序幕
初めまして!東風西風といいます。
この度は序幕をクリックまたはタップしていただきありがとうございます!
健気にまだ終われぬ学生生活を背負いつつ、小説を書いております・・・。
今作はもう一つの自作である「その狐は神様でレベル七百の冒険者」とは大きく変わったテイストで書いております。
両方ともカクヨム出してるので・・・両方とも評価してほしい。なんて!楽しんでいただけると、ありがたいです。
「ここから逃げるんだ!もうすぐそこまで来ている!」
男の声が上から聞こえてくる。
なにやら今日は一段と。いや何段も上が騒がしい。
何があったのか。好奇心は擽られど、それを確認する術はない。
なぜか。それはこうして今、地下の牢獄に入れられ、左足首に足枷がつけられているからだ。
その足枷も鎖とつながり、鎖の端はコンクリート製の壁と一体化している。
動ける範囲など、昔に確認したがこの牢獄の角にすらたどり着けない。
「無理だ!ここを離れる!ここの防御力は帝都一じゃねーのかよ!!」
また声がコンクリートのひび割れた隙間を縫ってこの牢獄へ伝わってくる。
しかし状況は変わり、先ほどよりも事態が深刻化したのだろうか。絶望に満ちた声と罵声が届いてきた。
どうやら上は死人が出るほどの騒ぎらしい。末恐ろしい。
「・・・・・・」
何もないこの牢屋。月日も分からない真っ暗闇。寝た回数で日数を調べようともしたが、あいにく日光が一切ないがゆえに寝る時間すら一定にならず、失敗した。
暗闇はまさにすべての情報を奪うのには最適なのかもしれない。
大声でなければ聞こえない。聴覚なんてものは機能しない。
視覚。なぜか暗闇であるのに事細かに見えるが、鍵穴さえない鉄格子にコンクリートの左右上下の後ろ。合計五面の壁だけ。あと、鎖と足枷のみ。
何もできない。
手で壁や床を触れても、コンクリートの冷たさしか伝わらない。鉄格子も然り。つまりは触覚も意味をなさない。
嗅覚も言わずもがなである。
本当に自分はなぜこんな捕らわれの身になっているのだろうか。答えなど出るはずもない問いかけは牢屋の中の虚空へと消え去る。
バギっ!
突然の異音に体をこわばらせる。
気づけば、なにやら大質量の物体が地響きとともに上を歩いているようで、脆くなったコンクリートの一部が倒壊し、鉄格子の一部が拉げた音のようである。
よくよく見ると、コンクリートにひびが入った部分は鎖の先端で、少し周りを手で掘れば鎖をコンクリートから離せそうであった。
「・・・。よし!」
意を決し、ひびの入ったコンクリートの一部をぼろぼろとはがすと、チャリンという音とともに鎖が床へ落ちた。
と、天井が崩壊するのはほぼ同時であった。
あとがき。書くことは特にないので!最新話まで一気読みしてくれたら・・・とてもうれしいです。そのまま評価しても?
こちらは投稿頻度は「その狐(以下略」と打って変わって毎日を目指して頑張ります。
序幕。読んでくださりありがとうございました。