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最強極道が異世界に行ったら最弱乙女だった件  作者: くれいじーぼーい
百鬼夜行
2/2

変化

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

「神の様な人物にあった?」

レナの問いに慎は無言でうなずく。

「神か。もしそれが本当だとしたらお前は一体なんだ?」

「知るか。知ってたらとっくに話とるわボケ」

慎は強く当たった。それだけ虫の居所が悪いということだ。

ここまでに何があったか簡単に説明すると、慎は戦場で倒れていた。それを保護したのがレナとイグニスで、今はなぜあんなところに倒れていたかを聞いていたところだった。

慎の虫の居所が悪い理由は、殺されてからここに至るまでの記憶の中に、知り合いの様な人物がいたからだ。今顔を見たら聞くに堪えない暴言を発しているかもしれない。

「この際、口が悪いのは触れないでおくが、お前は女だよな?」

慎は首をかしげると

「俺は男だが?」

沈黙。

そして、笑い声。

慎が怪訝そうに聞く。

「なして笑う?俺は男だろ?常識的に考えて」

原岡変えて笑うイグニスが、苦しそうに言う

「常識も何もだ。鏡...鏡見てこい。」

慎は疑り深く、しばらくその場から動こうとしなかったが、やがて諦めたようにため息を吐き、風呂場の場所を教えてもらい、見に行くことにした。

......ん?

慎はとある違和感に気付く。

......背が低い?

慎が立った時。基本的に地面は遠くに見える、だが地面はいつも以上に近い。本来ならばあり得ない距離に地面がある。いつも180以上のところから見下ろしていれば、おかしなことにはすぐ気づく。

大体162cmといったところだろうか。

慎は違和感よりも先に好奇心に駆られ、風呂場の方へと歩き出す。

慎はおぼつかない足取りで、どうにか風呂場にたどり着く。

鏡の前に立つ。

沈黙。

慎は自分の顔をまじまじと見つめた。でこが見えるように雑に切られた前髪に、横から後ろから、さらっと伸びた白髪は、肩から背中のくぼみの中心近くにまで伸びている。

凛々しくもあどけなさの残る目に群青色の瞳。くっきりとした輪郭、小さくかわいらしい唇。

いつもは曲がっていた背筋も伸びていて、大きい人より大きくはないが、確かな胸がちゃんとある。

スラっとした体には程よくあい、違和感を感じさせない。

唖然。

自分のあまりの変わりように素で目を擦る。

普段あまり事を大きく考えない慎が、珍しく動揺する。

何が起きた?俺が死んでから何があった?

そんな疑問も自我を清掃と襲い掛かるが、どうにか振り払い、理性を保つ。

微かな笑い声。

俺はその笑い声で完全に理性を取り戻す。

そして状況を理解しようと、今まで全く使ってこなかった頭を使う。

理解する。

パズルのピースをはめるような感覚。

極道をやっていた時に、何度か聞いたことがあり、一度だけ調べたことのある言葉。異世界転生。異世界転移。

俺はそのうちの異世界転生とやらにあっているらしい。調べた時は体が変わるなんて載っていなかったが。

さらに沈黙。

慎は二人の元へと静かに戻る。

二人はもう笑い止んでいた。慎が見ると二人は、距離を置かず、かと言って近いわけでもない距離にとどまりお互いの武器の手入れをしている。

レナと呼ばれた女性の方は、黒く、光沢を消すようにして加工された素材で作られている漆黒のナイフに、現代のリボルバーと同じものをシリンダーから、刃の先まで丁寧に手入れをしていた。

イグニスの方は、大きな矢印状の槍と丸く、中央に槍の先の様な突起が付いている縦、さらに黄色の光を帯びた剣を、念入りに手入れしていた。

慎は、見慣れない手つきで手入れをする二人に興味が魅かれこそこそと眺めていた。

沈黙。

しばしの沈黙が続いた後二人は手入れを終えて、慎がなかなかか戻ってこないことに疑問の念を持つ。

そろそろ潮時だたと悟った慎はすぐに二人の前に姿を現す。


「遅かったな。何してた?」

「い、いや。なんでもない」

「なんだそりゃ。...で?己の姿はどうだったよ」

「ああ。こればかりは自分が女であることを認めざるを得ないな。」

「でしょうね。というか自分の声で気づかなかったの?」

「気づかなかった。完全に気を抜いていたからな。」


へぇー、と関心のない声を漏らすレナを後に、イグニスの方を見る

急にまじまじと見られてイグニスが戸惑う。

「お、おい。なんだよ。そんなまじまじと見て。」

慎は身を乗り出してイグニスの顔を見つめると。

「昔の俺より悪人面してんな」

と一言。

沈黙。

刹那、イグニスが槍を抜く。顔を真っ赤にして。

慎は吃驚した。

慎はいつもの通り、臨戦態勢を取ろうとして、気付く。

身体がいつも以上に言うことを聞かない。重たいといったところか。

格闘術の構えをとろうとしたとき、肘がすぐに定位置につかなかった。

それに、動体視力もだいぶ落ちている。昔はイグニスくらいの速さなら視認できた。だがイグニスの動きすら視認できていなかった。

慎はすぐに戦況を判断する。まだ始めてすらいない戦闘を不利だと判断し、構え降ろす。イグニスはカッかなっていたのか、有無を言わさず突っ込んできた。

慎はあきらめて、完全に初心者流防御の姿勢をとる。

甲高い金属音が響く。

慎は目を開く。見るとそこにはれながイグニスの槍を止めているところだった。

慎は目を見開く。

レナの腕には、本来なかったはずの爪が、とても大きな爪が生えていた。それも腕に寄生したように。

慎はそれを見て我に返る。

「すまねぇ。ついかっとなってやっちまった。」

イグニスは軽く流す。慎は目をガン開きにするほど驚いたが、レナは気にすることもなく、

「いつもの事じゃん?」

と適当にあしらう。

そして笑いあう。慎にとって異様な光景が広がる。

恐ろしい力を持ったはずのレナ。それを見てピクリともしないイグニス。

この二人はとても恐ろしいと、本能が悲鳴を上げる。


.....とんでもない奴等に保護された....


と心底思う慎であった。


始め方と終わり方をどうしたらいいかわからなかったから遅くなったのぜい

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