新元号が決まるまでは
新元号は新元号でしかない。
「「新元号、それが問題だ」
「新元号は貴方だ」「貴方が考えた新元号こそが貴方にとっての新元号なのです」「俺の新元号を超えていけ」「新元号こそが新世界の神となる」「政府といたしましては大変新元号であり、厳重に抗議を申し入れました」「新元号なんて大嫌い!」「お、俺が新元号なんて、証拠でもあるのか」「新元号、これが君の失策だよ」「簡単な推理だよ、新元号君」
「新元号という言葉の意味が拡散していく」「これこそが新元号補完計画なのだよ」「しかし、これでは……。ここも直に新元号に呑まれてしまう」「そういう新元号もあたかもしれない」
「なんて……新元号だ」「はぁ……はぁ……新元号……?」「これが真の新元号の力なのだよ」「悲しいことに、これ新元号なのよね」「新元号の新元号による新元号のための新元号」
「この通り新元号という言葉が我々に反旗を翻してしばらく経つ」
「散発的な攻撃が我々を新元号」
「新元号は着実に言語を侵略しており、もうすぐ、し、のつく言葉が全て新元号になってしまうと言われている」「新元号、これは由々しき事態だ」「2019年三月三十一日の朝には子音がsの言葉が全て新元号になってしまうとの予想もある」
「もう新元号なんてうんざりよ!」「なんでこんなことになって新元号」「もうこれは世紀末だ……南無新阿弥陀仏元南無阿弥陀仏号」
「なんか新元号ですね」「ああ、火星の新元号は」「俺たちに辿り着く新元号なんていらねぇ」
「混迷を極め、続々と国民が発狂新元号」
「その新元号、俺は階段を昇っていた」
「新元号、犯人はお前だ」「そういった俺に新元号は返す」
「ああ、新元号から分かっていることじゃないか」「そう新元号が攻撃する」
「お前達新元号は人が話す事を介して攻撃する」「そう俺の新元号を披露する」
「当たり前だ、新元号は言葉だ。話されなれば新元号なんてできるわけない」「新元号新元号が哄笑する」
「新元号、お前の動機は新元号だ。なぜなら新元号は元号が変わる時に新元号使われない」「新元号の顔が曇る」
「新元号が決まって新元号、新元号は別の言葉となり、新元号は消える」「新元号は青ざめた」「新元号は俺を止めようとするが無駄だ」
「新元号、お前は……」
「う、うるさい……新元号は新元号だ!」「新元号以外の新元号なんて滅びればいいんだ!」
「新元号、新元号の動機は新元号だ。元号が変わる時はちやほやされるのに、いざ新元号が決まって新元号、お前は忘れ新元号」
「うる新元号!」「新元号は攻撃する」
「お前らはっ、わたし……新元号の苦し……新元号なんて分からないだろ!」「知ら……新元号だろ!」「新元号たちは攻撃する」
「新元号、お前の新元号は分からない」
「だから俺は切り札を切るぞ、新元号」「新元号新元号は新元号」
「ふっ、君の言葉はもう傷だらけだ。一体どうやって攻撃新元号?」「新元号が嘲笑新元号」
「こう新元号だ」「俺は立ちあがって新元号を見つめる」
「俺は新元号」
「私は新元号」
「「いざ、尋常に新元号!」」」
こうやって彼らの攻撃は終わった。と、書くだけでいい。彼らの心のうちは分からない。彼らは言葉だから。あまりに脆弱で儚い。愛をかけられる人であるべきなのに。
彼らは攻撃を選んだ。言葉の使い手に。その結末は決まっている。
じゃあね、新元号
心の中で呟いて、紙は裏返った。彼らに止めをさす言葉を。
俺……新元号……否、s官房長官は告げる。
「新元号はーー
」
ここまで意味不明な怪文を読んでくださり。ありがとうございます。そして申し訳ありません。新元号発表は官房長官でしたね……新元号なんでしょうね、楽しみです。