんですよ、大丈夫です…生き返るのと同時に癌は治ってますよ。ねぇベイ博士、そうですよね」「はい、その通りです…では先ずこちらの家族の方達から始めましょう、ボブ、マシンを持って来てもらえるかなぁ」「了解しました」何時も通りの手順でベイは次々と遺体の損傷を復元させ、そして魂を身体に返して行った。「御主人、奥様どうですか、癌はキレイに取り除きましたよ。」夫婦は深呼吸をしたり、のけぞったりした後に…「ありがとうございます…治ってます」と言って泣き崩れた。周りの幽霊達からの祝福の声が幾重にも重なる中…ベイは微笑みながら次の人に移って行った。次々と蘇る人達…生き返った人達は、喜びのあまり奇声を発し…自分の順番を待っている人達は手を叩いて絶賛している。あちこちから上がる歓声を聞きながら…リンダはベイ以外のメンバーを集めた。メリーは小さく首を傾げながら「どうしたのリンダ?」と尋ねた、リンダは作業をしているベイの事を横目で見ながら「あのねメリー、実は6人で話し合ったんだけど…もしベイ博士が83人の人達から神様ありがとうございます…みたいな事を言われたら何て答えると思う?」「たぶん悪魔の使いって言うと思うわ…実は私達の今着ている黒いスーツの事なんだけど…昨夜ベイがね「メリーどうだい、この黒いスーツ、悪の化身っぽく見えるだろう」って言ってたの…」「やっぱりね〜、ねぇメリー、ベイ博士が今している事って本当に悪い事なのかなぁ、自然の摂理に逆らってるって言ってたけど」「う〜ん…ベイ自身がそう言ってるから〜、実は私もよく分からないの…」「良かった…メリー実は私達ベイ博士の表現を少し変えようと思ってるの、協力してくれる…」「いいわよリンダ」「良かった、じゃあこの後の作戦会議を7人でコッソリしましょう………」と言って7人はその場から離れた。ベイはマシンを使いモクモクと作業を続けている、そんなベイから見た7人は、モクモクと車の残骸を片付けてくれているように見えた、だから(有り難いなぁ〜、何も言わなくてもチャンと次の事を解ってくれている、日本人が言う所の阿吽[ア.ウン】の呼吸と言うやつだね〜)と思っていた。ところが7人は自分達のフリーを使ってヒソヒソ会議をしている…ベイにはそのへんの7人の細かい感情の部分が理解出来ていなかった。約90分後、83名全員をピカピカの健康体にして生き返らせた…83名は口々にベイに向かって、ありがとうございます、助けて下さって感謝の気持ちでいっぱいです。神様だあ〜、とか仏様だ〜とか、美辞麗句を山のように言い出した…すると案の定、ベイは「待って下さい違いますよ、私達はそんな立派な考えのもとで行動している訳ではありません、神様の邪魔をしようと…」とその時である、メリーがベイの左腕をグィッと引き、自分の胸の中に抱き込みながら「ねぇベイ」「えっ?何だいメリー」「細かい説明はジョニー達に任せて…私達は、一人だけあの世に行ったお爺さんの家族の事を考えて上げないと」と言ってベイの顔をジッと見つめた「あっ、そうだね…」と戸惑っているベイの耳元で、ジョニーはすかさず「ベイ博士、後の事は僕とアンジーに任せて下さい、2人で此処に居られる方達が納得して帰って頂けるような説明をして置きますから…」「すまないなジョニー、僕は人前で喋るのがどうも苦手で…」するとアンジーが「何を言ってるんですか、ベイ博士は色々な素晴らしいマシンを作られる天才じゃないですか、話す事は私達2人に任せて下さい」と言って親指を立ててくれた。メリーはベイと腕を組んだままで「フリー・メー、私とベイだけの会議室に成って」「かしこまりましたメリー様」と言い終わった次の瞬間…2人は真っ白な部屋の中に立っていた。3メートル四方の小さな会議室の中には…2人掛けのソファーが1つ…メリーは先にベイを座らせ…自分はちゃっかりとベイの上に股がり「ベイ、…フリーって本当に素敵ね〜、2人の為に、こんな空間を作ってくれるんだもん…」と言ってキスをした。リンダは2人の入っている会議室を見ながら「フリー・リー、あの会議室は外側からの声は聞こえないのかしら」「はい、聞こえませんリンダ様。その為、中の声も、外から聴く事が出来ません…ご了承ください」「いいわよフリー、それでいいの。さぁ皆んな、打合せ通り始めましょう」その声をきっかけにボブは83名に向かって「皆さ〜ん、今から外に出る為の注意事項を言いま〜す、スミマセンが此方にお並び下さ〜い」と言って皆んなをトンネルの中央に集めた。ジョニーは集まってくれた83名を見ながら「フリー・ジー、僕とアンジーを130センチくらい上に浮かせてくれないかなぁ、後ろの人が見えないんだよ」と言うとフリー・ジーとアーが声を揃えて「かしこまりました」と言って2人をスッ〜と浮かせてくれた。83名は2人に対して満面の笑みを浮かべている…まずジョニーから「皆さん…私は始めにトップシークレットなので質問はしないで下さいって言いましたけど…皆さん、なんとなく心の中がモヤモヤしてるでしょ…」全員が頷いた、ジョニーは微笑みながら「今から、私達が言えるギリギリの事を、喋らせて頂きます…。世界中には色々な研究機関があります…正しいモノもあれば、そうでないモノもあります…。また研究機関のスポンサーが企業団体なのか、国なのかによっても内容が変わって来ます…研究機関にはカタチとして世の中に出せるモノを作れ、と言う絶対的な命令が下されます…その為になら莫大なお金を使わせてくれます…しかし、どこの研究機関も中々結果を出す事が出来ません…話しを少し変えます、博士と呼ばれる方達は、自分が一番偉いと思っています…全員ではありませんよ…天才と呼ばれている人は沢山居ます…でも世の中の役に立てる天才は何人居るんでしょ…優しい天才は、悪い人に利用されます…しかし天才の中の天才は、恐れられ、所を追われ…殺されます…でもシブトク生き残る事が出来た天才は、世の中の、敵に成るのか?味方に成るのか?…人によって違いますが、ベイ博士は、皆さんの味方に成ってくれました」83名は小さく歓声を上げた。次にアンジーが皆んなの歓声が静まるのを待って話し出した「私達は今日…この事故の事を知って駆け付けました、実は内緒で来ちゃったんです。上のモノは政治家、実業家、学者、有名人の為に私達を使いたいようなんですが、ベイ博士は、民衆の為のチームなんだとおっしゃって…私達7人はそんなベイ博士が大好きです、尊敬してます。何時も私達は守ってもらって居るんですけど…ベイ博士が本当に大変な時には、私達7人が命懸けで守ります…。ベイ博士は頭が良い分…先の事をものすごく考えられます…今回、皆さんを助けた事も「神様が与えられた試練を、僕が奪い取っているんじゃないかな?とか言っています。

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