小説家になろう ―ログイン中ホーム画面にて泣きが入る―
本当にみんなは読んでくれてるのだろうか。
色々なサイトへと載せまくった甲斐もあり、Pv数に変化はある。
ユニーク数も少しずつ伸びている。
なのに。
なのに、だ。
「感想もレビューもまったく付かない……ッ」
くっ。
なぜ?
なぜなんだ……ッ?
ぼくの文章は冒頭を読んだ時点で「あ、これ、いらねーや」と思われているということか。
読者様からのお声が聞こえる。
お前の文章など取るに足らないものだと。
俺の輝かしき人生という限られた時の中で、こんなものを読ませやがって、ハゲ死ねボケッ、と。
ああ。
立ち直れない。
いっそ途中で投げ出してしまおうか?
転生モノや、異世界モノを始めてしまおうか?
モテたい一心で髪を染めた時の気持ちがリフレイン。
同時に思い起こされるガチ不良の罵倒に溢れいん涙。
駄目だ。
転生モノや、異世界モノが悪いというわけじゃない。
むしろ、いい。
大好きだ。
自分が購入した本はそういった系統ばかりだった。
なぜ書き始める前にそれに気付けなかった?
ニーズを調べるなんて、初歩の初歩だろうに。
うん。
だからぼくは転生モノや異世界モノは否定しない。
では、何がダメか?
途中で投げ出してしまうことだ。
『小説家になろう』に掲載している、小説の書き方などについて言及している先達様たちも書いていただろう?
逃げちゃ駄目だと。
やれることをやらないで、後悔するのは自分なんだとッ。
諦めたらそこで作品終了ですよとッ!
途中で連載辞めたりしたら、ただでさえ面白くもなんとも無い作品に誠実さが失われる。
ひいては自分の唯一無二の武器である真面目に書くということが失われてしまう。
結果、今、読んで下さっている読者様や、新しく読んで下さるかもしれない未来の読者様たちの信頼を損なう。
そうなれば、誰がぼくの作品を読んでくれるのか?
誰も幸せにならない。
そう!
人の心を動かすのは、ただ人の心のみ!
第一部以降も読んでくれている読者様がいらっしゃるんだ。
たとえユニーク数が一人になったって構わない。
拙著なぼくの文章を、愚痴も言わずに読んで下さっている読者様のためだけに。
物語を終わらせるんだ。
転生モノや異世界モノはそれからだ!
「よしッ」
気合を入れるように声を出し、いつものように自分のページへとログインする。
二次創作の投稿に関して。
赤い二重線で囲われた文字のその上に、見慣れない赤色があった。
新着メッセージが1件あります
噂には聞いたことがある。
自身の作品に感想などが書き込まれた時に起こるという『通知』という機能。
まさか……これが……ッ?
目頭が熱くなり視界がぼやける。
鼻の奥から突き上げる痛み。
歓喜の嗚咽が喉から漏れ出た。
きっと万物の頂点に立つ読者様のお一人が、ぼくの卑しき嘆きを聞き届けて下さったのだろう。
「ぼく、泣いても良いんだよね……?」
脳内の読者様は穏やかに微笑んだ。
ぼくは震える手で赤くぼやけた文字にタッチする。
ああ、喜びのあまり涙で文字が読めない。
しゃくりあげる肺を手で押さえ、早く読みたいと急かす心臓を宥める。
そして、ようやく開かれた視界の先には読者様からのメッセージが!
感想返信通知。
つまるところ、ぼくが他の作者様へ挙げた感想の返信。
説明しよう!
そういうことである。
ぼくは思う。
読者様はこうおっしゃりたいのだろう。
小一時間も掛けて、こんなもんを書いてる暇があったら、とっとと続きを書けハゲ死ねボケッと。
脳内の読者様は穏やかに微笑んだ。




